レイプツリーとメキシコ麻薬戦争|超危険地帯で横行するレイプ殺人の背景

レイプツリーはメキシコの国境近くに点在します。レイプされた女性の下着を戦利品のように吊るしておく凶行が日常的に行われる様はまさにカオス。政府の取り締まりと麻薬カルテルの抗争が招いた超危険地帯では何が行われているのかを解説します【閲覧注意】

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レイプツリーとは?

戦争が生んだ悲劇はいまだに世界各地で牙をむいており、日本に住んでいては、想像もできないような事態が世界では繰り広げられています。その一端である「レイプツリー」について紹介していきます。

レイプツリーとはレイプ被害女性の下着が吊るされた木

レイプツリーとは、連れ去り、レイプや暴行をした女性の下着を吊るした木のことを指します。その残忍さから、日本では検索してはいけないワードとして、認知されるほどになっています。

レイプした女性の人数を誇示するかのように近くの木に吊りることで、その組織の力を示すために使われているのです。

レイプツリーの場所「メキシコ・チワワ州」

レイプツリーが点在する地域とは、アメリカとメキシコの国境沿いに存在するチワワ州の都市「シウダー・ファレス」近郊です。

麻薬密売組織と取り締まり組織の間の終結宣言が出された後も、治安が回復することはなく、現在でも世界で2番目に危険な街ともいわれるほどです。

レイプツリーと麻薬カルテル

麻薬カルテルとは、一般的に法律で所持することすら禁止されている麻薬に関する製造や売買、使用を行う組織の総称です。麻薬カルテルとレイプツリーには、どのような関係性があるのでしょうか。

レイプツリーと麻薬カルテルの関係

メキシコで行われているレイプは、一般的に想像されるような女性を襲い、性的被害を負わせる以外にも意味を持ちます。それは、先に紹介した違法組織、麻薬カルテルと関係性が深いということです。

女性を誘拐レイプ・麻薬王の性奴隷に送ることも

シウダー・ファレス近郊では、女性を誘拐しレイプするための性奴隷とするだけでなく、麻薬取引に絶大な影響を与えるマフィアのボスに下げ渡す行為も横行しています。

また、街を歩く女性だけでなく、麻薬組織に反抗的な姿勢を示す女性を執拗にターゲットとすることもあります。

レイプした女性の下着を木につるす

そうして、レイプや暴力の被害にあった女性の下着を吊り下げるのがレイプツリーです。しかし、木に吊るされた下着を回収する人は誰もいません。

なぜなら、組織に反抗的な姿勢を示した場合には、レイプや暴行の新たな対象となり得るからです。そのため、木に吊るされた下着は、朽ち果てるまで木に吊るされたままになります。

麻薬カルテルの残忍性は、動画でも見ることができます。その動画に関する詳しい内容は、生きたメキシコとは衝撃のグロ動画!残虐事件の背景はメキシコ麻薬戦争【閲覧注意】の記事をご確認下さい。

麻薬カルテルを生んだ麻薬戦争

日本では麻薬戦争という通称で通っていますが、英語の正式名称ではWar on Drugと表記されています。つまり、薬物戦争という訳になります。

実際のところ、この戦争の始まりは薬物取引を無くし、治安の回復を目論んだ活動の一環でした。しかし、その実態はどうだったのでしょうか。

アメリカの政策の一部として始まった麻薬戦争

麻薬戦争の始まりは、参加国の支援のもと実行に移された、違法薬物の製造、売買などの流通を減少させるための政策の一環でした。

世界的に一応の承認を得たこの活動は、アメリカから軍を国外に派遣するという軍事支援かつ軍事介入の元、実施に移されたのです。その対象国の1つがメキシコでした。

軍を投入しての麻薬王の逮捕

軍を投入しての麻薬組織関係者の大規模摘発が実施されました。しかし、代表者を失った組織は分裂し、数を増やした組織が引き起こす犯罪件数は年々数を増していきました。

メキシコ大統領による麻薬戦争の終結宣言

2018年、非暴力による治安回復を掲げていたロペスオブラドール大統領から「麻薬王を逮捕しても犯罪件数の減少を達成することはできない」として、麻薬戦争の終結宣言が出されました。

