エンドリケリーとは?
古代魚でありながら、現在生育可能な大型熱帯魚のエンドリケリーはその固いうろこと、古代種らしい顔つきをしており、愛好家にとって欠かせない存在となってきました。一体どれだけの歴史を積み重ねてきたのでしょう?
デボン紀の古代魚
エンドリケリーはデボン紀より、地球に生息し始めた熱帯魚です。デボン紀は、古生代の中ごろの時代で、約4億1600万年~約3億5920万年前の時代を指します。この時期にも大量絶滅が発生しており、海洋生物の82%が絶滅しました。それ以降も大量絶滅はありましたが、それを生き残った生物です。
エンドリケリーの生息地域とは?
壮絶な生存競争の中を生き残り、今でも生育可能なエンドリケリーは、一体どこに住んでいるのでしょうか?生きた化石とも言われているエンドリケリーは、そこまで広い地域に分布しているわけではありません。
熱帯アフリカやナイル川、コンゴ川などに生息
エンドリケリーには種類があり、それぞれで生息域が違います。熱帯アフリカやナイル川、コンゴ川など、植物や生物の宝庫とも言われる熱帯地域に生息しています。現地に行って探すのはかなり困難な事と言えます。
熱帯魚や古代魚とは?
すでにご存じの方が多いとは思いますが、熱帯魚とはどういったものなのかを説明します。もし知らない方がいれば、知っとくと別の熱帯魚を飼う際には役に立ちます。ご存知の方は復習にご活用ください。
熱帯魚
熱帯地域や亜熱帯に元々生息する魚全般を指します。代表的なのはグッピーやエンゼルフィッシュなどが有名です。鑑賞するにあたって美麗なものが好まれ、そういった種類も多いです。基本的に日本では水温を20~30℃にヒーターを使って温めた淡水に住まわせます。
熱帯地域のエジプトなどでは古くから飼われていましたが、1865年にアメリカに持ち込まれ「パラダイスフィッシュ」として紹介されました。日本には大正時代中期に持ち込まれ、技術発展して飼育が容易になった後1960年に熱帯ブームが起きました。
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古代魚
古代魚とは、化石でも発見されているにもかかわらず、現在でも生き残っている魚の総称です。つまりは熱帯魚に限らず、シーラカンスや、チョウザメなどもそれにあたります。個体数や生態域はそこまで広くありませんが、大抵の魚が大型で肉食な事が挙げられます。
エンドリケリーの種類について
豊富な種類のあるエンドリケリーですが、今回はポピュラーな種類を紹介していきます。店舗や水族館などでよくみられる種類はこれらです。エンドリケリーにはこれだけではなく、いろいろな品種があります。
ポリプテルス・エンドリケリー・エンドリケリー
市場によく出回っているオーソドックスな品種になっております。茶色い体に、黒いバンド柄で体長は最大およそ70cmほどの大きさになり、古代魚らしい体つきと顔つきが魅力となっております。
ポリプテルス・エンドリケリー・コンギクス
エンドリケリーにも似ていますが比較的活発に動き回り、多少均一化した黒いバンド柄で、細かいところが特徴です、体もやや緑っぽい色をしており、エンドリケリーに比べ他の熱帯魚にやや近いのが、コンギクスです。
エンドリケリーの魅力
一概にエンドリケリーと言っても、その種類の豊富さから、飼育者に対して飽きさせない魅力があります。それに取りつかれた愛好家も少なくないのではないでしょうか。見た目に以上に愛らしい一面があります。
体色のバリエーションが豊富!
名前だけでも数種類ありますが、同じエンドリケリー種でも、個体によってバンド模様の大きさが変わってきます。体色も変わってくることが多く、白、オレンジ、薄緑や、ドラゴンのような顔つきをする個体もいます。
大きく成長させることが出来る
なんといっても、飼育できる熱帯魚の中でもかなり大型の部類に入り、ほとんどの品種で最大70cmほどの大きく成長させることが可能で、その圧倒的な大きさと存在感も魅力の一つではないでしょうか。
エンドリケリーを大きく成長させる方法はこの4つ
さて、エンドリケリーの魅力を知った人で、これから飼育しようと考えてる方も多いのではないでしょうか。しかし軽い気持ちで育ててしまうと、小ぶりでイメージしてた柄と違うエンドリケリーになることがあります。
方法①最初に選ぶのは幼魚または稚魚
まず店舗を見つけて何を買おうか悩む方も多いと思います。生物を育てていく上で成魚ではなく、幼魚や稚魚を飼うことをお勧めします。環境(水槽)に適応しやすいですし、大きくなるエンドリケリーを見るのも大事です。柄で悩むようなら、直感的に好きな柄を選ぶ方が、愛着が湧くでしょう。
方法②水槽の大きさが大切!
