イエッタイガーとは
アイドルやアーティストが開催するライブの最中に行うコールは数多くあり、イエッタイガーはそこに含まれます。地下アイドルのライブから生まれ、2016年に大きく広まったとされる「オタ芸」の一種でもあります。
ライブでは各アーティスト独自のコールも作られており、各ライブでのコールを事前に覚えてライブに臨む人もいます。
アイドルオタクのコール
様々な種類があるコールですが、基本的にイントロや間奏などの″歌のない部分”で入れられます。推しのメンバーの名前を叫んだり、歌詞に応えるような掛け声もあります。
また、歌の構成によっても変化し、バリエーションも豊富です。会場内が同じ掛け声をすることで、その場所にいる人たちとの一体感が味わえます。
広く知られるコール&レスポンス
コール&レスポンスは、出演者が観客に呼びかけ、観客がそれに応えて声を出すものです。歌詞やla la la~というフレーズを、一緒に歌って楽しむことが出来ます。
今回ご紹介するコールは、観客側が独自で行う“応援活動”と称されるコールです。そういった観点からもコールは多種多様ですので、コールについてどんどん知りたくなってきます。
家虎と表記されることも
「イエッタイガー」という言葉を見かけるところには、「家虎」という言葉も見かけられます。これは同じ意味を持っており、「イエッタイガー」~「イエタイガー」~「家虎」というように変化をしたものです。
ネット上でより”簡単に短く”表記ができるようにと漢字変換され、元の呼び方より使われやすくなりました。こちらの呼び方もイエッタイガーと同様に普及していきました。
イエッタイガーの使い所
種類の豊富なコールの中でもこのイエッタイガーは、いろいろな意味で特に注目を集めています。サビの前や間奏部分に叫ばれる事が多く、出演者や他の観客たちにとって非常に目立つコールのためです。
ファンの中でもオタク系のファンが好んでこのコールを行い、楽曲の途切れた時に合わせて、会場の所々からこの掛け声が叫ばれます。
イエッタイガーの起源
“イエッタイガー”という言葉はどのようにできたのか。普段からアーティストのライブに行く人でも、語源はなかなか想像がつかないかもしれません。
「オタ芸」という応援表現は広く普及し、テレビやネットで見かけることもありますが、その掛け声の内容まではなかなか知る機会はありません。しかしこちらの記事を見ると、「オタク」というものが思うより世に浸透していると感じられます。
MIXコールが合体したもの
MIXと呼ばれるコール(タイガー、ファイヤー…と続く)の初めに「イエス」を入れて略した「イエスタイガー」。この「イエス」を「イエッ」と言いやすく変換し、さらに新しい言葉が作られました。MIXは、1990年代にヘビメタ/ハードロック系のライブで、気持ちが高まった時に思わず叫んでしまう言葉を並べたものでした。
世界的に増えている観客参加型ライブ
アイドルのライブでのコールと同じように、観客参加型のライブは世界的に行われるようになりました。観客のスマートフォンを使った演出や、ペンライトや光るバングをグッズとして販売したり、曲中に手拍子を求めるプロジェクションマッピングが映し出されたりと、内容は様々です。
観客参加型ライブの紹介①スマートフォンを使用「MIYAVI」
2017年、ギターアーティストのMIYAVIが自身のライブツアーでこのパフォーマンスを行いました。NTTドコモのバックアップを受け、行われた企画です。
開演間近、このツアーのために用意されたアプリを立ち上げてほしいとアナウンスが入ります。画面にはMIYAVI本人の映像。ライブが始まると、音と連動するように光り、動き出したスマートフォンを、サイリウム代わりにして楽しむ演出でした。
ライブでのカメラ機器の認識
ライブでは携帯電話などのカメラ機能が付いたものは、手にしていたら没収というのが一昔前の常識でした。近年では海外のアーティストを始め、ライブのパフォーマンスの一環としてスマートフォンが用いられるようになりました。
観客参加型ライブの紹介②Xylobands【UVERworld】
Xylobands(ザイロバンド)とは、イギリスの会社が発明したLED内蔵の発光するリストバンドです。福山雅治やももいろクローバーZなど、日本国内でも多くのアーティストのライブで使用されています。このXylobandsを日本で初めて起用したのがUVERworldでした。
この演出の特徴は、ペンライトとは違い、曲に合わせて光るタイミングやパターンを演出が操作をします。リストバンド型なので両手が空きますし、近くの人に当たる心配もなくライブに集中できます。
自分で光らせることが出来ないので、ライブ中にしか発光しません。しかし各アーティストの名前やロゴが入っており、見た目もカッコよく作られており、ファンには好評です。
