グリーンウォーターとは?
魚を飼育する事以外で、あまり聞きなじみのない言葉ですが、実は普段の生活の中にも存在しています。しかしそれはいいイメージのものではなく、報道や記事になるのは、水質悪化の事を指すことが多く、カメラマンも移すことがあまりないような水質を指しています。
湖や池のような緑色の水のこと
ほとんどの人が、底が見えない状態の湖や池を目にしたことがあるのではないでしょうか。澄んだ湖なども少ないですが、その中でもこれは緑色をした水のものをいいます。いい状態ではないと言えなくもありませんが、実は魚にとってはいい状態であることもあります。
メダカの成長に必要な栄養がいっぱい!
目の前にはすぐ餌があるような状態で、メダカの成長を促します。小型の魚ですので、大きな餌だと食べられない彼らは、必要な栄養をこれによって得たり、排せつ物を分解してもらっていたりなど、水槽内で循環できる環境が出来上がり、非常に居心地のいい環境に仕上がります。
グリーンウォーターが緑色の理由
さて、なぜ緑色をしているのでしょうか?メダカ以外でも使われ、一部の魚の生育には、非常に適していることがあります。金魚なども適応でき、知っておけば祭りで手に入れてしまった金魚などの飼育も容易になります。
植物性プランクトンが大量発生しているから
プランクトンを繁殖させることによって水槽内の環境として使います。赤茶色に場合によっては濁ってしまう事がありますが、基本的には葉緑素を持ち光合成をおこなう植物性プランクトンを使用するため緑色をしています。
その中でも種類があります。特に有名であるであろう、皆さんもご存じ、学校でも習ったミドリムシですが、大きく分けて3種類に分けられます。一概にグリーンウォーターと言っても場合によっては適さない場合もあります。
緑藻類
クロレラや、ミカヅキモを代表とした、植物性単細胞生物や多細胞生物が「緑藻類」にあたります。他にも褐藻や紅藻などもあり、伝統的にはこれらをひとまとめにした、広域的な意味合いを持つこともあります。
自然の中では海の浅瀬、川などの淡水でよく見られ、水深の浅い地域で生息しており、最もポピュラーで陸上の植物に近い生態をしています。水深が深くなり、光の届く量が減ることによって緑藻⇒紅藻へ分布が変化していきます。
ミドリムシ
理科の授業でも出てくる「ミドリムシ」は光合成も行い、ユーグレナ運動と呼ばれる動きも行う、植物性と動物性の両方を持つプランクトンです。遊泳速度が遅く、初歩的な顕微鏡観察でよく用いられます。
実は、栄養豊富な事からいろいろな研究がなされ実用化されています。サプリメントやクッキーなどに使われていたり、魚を養殖する際に人工飼料として使われますが、一部の魚では消化不良を起こすことがあります。
藍藻類
魚にとっても人間にとってもよくない、藻になります。濃い緑色をしており、強烈な臭いにおいを放ちます。また、水質もヘドロ状になり、アナベナやネンジュモがこれらになります。緑藻類との違いは臭いで分かることが多いです。
グリーンウォーターのプランクトンとは何?
よく耳にするプランクトンという言葉ですが、実際にはどういった意味があるのでしょうか?この際なので、あまり知られていない言葉の定義を、すこし掘り下げます。わかってても損はしないでしょう。
プランクトンとは?
一般的には、微細な単細胞生物の事や、藻や菌のようなものを指すと思われがちですが、厳密に言うと定義的に間違っており、水中を浮遊して生活する生物を指す言葉になっております。水底で生活する生物を「ベントス」水上で生活する生物を「ニューストン」遊泳できる生物を「ネクトン」と言います。
大別すると2種類ある
栄養摂取の仕方を大別したもので、植物性プランクトン(Phytoplankton)は光合成を行い栄養を摂取するもので、動物性プランクトン(Zooplankton)が摂食により栄養を取得します。この両方の性質をもつものも存在します。基本的に植物性プランクトンを利用します。
グリーンウォーターのメリット
様々な藻があり、いろいろな効果を発揮します。「グリーンウォーター」と言っても場合によっては、魚を殺すこともあるため種類を選ぶ必要があります。しかし実際使うメリットとは何なのでしょうか?
