ヨコバイってどんな虫?実はあなたの身近にも!
「ヨコバイ」と聞いて「ああ、あの虫ね!」と分かる方は意外と少ないのではないでしょうか。実は身近にいるのにあまり認知されていないヨコバイ。ちょっと変わった名前の虫について紹介しましょう。
ヨコバイはカメムシ目!セミの仲間でもある
ヨコバイは昆虫の中のカメムシ目に分類されます。カメムシ目の代表的な虫としてカメムシの他にはセミがいます。カメムシ目の昆虫の特徴は口が草木の汁を吸うための針状になっているところです。
世界には20000種類も存在する!
ヨコバイは世界中に生息しておりその種類は20000種類にも及びます。日本で確認されているものも550種類程いますが分類の仕方も確定されておらず新種の発見によっては今後も変更される可能性があります。
ヨコバイの名前の由来は独特な移動法からきている
「ヨコバイ」という名前は敵に狙われた時にカニのように横歩きで移動する動作「横這い」から来ています。樹木に止まっているセミもこの動作をすることがあります。
ヨコバイの体の特徴とは?どんな見た目?
セミと同じ仲間に属するヨコバイとはどのような虫なのでしょうか。その体の特徴と見た目について紹介しましょう。。
セミを小さくしたような形をしているヨコバイ
ヨコバイの学名はCicadaella(小さいセミ)と言い、実際見た目はセミをそのまま小さくした様な姿をしています。背中全体を薄い翅で覆われていて大きさは数ミリから大きくても1cm程の大きさです。
またセミと同様にヨコバイの口元は長い針状になっていてそれを草や木に刺しこむことによって汁を吸うことが出来ます。
地味から派手まで?ヨコバイのデザインはさまざま
色は茶色や黒色など目立たないものから黄色や緑、更に黄色に黒い斑点のあるもの、外国産ではブルーや赤色の派手なものまで種類によって様々なデザインのものが生息しています。
ヨコバイの幼虫は蛹を経ずに成虫へと変態する
幼虫から成虫になる時に蛹にならない不完全変態と呼ばれる成長の仕方をします。何度か脱皮する事によって成虫となり成虫には翅が生えます。
セミも不完全変態ですがセミが幼虫期を地中で過ごすのに対してヨコバイの幼虫は成虫と同様に地上で過ごします。
ヨコバイの成虫は飛翔する
幼虫と成虫の大きな違いは翅の有無です。成虫になると4枚の翅が生え、葉の上や裏側でじっとしている幼虫とは対照的によく飛翔します。
ヨコバイの生態とは?
次にヨコバイは実際にどのような環境でどのようにして生活をしているのかその生態について紹介しましょう。
ヨコバイによる“ヨコ移動”の謎に迫る
ヨコバイの名前の由来にもなっている横歩きは天敵に狙われた時に発揮されます。葉の表面でじっとしている時などに敵の気配を感じると葉の裏側にササっと横這いで逃げ込みます。
植物の汁が大好物!穴をあけて汁を吸うヨコバイ
ヨコバイは針状の口を草の葉や茎、または樹木に刺して穴を開けその汁を吸います。幼虫と成虫どちらも植物の汁を吸い取ることによって生きています。
ヨコバイもセミのように鳴く?本当は音を出している
ヨコバイはセミと同様に雄が雌を呼び寄せるために鳴いているそうなのですが、実際には人の耳に聞こえる周波より低周波で鳴くために聞き取ることはできません。
天敵は沢山!ヨコバイは弱い虫
ヨコバイは小さな昆虫なので天敵も沢山います。鳥や蜂など空中から襲ってくる生物の他にもクモ、カマキリ、カエルその他肉食の昆虫など地上にもたくさんの天敵が存在する弱い虫です。
ヨコバイ同様の長い口を持つ身近な虫たち
カメムシ目の虫たちは皆針状の口を持っていますが、カメムシ目に属さない虫にも同様に長い口を持つ虫は色々います。その様な虫の中で身近にいるものをいくつか紹介しましょう。
長い口を持つ虫①蚊
吸血害虫として嫌われている蚊ですが、人の血を吸うのは雌のみで卵巣の発育に必要なたんぱく質の補給が目的です。普段は雄と同様に花や果物、草の汁を吸います。
