刺されたら一巻の終わり?毒をもつイモガイの危険性に要注意!対処法も

イモガイが生息しているのは沖縄周辺の海域だけではありません。温暖化により、海の温度が上昇したために生息域が拡大し、現在は鹿児島、高知、和歌山、千葉などの海域にも多くの種類が確認されています。生息域は確実に広くなっていっています!「南の海ではないから大丈夫。」などということは決してありません!

イモガイの猛毒は超危険

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イモガイの持つ毒は恐ろしい神経毒です。神経毒といえば、フグ毒でよく知られる「テトロドトキシン」や、コブラや海ヘビなどがもつ「へビ毒」などが知られていますが、イモガイの持つ毒はこの「テトロドトキシン」や「ヘビ毒」とほぼ同等で、種類によってはそれ以上に強力な毒をもつ個体がいます。

神経毒を操る

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イモガイには、神経毒の毒腺がついた銛をもっています。これは歯舌から進化したしたもので、「毒銛」とよばれています。「矢舌」ともよばれ、まさに銛のように先端は鋭くとがっており、獲物に突き刺した後に抜けてしまわないように逆トゲ(上下二段のかえし)がついているので、確実に獲物に毒を注入することができるのです。

コブラよりも強い毒性

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毒をもった生物の代表格といえば、コブラです。なかでもインドコブラは強力な神経毒と毒量を持ち、ニホンマムシの35倍もの強力な毒をもっているといわれています。そして、今回紹介しているイモガイの種類の中には、なんとそのインドコブラの37倍もの強さがある毒をもつ種類もいるのです!

イモガイの毒の仕組み

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基本的にイモガイは動きが非常にゆったりとしていて、なめくじのように緩慢な動作しかできません。獲物を捕食する時の行動も、2種類のタイプがおり、「獲物を探して動き回るタイプ」と、「一つの場所で動かず獲物を待ち伏せするタイプ」に分けられます。待ち伏せするタイプは主に岩場に隠れていたり、砂の中に潜っていたりします。

吹き矢のように毒銛を飛ばす

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前述の通り、イモガイはゆっくりとした動きしかできないので、すばやい魚などの獲物を追いかける、といったことができません。そこで使用するのが毒銛です。体を早く動かせないかわりに、毒銛を吹き矢のように素早く飛ばすことで獲物を捕食することができ、軍手やウェットスーツならば簡単に突き破ることができてしまいます。

餌をとる時に使う

イモガイが放った毒銛は獲物に刺さると毒が注ぎ、獲物を麻痺させたあとに大きな口で丸呑みして捕食します。自分と同サイズの獲物でも難なく丸呑みすることができます。このように本来、毒銛は獲物を捕食するために使われることが多く、捕食以外で毒銛を使うのは身の危険を感じた時なので、手を出さなければこちらに害はありません。

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