彼岸花の花言葉・別名は怖い?
彼岸花の花言葉をイメージすると、花の咲く季節お彼岸のことを思ってしまうのでなんとなく明るいイメージは湧きませんが、どのような花言葉があるのか、また怖いものが多い別名とはどのようなもの、どうしてそのような名前がついてしまったのか、見ていきましょう。
彼岸花は色で花言葉が違う
彼岸花には大きく分けて3色の花があります。よく見かけるのは朱に近い赤色、そして黄色に白色があります。花言葉は他の花と同じように色によって意味も変わってきますので、知っているだけでこれから野に咲く彼岸花を見つけたときにイメージが変わるかもしれません。
花の色に対する人の感情というものは何故にこう違ってくるのかと不思議に思うことがありますね。明るい色だとワクワクしたり、希望が湧いてきたり、そして暗い色だと何故か寂しくなったり気持ちが滅入ってしまったり。もっとも万人がそうだとは限りませんが、果たしてこの花の花言葉はどのように気持ちが表れているのでしょう。
不吉な別名が多い
彼岸花は別名で曼珠沙華、学名はリコリスと言われていますが、さらに異名として地獄花、死人花、幽霊花、蛇花、剃刀花、狐花、捨子花と怖い不吉な名称が数多く、探しだすとキリがないほど出てきます。日本の各地方での呼び名は千以上になるというから驚きです。
彼岸花の花言葉
彼岸花の花言葉はたくさんありますが、先ず色とは関係なく花全体でちょっと暗いネガティブな印象を与える言葉をもっています。何故にこの花はこのような花言葉になったのか由来を見ていきましょう。
彼岸花の花言葉①悲しい思い出
この花は、秋のお彼岸の季節にお墓や川の土手に咲いていることが多く、その場所に佇み、近親者や恋しい人との別れを思い出し、その時の感情によっては「死」や「三途の川」をイメージし、「悲しい思い出」という花言葉になりました。
彼岸花の花言葉②再会・また会う日を楽しみに
さらにこの花には、「再会」、「また会う日を楽しみに」という言葉もあります。お彼岸の季節にこの花を見ながら亡くなられた方を忍び、また会いたいと思う気持ちがこみ上げてくる情景が浮かびますね。
彼岸花の花言葉③諦め・独立
「諦め」、「独立」という花言葉もつけられている彼岸花。やはりあの世とこの世とは別の世界だから二度と会えない、独りぼっちになってしまったんだという、悲しい諦めの意味が含まれており、または彼岸花は先に花から咲いて、花が終わってから葉が出るという独立した咲き方をするのでこのような言葉になったのではと言われています。
彼岸花の色別の花言葉
彼岸花の花色は大きく分けて3種類あります。朱に近い赤を始め、黄色と白色がありますが、色が違ってくることで花言葉がどのように変わり、感情的なもの、明暗的なものの違いなど興味深く見ていきましょう。
彼岸花【赤】は情熱・思うのはあなた一人
赤い色の彼岸花は、「情熱」「思うのはあなた一人」「独立」「あきらめ」など、赤という色から情熱は連想できそうな花言葉ですが、墓地の周りに群集して咲き、情熱的だけど故人を想い、会えない寂しさをも相混じって独立やあきらめといった花言葉がつけられています。
彼岸花【白】はまた会う日を楽しみに
白い色の彼岸花は、「また会う日を楽しみに」や「想うはあなた一人」などと可憐な感じがします。彼岸花は花が咲き終わった後に葉が出るという生態から韓国では「花は葉を想い、葉は花を想う(相思華)」と呼ばれ恋しい人を想う気持ちが表れている言葉です。
彼岸花【黄】は深い思いやりの心・追憶
黄色の彼岸花は、「深い思いやりの心」「追憶」。これはまさに秋のお彼岸の季節になると亡くなった方を思い出し追悼の気持ちや、亡くなった方への思いやりの気持ちを表していますが、黄色といっても柔らかいクリーム色に近いものも多いので心も穏やかに追悼の気持ちが溢れてくるのかもしれません。
彼岸花【ピンク・オレンジ】の花言葉は全体的な花言葉と同じ