グリーンウォーターのプランクトンが餌になる
メダカを例に挙げると、人工飼料も小さな口で食べられる物に限られてきます。また餌を与える手間も出てきますが、育てていくために気をつかう手間が減ります。作成自体は比較的簡単ですし、何しろプランクトン自体が栄養満点なので、口を開ければ美味しい餌が入ってくる状態になります。
メダカの排泄物をプランクトンが吸収
こうしてプランクトンを食べた彼らは排せつ物をするのですが、それをまたプランクトンが栄養分として吸収するのです。お互いの生存環境を維持するために、WINWINな状態になり、水槽内で循環する環境が生まれます。
グリーンウォーターで稚魚を安全に育てられる
それだけではなく、メダカの稚魚の状態でも捕食が可能で、水槽がそのままの状態で飼育することが可能です。さらに、視界があまりないことと、環境自体が食糧豊富であるため、親メダカに食べられてしまう事も減ります。
グリーンウォーターのデメリット
しかしながら、メリットだけではなくデメリットもあります。最悪な状態になってしまうと魚を殺してしますこともありますし、臭いや人体に有害な状態になる事もあります。注意点としても把握しておきたいところです。
鑑賞には向いていない
人によっては、緑=濁っていると捉えられることも多く、また視界が不良になってしまうため、あまり観賞用としては向いていない側面があります。メダカを繁殖させたいと考えたときや、面倒を見きれない際などに適しているのかもしれません。
光の調節や、グリーンウォーターの水質を調節することによって、自然環境に生息するようなアクアリウムを目指すことも可能です。定期的に調節する必要があり、水槽内での循環を考える必要がありますが、もしかすると幻想的なアクアリウムになるかもしれません。
アオミドロなどが発生しガラスが汚れる
トロロ状ゴケや糸状ゴケと言われる苔で、普段から手入れを怠っていると、中がほとんど見えない水槽の状態になります。栄養豊富な状態だと、起こってしまいますのでこちらも水質管理や定期的な清掃が必要です。
水質をグリーンウォーターにしていない状態であっても、人工飼料の与え過ぎや、魚の糞の放置などでも発生します。また、ガラス面に張り付く苔も発生します。持ち前の生命力でとってもすぐに復活するため、嫌がられる存在です。
グリーンウォーター化が進むと魚が酸欠に
水槽の環境によって水中のプランクトンが大量繁殖します。定期的に手入れをする必要があり、放置しすぎた場合、夜間に呼吸するプランクトンによって、水中の酸素量が減り、魚の酸素が少ない状態になってしまいます。定期的な水替えや、他の生物を入れる必要があります。
他の生物が混入しても気づかない
視界不良なため、魚の天敵が混入していても気が付かないことが挙げられます。気が付いた時には、全然知らないヤゴやミズカマキリなどが生息しているかもしれません。外部からの侵入が考えられる際には注意が必要で、やはりこちらも定期的な水の入れ替えで、確認できる状態にする必要があります。
特に外での飼育している際に発生することが多く、また、こまめな手入れが少なく放置しすぎで発生しやすいです。しかしながら逆に、それらの事が起らなければ、放置してたとしてもメダカなども大繁殖していることもあります。
グリーンウォーターの作り方
とはいえ、毎日の餌やりがなくなり、環境さえ整ってしまえば、定期的な換水と掃除で済んでしまい、メダカなどの魚にとって育ちやすい状態になります。さてどうやって作成すればいいのでしょうか。
水をバケツに入れ日光の当たる場所に放置
バケツの中に水を張って、日向に置いておくだけで作成できます。バケツの色も、光合成を促進させるため白いものを選ぶのが最適です。初夏から秋口の間が活動が活発になる水温になるため、その時期に作成しましょう。元々作ってあるものよ投入して、増殖させると速く出来上がります。