刺されたら一巻の終わり?毒をもつイモガイの危険性に要注意!対処法も

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ヤキイモは、大きさは4~6cmほどで、白地に茶系統色の斑模様があるのが特徴ですが、貝殻の色や模様が違う個体が多いです。食性はアンボイナガイと同じ魚などの脊椎動物を食べる種類で、毒性も強いです。しかし毒の成分に少々違いがあり、現在研究者の間でヤキイモの毒が注目されています。

イモガイに刺された時の対処法

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ここで、実際にイモガイに刺され、毒による症状が出てしまう前に行う対処法を紹介します。イモガイの毒は非常に危険とされていますが、早急に対処・処置を行うことで、死に至ることはなくなります。イモガイに刺された瞬間は蚊に刺されたような痛みしかしない場合があります。「刺されたかな?」と少しでも思ったらすぐに対処をしましょう!

海から上がる

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まず、海から陸へ上がることが最優先です。イモガイの毒は神経毒なので、体がしびれてしまったときに溺れてしまう危険性があります。刺されてから症状が出るまでに数十分ほどかかりますので、刺されたと判断したらすぐに症状が出る前に海から上がり、救急車を呼んだり周囲に助けを求めましょう。

すぐに毒を吸引して病院へ搬送する

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次に、刺された場所を口や吸引器などで毒をできるだけ吸い出し、すぐに病院へ搬送してもらいましょう。現在「コノトキシン」の抗毒血清が無いため、自然治癒力に頼るしかありません。幸い、心筋や中枢神経には悪影響がないため、毒が体内で自然に分解されるまで、呼吸不全を防ぐために人工呼吸器で対処すれば死に至ることはありません。

イモガイは食べることもできる

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ここまで、イモガイに対する脅威を述べてきましたが、そんなイモガイが一部では食用とされているのです。イモガイの毒は胃酸で分解されるので、口にしても問題はありません。ただし、煮た時に身が殻の中に入り込んでしまい、取り出すのが困難になってしまうので、あまり食用にされることはありませんが、一部では食用として出されています。

沖縄ではポピュラーな食材

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イモガイは食用としてはあまり知られていませんが、イモガイの生息地である沖縄では食用としてされており、郷土料理としてレストランなどで、食べることができます。味もなかなかに美味しいので、沖縄へ観光の際はぜひ一度食べてみてはいかがでしょうか。

バター焼き、蒸し貝などレシピ多数

イモガイの味はクセも特になく、コリコリとした触感もあり、意外と美味しく食べられるので、自宅などで食べている人もいます。漁師の間では塩ゆでにしてその場で食べられたり、他にもポン酢や味噌味で味をつけたり、バター焼きや酒蒸しなどにしても美味しくいただけます。

イモガイにも天敵はいる

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猛毒を操る危険な貝としてイモガイをこれまで紹介してきました。しかし、そんなイモガイも完全に無敵というわけではなく、最大の武器である毒銛が効かない天敵に対しては無力になってしまい逆に捕食されてしまいます。そんなイモガイに対する天敵と呼ばれる存在を紹介しましょう。

カニには毒針が刺さらない

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イモガイの天敵はカニなどの甲殻類です。甲殻類は硬い甲羅をもっているので、毒銛が全然刺さらないのです。なので、イモガイはなすすべもなく割とあっさり捕食されてしまうのです。他には同じイモガイでも、貝類を主食とするタガヤサンミナシガイなどの種類も天敵となります。

イモガイの毒に新たな鎮痛剤開発の期待

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近年、イモガイがもつ毒である、貝毒「コノトキシン」という神経毒を利用して、新たな鎮痛剤の開発に期待がもたれています。手術後の痛みを抑えたり、神経細胞の回復が速まる効果も確認されています。現在は臨床試験中ですが、アルツハイマー病やてんかん、パーキンソン病の治療にも使える可能性があるのです。

「コノトキシン」とは

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コノトキシンの主成分は多種類のペプチドで構成されています。細胞間や細胞内の情報伝達を担っているイオンチャンネルを塞ぎ、神経の伝達を防ぐことで麻痺などの症状を起こします。1個体のイモガイには、100~300種類のペプチドが含まれていると考えられており、現在研究されているのはそのごく一部に過ぎないのです。

ヤキイモの毒はモルヒネの1000倍!?