ピンクやオレンジなどは、他の彼岸花で言われている花言葉と全体的に同じとなります。最近では品種改良などで色味もかなり増えてきていますので、もしかすると新たな花言葉が生まれてくるかもしれませんね。
彼岸花の特徴
彼岸花の特徴は、先ず葉はなく、その大きな花弁が細く長く美しく広がっているところにあります。学名はリコリスと呼ばれ、日本では秋の中旬頃から開花し、お彼岸の時期に見事な花を咲かせます。
彼岸花の種類は100種類以上
この花の種類は100種類以上あります。ヒガンバナ科ヒガンバナ属(リコリス属)の球根植物で多年草のひとつです。この花の持つ不吉で暗いイメージが災いしてか家庭には、あまり植えない花のようですが、最近では品種改良や変種など交配によって種類もかなり増え、ホームセンターやネットでも球根から購入することもできます。
彼岸花の咲き方
花の咲き方は、花茎だけが地上にスラリと30~50cmほど伸び、その先より苞に包まれた花序が先端に付き、その苞が破れて5~7個前後の花が輪生状に伸びて咲きます。花の開花終了の後に、晩秋から冬にかけて細い深緑の艶のある葉が伸びて春になると枯れてしまいます。そしてまた秋の訪れとともにひょっこりと花茎が地面から出てくるのです。
彼岸花の怖いイメージは別名が怖いせい?
彼岸花の異名として地獄花を始めとした、不吉で怖い名称が多く見受けられます。このような名称がどうしても怖いイメージを思い起こさせているのですね。そんな異名の由来はどこからくるのでしょう。
彼岸花の悪いイメージの異名の由来
彼岸花には、悪いイメージの異名が数多くあります。全国的にも1000以上の異名があると言われ珍しい異名としては旧暦の八月に咲くので「お盆花」と呼ばれるほか、「狐提灯」「しゅうとめばな」「おやしねこしね」等となんだか怖い呼び名が調べるとどんどん出てきます。
有毒植物ならではの異名
・地獄花(ジゴクバナ)…彼岸花は有毒植物の一つで、この花を食べると最悪死に至ることがありますので、「この花を食べたら必ず死んでしまう=彼岸へ行ってしまう」という地獄のような花の持つ毒性から来ています。
・蛇花(ヘビバナ)…この花の有毒性を毒蛇になぞらえてつけられたとされる蛇花。他にも毒花(ドクバナ)、痺れ花(シビレバナ)といったような有毒性からの由来によりつけられた別名が存在します。
彼岸花の咲き方による異名
・剃刀花(カミソリバナ)、狐花(キツネバナ)…この花の細長い葉が剃刀のように見えるのに、花の開花時には妖艶な姿を現しながらその葉は一切見せず、まるで狐に騙されているようだと、この名前がついたと言われます。
・捨子花(ステゴバナ)…この捨子花という別名は、この花の咲き方に由来します。花が咲き終わった後に葉が出てくるといった生態が花と葉が一緒に共存しない、子と親が一緒に居られないといった悲しい状態を表しているのです。
彼岸花が実は良いイメージの別名もある
彼岸花には怖い不吉な悪いイメージの別名が多い中、赤や白などきれいに咲いたその姿から良いイメージの別名もあります。代表的なものとして曼珠沙華や天蓋花などが挙げられます。曼珠沙華は様々な歌もありなんとなくわかりますが、天蓋花と聞いてもすぐにはイメージが湧きませんね。
彼岸花の良いイメージの異名の由来
・曼珠沙華(マンジュシャゲ)…サンスクリット語のmañjūṣakaからきている言葉で、意味は天上界に咲く赤い花と言われ四華の一つになります。四華とは曼荼羅華(白花)・摩訶曼荼羅華(大白花)・曼珠沙華(赤花)・摩訶曼珠沙華(大赤花)の天から降る四種の蓮華花のことをいい、めでたいことが起こる前兆と言われています。
・天蓋花(テンガイバナ)…この花の形状が、お寺にある御本尊の上にかけてある金色のシャンデリアのような天蓋に似ているところから天蓋花とも呼ばれています。このように仏教に関連した花で別名「天上の花」と呼ばれる優曇華があります。優曇華の記事はこちらからどうぞ。