しかし、麻薬組織からの賄賂を受け取っていた人物がロペスオブラードル政権に席を置いているとの指摘もあり、メキシコの治安は予断を許さない状況が続きそうです。

麻薬王との関係

未だに完全解決に至っていない麻薬戦争を引き起こしている重要人物と言えるであろう麻薬取引組織のドンである麻薬王ですが、有罪判決が下るまでの過程でも、巨大な権力を感じさせます。

巨大麻薬組織のドン「エル・チャボ」

ホアキン・アルチバルド・グスマン・ロエーラ、こと麻薬王の”エルチャボ”は、シナロア・カルテルの最高幹部として、巨大麻薬組織を率いてきました。

麻薬の密売額

1987年にアメリカ当局が実施した捜査によると、約3年間で2トンのマリファナと4.7トンのコカインを取引し、その利益は15億ドルに達していたとのことです。

アメリカの長者番付に掲載されたこともあるほどの資産を築いており、純資産は日本円にして1000憶円とも言われています。

エルチャボの逮捕

最終的には逮捕され、アメリカにて有罪判決を受けることになりました。しかし、それまでには何度も脱獄を成功させるなど、資産力や組織の力の強大さを伺わせます。

1度目の脱獄

初めてエルチャボが逮捕された際には、麻薬密売に関係する20の嫌疑がかけられ、刑務所に収容されていました。しかし、洗濯物を積む清掃用作業車に紛れ込むことで脱獄を成功させます。

脱獄にあたり、麻薬密売で稼いだ総額250万ドルに及ぶ賄賂を78名の看守に渡すことで、悠々と刑務所を出て行ったとする説もあります。

2度目の脱獄

2度目の脱獄は、厳戒態勢が常に敷かれるており、メキシコ内で最も警備が厳重なことで有名なエル・アプティプラーノ刑務所からの脱獄となりました。

刑務所の地下に全長約1.5㎞にも及ぶトンネルを掘らせ、改造したバイクを使用することでたったの3分で脱獄していったといいます。

メキシコの麻薬組織に関する情報はこちら

麻薬戦争の激化による見せしめとレイプツリー

違法な麻薬取引の禁止を目的とした麻薬戦争でしたが、麻薬王の権力の絶大さや公共機関と麻薬組織が癒着している状況も相まって治安を安定化させることはできませんでした。

それどころか、麻薬カルテルとの抗争の拡大を招いていきました。このように、治安が悪化していくに従い、麻薬カルテルによる権力の誇示が強まっていきました。

暴力性を誇示し恐怖支配を敷く

組織の暴力性や残虐性を誇示することで、報復を恐れた地元の人々は、誰も止めようとしなくなります。

また、組織同士での力の見せつけ合いにも役割を果たします。このように恐怖支配をすることで、組織の力を維持するという循環が生まれてしまっているのです。

殺人動画公開や遺体にマークを刻む

組織の力を誇示するための活動は、誰の目にも触れることを目的とした、恣意行為をも含んでいました。

レイプや暴行を行っている動画は、YouTubeなどの動画サイトにアップロードされており、我々でも削除されるまでは閲覧できてしまいます。

レイプや暴行の餌食となり、被害にあった遺体には、組織のマークを刻んで道に放置されているということも日常茶飯事です。

レイプツリーも恐怖支配の一環

レイプツリーは、レイプをした被害女性の下着を木に吊るしたままにすることでした。レイプツリーの下着の数が増えるほど、組織の残虐性を示す結果になります。

地元の人は報復を恐れて、レイプツリーにかけられた下着を外すどころか、組織に近づかなくなる結果になるのです。

レイプツリーと密入国者

あらかじめ、メキシコ・チワワ州の治安が悪くなっていることは、その地域に近づく人は、誰もが分かっているところです。だとすれば、どのような人が麻薬カルテルの被害の対象になっているのでしょうか。

レイプツリーには密入国者の被害者も絶えない

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