長い口を持つ虫②蝶
花や樹液の蜜を吸うことで知られている蝶も長い口を持っています。長い口は蜜を吸っていない時にはクルクルと巻かれた状態で、蜜を吸う時に伸ばすことが出来ます。
長い口を持つ虫③ゾウムシ
ゾウムシの頭から伸びた口の先端にはアゴが付いていて植物の奥の方に挿入して噛む事が出来ます。これは餌を食べる他にも産卵するための穴を開けるという大事な役目もあるそうです。
長い口を持つ虫④アブ
ハエに似た害虫というイメージのアブですが、ハエとの区別は蛹から羽化する時の蛹の裂け方の違いなのだそうです。口に付いている管を人や動物に刺して吸血しますが花の蜜などの植物をエサとする種類も多いそうです。
長い口を持つ虫⑤ノミ
家畜や野生動物に寄生して血を吸い、人に寄生するノミはヒトノミと呼ばれますが日本ではあまり見られなくなりました。しかしペットを飼っているとペットのノミが人に寄生して吸血する事があります。
ノミという名前の由来は人の血を飲むから「飲む」が訛ったとかノミの跳ねる動作から「跳び」が訛ったなどと言われている様です。
上でも簡単に紹介した蚊についてもっと詳しくその生態や防除法について知りたい方はこちらの記事も是非ご覧ください。
ヨコバイは畑を荒らす厄介者?害虫としても知られている
ヨコバイは草木に穴を開けるという習性から農作物や庭の木や花などを荒らす害虫としても有名です。ここでは害虫としてのヨコバイについて紹介しましょう。
知らぬ間に大量発生?光に群がるヨコバイ
幼虫のヨコバイは飛ぶことが出来ませんが成虫になると翅が生えて飛べるようになるため近くにイネ科の植物や水田などがあると大量に発生し街灯や家の明かりに群がり不快な気持ちになることがあります。
ヨコバイによる農作物や果樹への食害が発生!
果樹園や水田、畑などの農作物に群がってその汁を吸い取ってしまうため大きな食害が発生することがあります。見かけは小さな虫ですが大量発生すると大きな問題となります。
病原菌を伝染させて畑や芝生にダメージを与えるヨコバイ
ヨコバイの中には病原菌を媒介する種類がいます。媒介した病原菌によって病気を引き起こされた作物や芝生は広範囲にダメージを受けるため害虫対策が必要となります。
ヨコバイの駆除方法とは?どうすればいなくなる?
それではヨコバイを駆除するにはどのような方法を取ればよいのかその方法についても紹介しましょう。
ヨコバイには殺虫剤が効果的!
家庭菜園や庭の草木などのヨコバイを駆除するには殺虫剤を用いるのが効果的です。ヨコバイの幼虫は葉の裏側に潜んでいるので駆除しづらいため大量に発生する前に駆除を行うのが良いでしょう。
ヨコバイの天敵はなるべく残すようにすること
害虫用の殺虫剤を用いるとヨコバイの天敵の昆虫まで駆除してしまうことがあります。できればヨコバイを捕食するカマキリなどの虫は駆除しない様に殺虫剤の選択にも気を配らなくてはなりません。
ヨコバイ駆除アイテム!オルトランDX
天敵となる虫たちを駆除せずにヨコバイなどの食害を与える害虫だけを駆除するには「オルトランDX」がお勧めです。土に混ぜると殺虫効果が植物全体に行き渡り葉の裏などに隠れている害虫駆除にも効果があります。
注意しなければならないのは、害虫ばかりでなく花の蜜を吸うミツバチなどにも影響を与えてしまったり、池などが近くにある場合に土から水に溶けた殺虫成分が池の魚などの生物に影響を及ぼす危険性があることです。
ヨコバイは人を刺す?対処法は?
ヨコバイの口は草木の汁を吸う役目を持っていますが人を刺すことはあるのでしょうか。またもしも刺された時はどのように対処をしたら良いのでしょうか。
ヨコバイはたまに人を刺すこともある?
植物の汁をエサにしている虫なので人が刺されることは稀ですが、大量発生して群生しているヨコバイの近くを通りかかり刺されることがたまにあるようです。