皆さんの家の近くにも学問の神様として有名な天満宮や天神さまと呼ばれている神社があると思いますが、それも御霊信仰だと知っていましたか?そこに祀られている菅原道真は、天皇の忠臣でしたが、政略によって太宰府に流罪となり、そこで没しました。その後天変地異などが相次いだため神として崇められるようになったのです。
般若の面の作り方を見てみよう
面を作ることを「面打ち」といい、能で使われる般若の面は一般的に木を彫って作られます。ただ、石見神楽で使われる面は、お札にも使われる「こうぞ」という植物から作った紙を貼り重ねて作ったものを使用している場合が多いようです。ここでは木で作る般若の面の工程をご紹介します。
般若の面はこのようにして作られる
最初はただのブロック状の四角い木から彫り始めます。荒く削った後にどんどん細かく般若の表情を彫っていって地を作ります。職人によってひとつの木から角も一緒に彫る場合と、角は別で作る場合があるようです。次に裏側の処理をした後、まず胡粉という貝殻から作った白い塗料を数回塗り重ね下地を作ったら、色の入った塗料で肌の色を作ります。
目と歯の部分は金属でパーツを作って接着し、髪の毛や眉を描いたり口の中や肌の色をより自然に彩色したりして、完成です。彩色は一言でいうと簡単ですが、塗っては乾かして磨き、傷やスレをわざとつけてみたりツヤや汚しをつけて陰影を出したりと時間と手間をかけて質感や雰囲気を出していきます。
般若の面の作り方解説本『般若面を打つ』
実は般若の面の作り方を解説した本があります。2013年に出版された『般若面を打つ』という本で、実際の能面師をしている人がその手順を紹介しています。生成や真蛇も合わせて原寸大の型紙や寸法も収録されていて、初心者にもわかりやすくなっています。
般若の面は買うこともできる
ここまでで魔除けのために自分の家にも般若の面を飾りたい、海外の人にお土産として贈りたいなどと思った人はいませんか?般若の面は購入することも可能です。その方法や価格などを見ていきましょう。
般若の面はネットショッピングが一般的
般若の面を購入する場合は、最も手軽で一般的なのはネットショッピングです。能面の制作や販売を行っている会社や、Amazonや楽天などのショッピングサイトで購入することができます。また、先述の島根県石見地方の土産物店や和風グッズを多く取り揃えるお店などでは店頭購入もできる可能性があるので探してみましょう。
般若の面の値段はどれくらい?
般若の面の値段はその材質によって大きく幅があります。主にパーティや仮装などで使用するプラスチックや樹脂製のものは数百円~1000円程度です。また、主に鑑賞目的のものは陶器や金属製が多く、数千円~1万円ほどの価格で販売されています。そしてプロの能楽師も使用するような面は木製で、数万円~10万円弱という価格になります。
恐ろしい鬼女の般若の面!本来の意味は恐ろしさとは関係無い
「般若」とは仏教の智慧を意味し、恐ろしい鬼女の能面である般若の面とはあまり意味の上では関係がありませんでした。しかし般若という言葉の本来の意味を知り、人を愛しすぎて感情が爆発して鬼に変わった姿だと思って見ると、怒りや悲しみを帯びて深い思いを感じ取ることができる面ですね。