ペンライトがライブで用いられるようになったのは
ライブでペンライトが使われるようになったのは、実は西城秀樹のライブがきっかけでした。夜に行われるライブの前日、ラジオで懐中電灯を持ってくるように呼びかけをしました。この声に多くのファンが応え、懐中電灯が光る中でライブが行われました。
観客参加型ライブの紹介③観客からの投票「アイ★チュウ」
「アイ★チュウ」は恋愛リズムアドベンチャーゲームをもとにした舞台です。アイドルを目指す男の子&男の娘たちが、試練を乗り越え仲間との絆を深め、アイドルとして成長していく物語となっています。
物語の中で行われるコンテストで予選・本選を行い、優勝したグループは書き下ろしのオリジナルの新曲が贈呈されるという内容です。この予選・本選が観客によって行われていきます。
予選は投票箱を使用し、本選では観客の10秒間の声援によって優勝グループが決定します。ライブごとで結果が異なるので、何度観に行っても緊張感が楽しめます。
イエッタイガーは嫌われる?その理由は
コールの中でも、イエッタイガーのようにライブ中に楽曲の間奏部分に入れられる種類のものがあります。このようなコールを知らずにライブに行った人は、ライブ中にコールを聞いて驚くことでしょう。
中にはその間奏や空白部分に聞き入りたい人も少なくありません。そのため、このコールに関しては賛否両論の意見が飛び交っています。
静寂の邪魔になる
ライブマナーについての考えは、十人十色と言えるのではないでしょうか。オタ芸を目新しく感じる方にとっては、なかなか理解ができないものかもしれません。
静寂の部分を大切にしたい人、アーティストが楽曲によって作り出す雰囲気を楽しみたい人も多くいます。これらを求めてライブに訪れる人にとっては、イエッタイガーを含むコールはうるさく、好意的には受け入れられにくいでしょう。
やっていない人にとっては迷惑
コールを好んでする人たちにとって、こういった応援活動は楽しいものです。複数人で行うことによって高揚感や一体感を味わうことができます。
しかし、コールをしない人や好まない人にとってはどうでしょうか。それぞれの思い描くライブがある中で、それが他人によって阻害される訳ですから、不快感を感じる人も出てくるでしょう。
畑違いのライブで迷惑をかける
地下アイドルのライブから生まれたこのコール。オタ芸が普及してからはアニメ関連のライブでも見られるようになりました。突如現れたライブでの新しい掛け声に、アニメファンは戸惑いました。
コールはタイミングを誤り出演者の声と重なれば、会場全体や主催者にも迷惑が掛かってしまい、ファンとしては心苦しい気持ちになってしまいます。一瞬一瞬を大切にしたいライブですから、怒りの声が出ても仕方がありません。
イエッタイガーが禁止されたライブの例
コールに対するライブマナーに関しては、元々確固たるルールはありませんでした。しかしオタ芸が普及したことにより、イエッタイガーを禁止するライブがちらほらと見受けられるようになりました。
ここで例として、公式に禁止・注意されることとなったライブをいくつかご紹介していきます。
イエッタイガーのライブ①けものフレンズのライブ
こちらは、世界中の動物を擬人化したキャラクターが登場するアニメです。2015年に配信されたゲームをもとに、2017年にアニメ化されました。2017年6月に行われたライブで、公式より「虎さんのコールは禁止」と、かわいらしい表現で禁止令がアナウンスされました。
しかしなかなか虎さんのコールは落ち着かず、公式は改めて「うー!がおー!」というコールを正式とすることをTwitterで発表。「公式が家虎の対応をした」と、話題にもなりました。
イエッタイガーのライブ②アイマスのライブ
アイマスとは、アイドルマスターの略称です。2005年にバンダイナムコより発売されたゲームを始め、テレビアニメ、ライブ、モバイルコンテンツなど多岐に渡り展開をしています。
「イエッタイガーNG」と明言されている訳ではありませんが、コールを含むオタ芸を律する内容の案内がされています。また、各曲用のコールが存在しており、他のコールは控えるのが暗黙の了解となっています。
イエッタイガーのライブ③私立恵比寿中学
こちらはアニメではなく、2015年に結成した女性アイドルグループです。愛称「エビ中」で知られており、男性だけではなく女性にも人気が高いです。
こちらは公式サイトで校長より、①タオルは短く持つ ②サビ前のイエッタイガー ③ダミ声での意味不明な事を言う事 が注意事項としてお知らせされました。このお知らせの後、“イエッタイガー”がTwitterのトレンドに上がるほど話題となりました。