どの魚でも同じことが言えることが多いですが、通常の小さい熱帯魚用の水槽ですと、大きくなるエンドリケリーに適さない可能性が高いです。環境に適応するエンドリケリーは最初に成長を止めてしまうと大きくなりません。
方法③栄養のある生き餌をしっかり与える!
エンドリケリーは、見た目通りに食欲旺盛です。ですので餌を与えることを絶対に怠らないよう注意して育ててください。エンドリケリーが弱ってしまい病気や衰弱死の危険があります。なおかつ少量の餌に適応してしまうとこれもまた大きくなりません。
大事なのは種によって好物をしっかりと見極めて与えることです。1年以内で40cm程度を目指すくらいがいいです。いろいろな餌を食べることが出来ますので、大きく優雅でいろいろな表情を見せるエンドリケリーに成長させましょう。
方法④複数で育てる
オーソドックスなエンドリケリーは、同じ水槽に入れたとしても喧嘩することがありません。ですが、餌の捕食の競争関係が生まれ、自分たちの意思でたくさん食べるようになります。ですので、好きな柄を数匹飼いましょう。大きくなれば水槽の底にケリー絨毯を引くことも可能です。
エンドリケリーを飼育する!準備はこれ!
なんとなくイメージがついてきたところで、実際に買うためにどんなものが必要なのかを、解説していきます。大きくて好きな柄、顔つきをしたエンドリケリーの為にも、ぜひとも用意していただきたい物です。
飼育準備①水槽のサイズは120cmあると良い
上記の水槽は幅が120cmのガラス製の水槽です。成長が止まると、大きくならないエンドリケリーですが、水槽が大きすぎると摂食効率が落ちますので、稚魚から飼う方は水槽の大きさを60cm~90cm~120cmと大きくしていきましょう。最終的には150cmにしても構いません。
ですのでタイミングを見て、成長が止まらない様、水槽の3分の1程度の大きさで、移すことをお勧めします。費用や場所の関係で厳しい方でも、大きくなることも考慮して120cm程度の大きさを一つ用意するのが良いでしょう。逆に言えば小さい水槽でやや小さいエンドリケリーを鑑賞するのも、一つの手とも言えなくありません。
飼育準備②水槽の立ち上げ方法
出来ることなら地盤の優れる地下室等がいいです。単純に重量だけでも200kgを超える重量になりますので、置く場所の地盤がしっかりしていないと、倒壊の可能性があります。置く場所が決まったら、水槽内で生物ろ過の仕組みを作りましょう。
基本的には、カルキ抜きをした水を入れ、パイロットフィッシュを一緒に飼育し、アンモニアを生成してから、バクテリアで硝酸に変え、「硝化」させることが出来れば、生物ろ過の仕組みが完成します。参考までにこちらのサイトをご覧ください。URL:https://qube-aquarium.com/start-aquarium/
飼育準備③上部式のフィルターを使用
上部式のフィルターです。120cmの水槽用のものです。基本的に、エンドリケリーは低層を泳ぐため、砂を巻き上げることがあります。ですので底面式や、水中式のフィルターは適しません。上部式のフィルターを使いましょう。エアーもバクテリアの飼育の為に、エアレーションの設置もお勧めします。
飼育準備④足場として底砂を入れる
カーネットサンドは、エンドリケリーの飼育に最適です。低層を泳ぐエンドリケリーですが、肺呼吸の為に水面に上がることがあります。降りてくる際の足場としても底砂が必要です。また、何もないガラス張りですと、エンドリケリーの体色が白く飛んでしまうため、特有の色を楽しみたい方は、必ず敷きましょう。底砂によっても色が変わります。
エアレーションを使用
水槽が大きいので120cm用のパワーのあるものを選びました。水質の安定のために必要なバクテリアは、大量の酸素を必要としますので、エンドリケリーに問題がなくとも、ストレスなく育てるためには、エアレーションを設置してください。水質を見るための測定器も用意するといいでしょう。
エンドリケリーを飼育するときの注意点はコレ!
エンドリケリーが育つ環境を用意したところで、今度は飼育する際の注意点です。気を使わないと大きく育つことが難しいエンドリケリーは、水槽だと中々70cmに到達しません。1つ1つこなしましょう。