坪野鉱泉は廃墟となり心霊スポットになっている
富山県魚津市内の、鬱蒼と茂る木々の中にひっそりと佇む廃旅館が坪野鉱泉です。この坪野鉱泉には様々な噂が付きまとっており、有名な心霊スポットになっています。また、過去には行方不明事件も発生しており、その事件が未解決であることも付随してか、興味を持って訪れる人も少なくありません。
この記事では、過去に発生した女性2人の行方不明事件と、その真相について考察していきます。また、そこで語られる数々の心霊体験についても、実際に訪れた人の体験談や探索動画などを交えて紹介していきます。
坪野鉱泉とはどんな場所なのか?
坪野鉱泉は、富山県魚津市に現存している鉱泉です。富山県道67号線沿いにあり、鉱泉一帯と、坪野鉱泉からの源泉を利用していた宿泊施設「ホテル坪野」を望むことができます。いくつかの施設が併設されており、鬱蒼としていますが広い敷地面積があります。
また、旅館の営業は終了していますが、湧き水のあるところでは地元の方々が水を汲みに来るなど、地域の暮らしから隔絶されているわけではありません。そのため、興味があって訪れる方は、近隣に迷惑を掛けないよう注意しましょう。
坪野鉱泉は枯れずに今も残っている
坪野鉱泉の源泉を利用し営業していた旅館はすでに廃業していますが、泉脈自体は今でも活きています。お湯は、その廃業した旅館の地下から湧いており、小高い山を伝って下流まで降りてきています。
そのため、鉱泉付近には水汲み場が用意されており、地元の方がたびたび訪れ水を汲むなど、現在でも活用されています。また、北山薬師堂の上流にあるため、それに由来した形で湧き水は「薬師の水」と呼ばれています。ここの湧き水には、胃腸に効能があるとされており、名水として地元で愛されているようです。
坪野鉱泉に建っていた旅館は廃墟になっている
この建物は「ホテル坪野」という名前の宿泊施設で、営業中は日本観光旅館としてダンスクラブやプールが併設された、立派な施設として営業していました。様々な体験談が語られているのは、こちらの建物についてのものがほとんどです。
しかし、1982年には不況のあおりを受け倒産し、閉鎖されています。倒産後も建物自体は現存していて、8階建てのスケールもあり鬱蒼とした森の中に佇んで不気味な雰囲気を醸し出しています。実際に発生した失踪事件に関しては、次の章から詳しく説明していきます。
坪野鉱泉で起きた女性失踪事件とは?
1990年代中盤に、坪野鉱泉で未解決の事件が発生しています。これは、当時19歳だった女性2人が、ポケベルのメッセージ送信や車の通行情報を最後に、坪野鉱泉付近で行方をくらませた、という事件です。
2019年現在でも有力な情報は現れておらず、本人たちはおろか、警察による必死の捜索も空しく、乗っていた車さえ発見されていません。彼女たちはどこへ消えてしまったのか、当時から様々な考察や憶測が飛び交っている事件です。
肝試しに向かっていた女性2人が行方不明となった事件
富山県内に在住していた友女性2人が、肝試しのため魚津市方面に向かい、その後の消息を絶ってしまった、というのが事件のあらましです。彼女たちは、道中で別の友人に「魚津市にいる」というポケベルのメッセージを送っています。また、氷見市から沼津市に向かう間の国道では、彼女らが乗っていたとされる乗用車も目撃されています。
警察は、事件と事故の両面から捜査し、車の乗り捨てなどが見られないか谷底にいたるまで捜索を行いました。しかし、何の手掛かりを発見することもできず、事件から1年後には、地元紙で情報の提供を呼び掛ける特集が組まれています。2001年に、他県で発生した事件を受けて富山県警が事件の再確認を行っていますが、発見には至っていません。
この事件がきっかけで坪野鉱山のホテル跡地が「神隠しホテル」と呼ばれるようになりました。
坪野鉱泉付近で消息が途絶える
彼女たちは、当時の主流な連絡手段である「ポケベル」で現在地を知らせるメッセージを送っていました。また、道中の国道での目撃情報もあることから、坪野鉱泉へ肝試しへ向かっていたことも間違いないと思われます。しかし、その後の足取りは掴めず、両親や友人への連絡も一切ありませんでした。
その後行方が分からず、乗っていた車も見つかっていない
また、彼女たちは内1人の所有する乗用車に同乗し、目的地へ向かっていました。しかし、途中の目撃情報があるにも関わらず、辿ったと思われるルートのどこでも、その乗用車は発見されませんでした。事故による転落死の可能性も考え、ルート中の転落の可能性がある箇所は徹底的に捜査されましたが、発見には至っていません。