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ヤキイモのもつ毒に含まれているペプチドには、モルヒネの1000倍もの鎮痛作用が含まれています。この成分を利用して開発されたのが、ジコノタイドです。初めてイモガイの毒から由来して作られた鎮痛剤で、現在医薬品として承認されており、中毒性や副作用も少ないため、将来はモルヒネに代わる鎮痛剤として期待がもたれています。

イモガイに似た貝マガキガイ

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イモガイに似ている貝として、マガキガイがいます。どちらかといえばイモガイよりこのマガキガイの方が知名度があります。無毒で食用にもされており、アクアリウムの底砂や苔、バクテリアの掃除役として飼育している人も多いです。このマガキガイを採取するつもりが、イモガイを拾ってしまい、刺されてしまう事故も起きてしまっています。

マガキガイとは

マガキガイは、ソデボラ科の貝です。大きさは最大6cmほどで円錐形の貝殻をもっており、熱帯・亜熱帯の暖かい海に生息しています。殻の中からカタツムリのように目や触角を出しているのが特徴で、外敵から逃げる時に蓋の外側についている鋸歯を使って地面を蹴ってジャンプする様子が刀を振る動作に見え、チャンバラ貝ともいわれています。

イモガイとマガキガイの見分け方

一つはマガキガイは殻口内唇が黒く、口の中が濃いオレンジ色をしているということ。もう一つは、マガキガイは目や触覚を出すために、貝殻の淵にめくれたような凹みがあります。よく観察をして、目が出てくるかどうかでも判断できます。と、このような見分け方がありますが、やはり非常によく似ているので、基本は不用意に触らないのが一番です。

イモガイの名前の由来(豆知識)

イモガイの英語表記はcone shell「円錐形の貝」で、見た目そのままの名前がつけられています。別名はミナシガイといい、漢字では「身無貝」と表記されます。イモガイは殻口が狭いので、外側からでは身がわずかにしか見えないため、身が無いように見える様子から「身が無い貝」という意味でつけられています。

サトイモににているため

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和名であるイモガイはその名の通り、その円錐形の見た目がサトイモの形に似ていることからつけられています。生息地である沖縄では、刺されると浜の半ばで死に至ってしまう意味から「ハマナカー」や沖縄に生息する毒蛇「ハブ」からつけられた「ハブガイ」ともいわれています。

貝殻は装飾品にされることも

イモガイの貝殻は、非常に鮮やかで美しい色もした種類もあり、装飾品としてコレクターの間では人気があります。現地ではお土産としてキーホルダーなどにされており、個人で行う貝殻アートや貝殻を使ったアクセサリーやキーホルダに使用されたりもしています。

イモガイをつかって貝殻アートや装飾品を作ってみよう

貝殻アートとは、身近なものに貝殻を並べて接着したり、アクセサリーなどにして楽しむ芸術の1つです。貝と接着剤さえ揃えることができれば作ることができるので、その作りやすさから本格的なインテリアとしての大人の趣味から、子供の夏休みの自由研究まで老若男女問わず楽しむことができます。一度挑戦してみてはいかがでしょうか。

貝殻は通販で簡単に購入可能

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貝殻は釣りや海水浴ついでに現地で採取する人が多いです。しかしイモガイには毒がありますし、イモガイ以外にも毒をもった生物もいるので海で採取するのは危険です。現在は、通販サイトを利用することにより、自宅に居ながらにして貝を入手することができます。イモガイの貝殻1つ100円~購入可能なので、是非利用してみてください。

水族館で生きたイモガイをみられる

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生きているイモガイを海で実際に見ることは危険ですが、現在日本各地の水族館で飼育がされており、その姿を見ることが出来ます。また、その様子をTwitterやInstagram、youtubeなどに投稿していたりするので、気になる方はぜひ閲覧してみてください。貝殻を販売している水族館もありますので、お土産にいかがでしょうか。

イモガイは弥生時代から装飾品に使われていた(豆知識)

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さらに豆知識を1つ。弥生時代(紀元前3世紀~1世紀)の九州北部の遺跡では、装飾品として貝輪と呼ばれる腕輪が発見されています。発見された貝輪は、奄美大島や沖縄などの海域で採取できるゴホウラやアツデガイのほかに、大型のイモガイが使われていたことが分かっています。これは南海産貝製腕輪と呼称されています。

海水浴ではイモガイに気を付けよう

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これまで紹介した通り、イモガイは一見普通の貝のように見えて非常に危険な貝です。サンゴ礁や岩場、砂浜では特に気を付け、イモガイに似たような貝を見つけた場合は不用意に触らないようにし、家族や友人にもしっかりと説明をしましょう!もし刺されてしまった場合は、紹介した対処法をすぐに行い、病院で処置を受けましょう!

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