ダイアウルフとは?大きさは巨大?
ダイアウルフとは、ゲームのモンスター(怪物)やMOBとしてよく耳にするのですが、その実態とは何なのでしょう。実在するのか、それとも空想や聖書などにのる空想の生き物なのか確認してみます。
ダイアウルフの特徴
体長は、尾を含め約150cm~180cm程度で、体高が約80cmの犬種ではやや大型の動物です。体重はおよそ80kg程度と言われています。似ているタイリクオオカミと比べると、体長、体高は一回り大きい程度ですが、体重は1.5~2倍程度で、かなり体つきが違いました。
ダイアウルフの生態
約180万年前から約1万年前に生きていました。人間も生きている時代です。彼らは最終氷河期に絶滅しており、アメリカにあるミズーリ州で発見された約9440年前のものが、最近の年代の化石となっています。
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ダイアウルフの生息域
アメリカ南部からメキシコ、コロンビア、ペルー、ブラジル北東部の草原や山林の広範囲に生息していました。10万年前ほどから南米から北米へ移動したと考えられています。雌雄で体の差異がほとんど見られなかった彼らは一夫一妻制で繁殖していました。
ダイアウルフに限らないオオカミの生態とは?
絶滅してしまったダイアウルフですが、比較対象としてよく挙げられるのが、タイリクオオカミです。一体彼らオオカミはそもそもどういった生態や、生活をしているのでしょうか?現代の狼を掘り下げていきます。
オオカミの生態
彼らオオカミは、平均4~8頭のパックと呼ばれる群れを形成して生活します。群れの活動範囲は広大で、100~1000平方kmにも及ぶ範囲を縄張りとし、他の狼は排他されます。これの縄張り争いやリーダー争いなどで、分かれたオオカミは、他の群れにも入ることが出来ず、一匹で活動します。これが「一匹狼」の語源になっています。
基本的には、シカやイノシシなどを狩りますが、彼らの動きも素早いため集団で狩りをおこないます。一匹狼となったオオカミは、この狩りを行うことが出来ずに、野垂れ死にすることが多く、最後には寂しさから遠吠えするとも言われています。
狼の群れとは?
オオカミは社会的な群れを形成します。よって、群れの中には順位があり、一夫一妻制の狼は、その繁殖ペアを通常は最上位とします。彼らは自然と儀式的に順位を確認し、彼らの群れはそのほとんどが血縁関係にあることが多いです。最大で42頭もの群れを形成することもあります。
かれらのコミュニケーションは、ボディラングエージや表情、唸り声や吠え声を使います。遠吠えは、遠方の仲間との連絡や縄張りの主張に使われ、集団で遠吠えすることもあります。オオカミの生息域の人々は、この集団での遠吠えに警戒します。
ダイアウルフが食べていたものは?
中型の獣が捕食者として、集団行動で狩りをしていた彼らは、一体どんなものを食べていたのでしょう。その時代にはマンモスやマストドンなどの絶滅大型動物が生存しており、人間もそれらを狩って生存していたと言われています。
ダイアウルフは頑丈な顎をもっていた
彼らは肉を引き裂き、噛むと離さない強靭な顎を持っていました。頬骨弓と呼ばれる、側頭骨と頬骨が連結している部分と、側頭窓よ呼ばれる、恐竜などの頭蓋骨の目の後ろの穴が広かったため、咬筋と呼ばれる筋肉が発達していました。さらに、タイリクオオカミに比べて、大きな歯を持っていました。
ダイアウルフは大型の獲物も襲っていた
化石が、草食動物とスミロドンと供に発見されています。草食動物の主にパイソンを集団で狩っていました。不足すると、自分よりも大きなマンモス、ウマ、ナマケモノなども狩っていました。ハイエナと同じようにスミロドン(サーベルタイガー)の食べ残しや、腐肉なども食していました。
ダイアウルフには種類があった
よくゲームのモンスターでは、色違いや突然変異のような話はよく耳にしていますが、実際のダイアウルフでも生息地域によって種類に分かれていました。わかっている種類では二種類確認されています。
ダイアウルフには東部亜種と西部亜種
アメリカ大陸東部に生息していた種が東部亜種です。それの反対側西部に生息していたのが西部亜種です。東部亜種のほうが体が若干大きめで、平均体重が68kgだったのに対して、西武亜種は平均が60kgだったと言われいます。
ダイアウルフはなぜ全滅したのか?
およそ30万年前から確認されている約9440年前まで、29万年もの考えられないような年月を生息していたダイアウルフは、現在では姿を見ることが出来ません。彼らは一体どのような理由で絶滅してしまったのでしょうか?
約12700年前大型の哺乳類が大量に全滅
7万年前から1万年までの期間を最終氷期(氷河期)と呼ばれる時代があります。日本では沖縄に落葉広葉樹が生い茂り、北海道付近は氷河が大陸とつながり、ナウマンゾウや、マンモスが渡っていた時代です。
完新期とも呼ばれる時代ですが、約23000年前ほどから、最寒気に入った為、草が生えなくなり、その時代の草食動物のほどんどが死滅していきます。それにより、肉食草食問わずにほとんどの哺乳類が地球から姿を消していきました。
気候変動など環境変化も起因
この時代は平均気温がおよそ7度以上も下がり、各動物たちは、壮絶な生存競争が起こっていました。それにより、狩る側だったダイアウルフは、人間も含む他の動物に狩られていた。
もしくは単純に寒さに適応できなかったなど諸説あり、要因が分かっていません。ただし、同じ生存域にいたヨーロッパオオカミは絶滅を逃れています。
ダイアウルフ以外の氷河期の動物
この時代には、数々の生物が生存競争をしていました。現在の人間もホモ・サピエンス以外のヒト属もこの時代に姿を消しています。ダイアウルフ以外にはどういった動物が暮らしていたのでしょうか?少しここで紹介していきます。
スミロドン
南北のアメリカ大陸に生息していた大型の動物で、確認された中でも最後の携帯でした。彼らも絶滅した一種ですが、特徴的な大きな犬歯を持っており、断面が楕円形のおよそ24cmの長さを誇っています。この特徴をとって「サーベルタイガー」の語源にもなっている動物です。