坪野鉱山付近を徹底捜査したが未だ手掛かりなし
事故の痕跡が見られない事から、警察は事件の方面からも捜査を進めていました。乗っていた車ごと見つからないため、不慮の事故ではなく故意の失踪ではないかという見方もされ、駆け落ちなどの可能性を考慮し、周囲の異性との友人関係が念入りに調査されました。
また、発生当時の報道が見つからず、ガセやもみ消しも噂されましたが、彼女たちが未成年であったことや失踪原因がプライバシーに関することである場合を考えて、公開が制限されたのではないか、と推測されます。失踪後1年の特集記事が簡単に閲覧できるのも、年齢が20歳になったため準公開捜査に踏み切ったと思われます。
坪野鉱泉女性失踪事件についての考察
未解決であることからネット上では様々な憶測が飛び交っていますが、どれも明確な真実にはたどり着くに至りません。当時から心霊スポットとしては有名であり治安が良い悪かったこと、失踪事件発生時は5月上旬のゴールデンウイーク中であり人の出入りが多かったこと、近隣でも失踪事件が発生していることから、4つの仮設を立て説明します。
考察①ヤンキーが犯人という説
1つ目は、廃墟に屯していたヤンキーによる犯行ではないかという説です。心霊スポットは、アクセスや不気味さから一般の人の出入りは多くありません。そのため、廃墟は、不良にとっても格好のたまり場となります。坪野鉱泉も例外ではなく、日ごろから暴走族の類が出入りしていた、という話がありました。
この事件では、メンバーが女性の身であることや時間帯が遅かったことから、ヤンキーたちによる暴行事件に巻き込まれた可能性は十分に考えられます。襲われた2人が予想よりも騒ぐなどして、処理に困ったヤンキーが2人を殺害し、死体を遺棄したというケースもあり得ない話ではありません。
考察②ただの家出という説
2つ目は、意図的な失踪、つまり家出ではないかという説です。警察も2人の男性関係を調査していたようですから、好きな人と新たな生活を始めるための駆け落ちの可能性も考えられます。また、車も発見されておらず処分された形跡や事故の痕跡がないことから、そのまま車を使って県外へ、という可能性も高いと言えます。
しかし、彼女たちは周囲にはっきりと肝試しへ行く、と伝えており、実際に氷見市から魚津市のルート間で目撃されています。家出をしたいのであれば、用事が終われば帰ってくる肝試しのような言い訳を使わず、旅行や友人宅に宿泊するなど、数日連絡が取れなくても不自然ではない理由を使うのではないでしょうか。
考察③幽霊に連れていかれた説
3つ目の説は、本当に神隠しにあったのではないか、という説です。この旅館の利用者や関係する人の死亡事件があったという話もあり、負の念が旅館に溜まっていて、訪れることで怪奇現象に見舞われるのではないかとまことしやかに囁かれていたようです。
そのため、面白半分の興味本位で立ち入った2人が霊たちの逆鱗に触れてしまい、現世とは違う場所に飛ばされる神隠しをされてしまったため、警察の捜査では見つけられないのではないか、という考察です。発生したと言われている事件の曰くについては、後の章で詳しく紹介します。
考察④北朝鮮に拉致された説
4つ目の説は、北朝鮮の工作員による拉致ではないかという説です。大陸と近い日本海側での拉致事件は多数発生しており、有名な事件もあるため耳にしたことがある方は多いと思います。それらの事件と同様に、この事件も同様の拉致被害なのではないかという考察です。
しかし、実はこの拉致説は非常に有力な説であると言えます。当時の時代背景や、特定のルート付近で多発していた他の事件、廃旅館内に残されていた有力と思われる証拠など、詳しく解説していきたいと思います。
物資の輸出に使われている大町ルート
海沿いの県である千葉県から東京、長野を経由して新潟・富山方面に通じる物流ルートを「大町ルート」と呼びます。千葉県では資源が豊富で、そこでの製造作業に携わる在日朝鮮人が多く生活しており、北朝鮮への出荷ルートが確立しています。
拉致被害と思われる現場が密集
このルート沿道では、北朝鮮による拉致被害であることが濃厚な失踪事件が多数発生しています。これらの情報は、特定失踪者について情報提供しているサイトで確認することができます。例にもれず、この失踪事件の場所も同様のことが言えます。
拉致事件のノウハウが確立?
