ミジンコってどんな生物?
ミジンコは、池や湖などの水の中で生活をするプランクトンです。分類としては甲殻類なので、実はエビやカニの仲間なのです。そんなミジンコは日本のみならず世界的に分布していて、生態系を守る重要な役目を負っています。
大型の淡水性プランクトン
プランクトンとは水中を漂っている浮遊生物のことで、微小なものが多く、自力で泳げるほどの遊泳能力を持ちません。そのなかでも小型なものは0.5~1㎜ほどで、平均的な体長が1.5~3.5㎜もあるミジンコは比較的大型であるといえるでしょう。
肉眼でも見ることが出来る
ミジンコは顕微鏡がなければ見れないわけではなく、本当に大きいものは4㎜もあるので肉眼ではっきりと見ることができます。湖のなかでは難しいでしょうが、水槽のなかならばミジンコが大量に漂っている姿がみれますので、一度確認してみるのもいいかもしれません。
魚達の最良の餌とされる
ミジンコは栄養が豊富なので金魚、熱帯魚、メダカなどの理想的な餌だといわれています。また、微小なので稚魚にも最適です。甲殻類であるミジンコのなかでもタマミジンコは比較的に体表面の殻が柔らかく食べやすいのが特徴で、最良のミジンコとも言えます。
ミジンコの生態について詳しく解説!
プランクトンの代表格ともいえるミジンコですが、米インディアナ大などによる国際研究チームの論文によって、遺伝子の数が人間の約2万3000個に対して、約3万1000個もあり、その3分の1は未知の遺伝子で構成されていることが明らかになりました。調べれば調べるほど実に興味深い生物なので、その生態について紹介します。
器官の発達した多細胞生物
小型の生物のなかにはゾウリムシなどの単細胞生物もいます。ミジンコは目、触角、口などの様々な器官をもち、たくさんの細胞からできている多細胞生物であり、身体が透き通っているので顕微鏡で観察すれば心臓や腸なども確認できるような複雑な構造の持ち主です。
メスの単為生殖で増える
単為生殖とは、メスが単独で子をつくることです。ミジンコは生息する場所の環境がいいときは、この単為生殖でメスが卵を産んで子孫を増やします。また、このとき生まれてくる子はすべてメスとなります。
ただし、餌がなくなったり、水温が下がったりとミジンコにとって生育環境が悪くなるとオスを産むようになり、有性生殖というメスとオスの間で受精卵をつくるようになります。このようにミジンコは環境に応じて臨機応変に生存しています。
湖の生態系を保っている
湖には生態系があります。つまり、「生産者」である植物プランクトンと「一次消費者」であるミジンコなどの動物性プランクトン、「二次消費者」である魚類、そして生物の排泄物などを分解するバクテリアなどの「分解者」です。
ミジンコは植物プランクトンを食べる消費者であるとともに、魚類の餌になる生物でもあり、植物プランクトンが作った有機物を二次消費者に受け渡していくので、湖の生態系のなかでも非常に重要な役割を果たしています。
ミジンコは正面から見なければ可愛い!癒される愛好家も多い
生物の授業でよく目にするミジンコの写真は、見方によってはなんとも愛らしい姿をしていますよね。SNSでは「可愛くて萌える」などの声も。なかには好きが高じて、鑑賞を目的にミジンコを飼っている人もいるぐらい密かに人気なんです!
シンプルながらも可愛い姿
黒くてまるい目に、顔から突き出たおちょぼ口、それにずんぐりむっくりとした胴体。一目見れば覚えられるぐらいシンプルな姿で、ゆるキャラみたいです。こんな形をした小さい生き物が水中をぷかぷかと浮かんでいるのですから可愛くないはずがありません。
危険を感じると頭が尖る
ミジンコは天敵であるフカサ幼虫が近づくと頭を尖らせて、自らを食べにくくさせます。なのですが、敵がもう近くまできているのに尖るのに一日もかかり、せっかくとんがって捕食されにくくなっても、食べられるときは食べられてしまいます。そんなところも愛すべきポイントですよね。
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ミジンコは正面から見てはいけない?
ミジンコが可愛いと感じる思いには、多くの人が共感してくれるのではないでしょうか。しかし、それは正面から見なければの話。一部ではミジンコは正面から見てはいけないとまで言われています。
写真は殆ど横から見た姿
ミジンコと言われて思い浮かべる姿は上の写真のような横からのものです。それは教科書をはじめとした多くの写真は横から見た姿ばかりだからです。ということは、ミジンコを正面から見たことがないという人も多いはずです。
可愛い姿から一転!正面から見ると怖い
可愛いイメージのミジンコですが、正面から見ればそのイメージは崩れ去ります。正面の姿を見た人の中からは、「怖い」「グロテスク」などの声が続出しています。そのギャップはまさに衝撃的です。
エイリアンと言われることもある
エイリアンといえば多くの映画にも登場する異星人ですが、どれもグロテスクな見た目をしています。ミジンコのイメージからは似ても似つかない生き物なので、エイリアンと言われても疑いたくなります。では、これからミジンコの正面から見た姿を紹介しますので、本当かどうか確認してみてください。
ミジンコを正面から見ると怖い!まるでエイリアン
これがミジンコの正面からの見た目です。横向きとは大きく変ってしまったその二面性には驚きを隠せません。違う星の何処からかやって来たエイリアンのようだと形容したくなる気持ちもわからなくはありません。
目が一つしかない
横から見るとミジンコの目は二つあるように勘違いしてしまいますが、実は多数の小さい目が集まった複眼と呼ばれるもので、正面からは目が一つしかないように見えます。これが怖いと言われる要因のひとつです。
両手が鉤爪で襲いかかるように見える
画像のミジンコはその鋭い鉤爪でいまにも獲物に襲いかからんばかりです。事実、ミジンコは植物性プランクトンを捕食しますから、まさに肉食系女子というわけです。ちなみに、鉤爪に見えますが実際には爪ではなくて触角です。