藁人形の呪いの効果
言葉のイメージというのは重要です。呪いの藁人形という言葉は、多くの場合は「丑の刻参り」という言葉がセットで語られます。呪うための道具の一つとしての藁人形、そして呪いの儀式の一つである丑の刻参り、それは一体どんなものでしょうか。
効果ありと言われている
呪いとだけ言うと古い時代にあった迷信の一つに感じられる方が多いかもしれません。しかし、それを信じている人も少なくないのもまた事実です。実際、現代でもクギを刺した藁人形が見つかっています。
毎年のように現れる藁人形の事件、それは呪いとは関係ないように見えるものも、呪いを掛けようとしたように見えるものもあります。それだけの人が行っているのであれば、効果がありそうに思えませんか。
丑の刻参りの必要あり
藁人形とセットで語られることの多い丑の刻参り、それは呪いの儀式のやり方を示す言葉です。深夜、午前1時から午前3時頃を示す古い言葉が「丑の刻」です。この時刻に白装束の姿で、蝋燭に火を灯し、藁人形にクギを打ち込む儀式を丑の刻参りと言います。
藁人形の作り方
作り方についてご説明します。意外に難しくありません。呪いの藁人形、というと作るのにも何か儀式が必要そうに思えてしまいますが、呪いとは呪う儀式のお話ですので、藁人形を作るだけならば呪いとは無関係です。
作り方①必要なものと準備
藁人形に必要なものは、わら適量(人形の大きさによります)、ひも2mくらい(わらを縛るのに使います)の二つだけです。それにわらやひもを切るためのハサミ、大きさを測るための定規があれば大丈夫です。
作り方②手順
藁人形に必要なパーツは、両腕に見立てた一本の棒と、頭から両足になるもう一本の棒です(両足は一本の棒を二つに分けて使います)。大きさを決めるためにまずは両腕にあたる棒を作りましょう。長さも太さも自由に決めてしまって構いませんが、初めてであまり大きいものはお勧め出来ません。15センチくらいの大きさにするのが良いでしょう。
藁の端を揃えて紐で縛ります。紐で縛る位置は、あまり端過ぎると取れてしまいますので、端から1~2センチ離して縛って下さい。腕の長さを決めたら、その長さで藁を切り、反対側も同じように縛ります。その後、折れた藁が外れないように、中間も二カ所ほど縛ります。
腕を作り終わったら、頭から足にかけての棒をもう一本作ります。腕と同様に端を揃え、端から少し離れた場所を縛ります。次に頭の大きさ分、少しだけ離れた場所をもう一カ所縛ります。頭が出来ましたら、藁を二つに分けて、間に腕の棒を差し込み、腕が取れないように胴体にあたる部分を縛ります。
足の部分を二つに分けて、それぞれに縛ります。縛り終わりましたら、足の余分に長い所は切り落としてしまって構いません。最後に、腕との間をX字に縛れば完成です。X字に縛るのはなくても腕が外れる可能性は低いのですが、胴体と腕が直角のままを保つためにも、X字に縛るほうが良いです。
作り方③藁がない場合の代用品
藁で作ってこその藁人形、とは言え藁はどこから手に入れればいいのかと言うと困る方も多いでしょう。園芸用品として売ってることもありますが、藁が手に入らない方のために、代用品についても上げておきます。
まず近い素材という意味ではススキなどの真っ直ぐな草です。自然が身近にない方は、荷物梱包用の紙紐でもそれらしくなります。基本的には細長く、束に出来るものであれば代替え品にはなります。あまり柔らかすぎると、人形の形にしたときに手足が真っ直ぐになりませんので、少しだけご注意下さい。
藁人形で呪う方法
次は呪いの方法についてです。ですが、やり方が分かったからと言って安易に実行してはいけません。効果があるかどうか試したいと思っても、少し待って、この記事を最後まで読んで下さい。呪う方にリスクがないなんて都合の良い話はないのですから。
藁人形の準備
前項で「藁人形の作り方」の通り、自分で人形を作ってしまえば、藁人形の準備は終わり、ではありません。呪いに使う場合には、この藁人形に対象の髪の毛を埋め込む必要があります。それを行うまではただの人形に過ぎません。
人形、ヒトガタとも言われる人の姿を模したものは、古くから人に繋がるものとして用いられてきました。髪を埋め込むことで、相手との繋がりを作る助けにするのです。でも、本当に髪を埋め込んでしまっていいのでしょうか。その髪は本当に正しいですか、別人の髪ではありませんか。ただの人形が、呪いの人形になるのです。くれぐれも慎重に。
丑の刻参りに必要なもの
藁人形の他には、五寸釘、金槌(木槌でも構いません)、相手の写真を使います。更に身に着けるものとして、白装束、鏡(首から下げます)、一本歯の下駄や、ロウソク(頭につける)が必要です。
頭につけるロウソクは五徳という鍋を乗せるための器具を逆さにして頭に被り、そこにロウソクを取り付けます。最近では五徳が珍しくなったからでしょうか。ハチマキで頭にロウソクを固定する方法も最近では多く見られるようになりました。
丑の刻参りの手順
その手順は以下の通りです。この手順で深夜に儀式をするのですが、7日間続ける必要があります。また、儀式に出掛けてから帰ってくるまでの間に誰にも見られてはいけません。そして、帰り道で後ろを振り返ってもいけないといいます。
- 体を清めて、白装束を身につけます
- 丑三つ時(午前1時から3時)に神社へ参ります
- 御神木の東北(鬼門)側に藁人形をセットします
- 藁人形の胸に相手の写真を張り付け、気持ちを込めてクギを打ちます
- 以上を7日間繰り返します。
藁人形で呪うことは罪なのか?
藁人形に関する事件は、現代社会でも度々報道されています。この時代に呪いの儀式をしようというだけでも奇異にみられるかもしれませんが、それでも実在するのです。では報道されるということは呪いの儀式は罪として裁かれるのでしょうか。
日本では呪いの儀式を裁く法律はない
まず、日本には呪いの儀式自体を罪とする法律はありません。藁人形を作るだけでは罪ではありませんし、藁人形にクギを打っても罪ではありません。それは現代の日本では呪いの儀式によって相手に危害を加えるということが立証出来ないからです。
効果があったのだと立証出来ない。こういうケースは「不能犯」と言われます。未遂ですらなく、無関係な事柄として扱われます。それは行為の結果が危険に結びつくとは説明出来ないという意味です。
罪になる場合
ではなぜ事件になるのでしょうか。多くは別の犯罪の現場に藁人形が落ちていた、別の事件の犯人が藁人形を持っていた、という報道が多いです。それよりも直接的なものとしては、呪いを掛けるという行為が脅迫罪として成立する場合、もしくは呪いを掛け続けることを相手に知らせノイローゼに陥らせることで傷害罪が成立する場合があります。
どちらの場合も、呪いの儀式そのものよりも、呪いの儀式を相手に知らせることで起こるものです。丑の刻参りは誰にも知られずに行わなければなりません。それなのにわざわざ相手に知らせる、こうなると呪いの儀式というよりも、ただの嫌がらせです。
海外では法律で禁止されてることも
アフリカや中東など、日本よりも、もっと呪いが身近な地域があります。そこには呪術士を生業とする人もいれば、呪った罪で逮捕されることもあります。例えば、サウジアラビアではサッカーの試合で黒魔術を使ったと言って、呪術師が逮捕されるという事件も起きているのです。