発生した拉致事件でも、車ごと連れ去られた、または消された同様のケースのものがあります。そのため、犯人は車を処分する闇ルートに繋がりがあり、彼女たちが乗っていた車も処分されているため発見されなかった可能性があります。
廃旅館に残された痕跡
また、事件現場と思われる廃墟内の捜索では、大量の新聞紙が発見されています。この新聞紙群は、1990年代頭の日付に集中しており、量からも外部から侵入したヤンキーや肝試しに訪れた人が残したことも考えにくいと言われています。
そのため、北朝鮮の工作員が生活していた痕跡ではないか、という見方が濃厚です。また、心霊スポットとして有名なことも手伝い、深夜に少人数で訪れる人も多かったと思われ、被害者たちを拉致し国外へ連れ出すには格好のポイントだったと言えます。
坪野鉱泉は有名な心霊スポット!
先程紹介した「神隠しホテル」以外の理由にも、坪野鉱泉が心霊スポットと恐れられる由来があります。それは、廃旅館となっている宿泊施設を運営していたオーナーや、施設に併設されているプールで溺死した男の子がいると言われていることです。
坪野鉱泉の旅館内で自殺したオーナーの霊が出る
未だに当時のまま取り残されている「ホテル坪野」は、倒産により閉鎖されています。倒産原因は、バブル崩壊による不景気の煽りなど、様々な原因が噂されています。しかし、経営難によるものであったことは間違いないようです。
そのため、経営難による借金苦などで当時のオーナーは自殺してしまい、恨みか、または無念からかその霊が旅館内には出没するそうです。オーナーの死因ははっきりとはわかっておらず、ホテルからの飛び降りや焼身自殺、または首吊りなど、様々な憶測が成されています。
坪野鉱泉にあるプールで溺死した男の子の霊が出る
ホテル坪野には、併設されたプール施設「ネッシーランド」がありましたが、そのプールで溺死してしまった男の子がいたそうです。その男の子の霊が、幼かったゆえに自分の死に気付いていないのか、それとも遊び足りないのかは定かではありませんが、ホテル内に出没すると噂されています。
坪野鉱泉に立ち入る時のルール5つ
どんな場所にもタブーというのは存在するものですが、特に心霊スポットにはそういった逸話が付き物です。もちろん坪野鉱泉にもタブー視されている行動がありますので、興味が湧いて行きたい、と少しでも思われた方は、ここで紹介する5つのタブーについて頭に入れておいた方が良いでしょう。
5つのやってはいけない事とは?
坪野鉱泉でのタブー行動は5つあります。坪野鉱泉には、生身の人間による、悪意を持った犯行と思われる事件も発生していますので、身の安全のためにもしっかりと守ることが無難です。また、訪れた後にはお祓いに行くことが勧められています。
5つのタブーとは「自分の車で行く」「白い車で行く」「無防備にドアを開ける」「1人になる」「自分の名前を言う」ことです。5つ目に関しては、建物内は盗聴されていて、名前を言うと脅迫されるからという噂もあります。訪れる際には、同行しない知り合いに車を借りて複数人で向かい、訪れた後は車ごとお祓いに行くのが良いかもしれません。