ヨコバイに刺されると蚊に刺された時の様に赤く腫れて痒みを感じますが刺されたこと自体それ程心配する必要はありません。
ヨコバイに刺されたら抗炎症剤で対処すること
万が一ヨコバイに刺された場合はヨコバイによるアレルギーを抑えるため市販の虫刺されや汗疹用の抗炎症剤を使用すると良いでしょう。
熱処理も有効!酵素を失活させること
ヨコバイに刺された時の腫れや痒みはヨコバイの唾液酵素や人を刺す前に吸っていた植物酵素が原因と考えられます。
いずれにしても酵素は熱に弱いので刺された箇所に45℃以上の火傷をしない程度のお湯を掛けて酵素を失活させるのも効果的です。
そもそもヨコバイを寄り付かせないことが1番
ヨコバイは植物をエサにしている虫なので人が刺されることは滅多にありません。ヨコバイの集まりやすい灯りの周りやヨコバイの家の中への侵入を防ぐ忌避殺虫剤を使用するのが効果的です。
夏はヨコバイに限らず蚊やアブなど様々な虫たちの行動が活発になる季節です。虫除け選びの参考にこちらの記事も是非ご覧ください。
ヨコバイの種類を紹介!
日本だけでも550種類もいると言われるヨコバイですが、その中でも比較的に見つけやすい種類のものを紹介しましょう。もしかしたら「これ見たことある!」と思われるものもいるのではないでしょうか。
ヨコバイの種類①ツマグロオオヨコバイ
翅の先までの大きさが13mmとヨコバイの中では大きくて全体的に黄緑色をし頭部と胸部に黒い斑点があるので目立ちます。本州から九州までよく見られる種類のヨコバイです。
一部地域で「バナナ虫」という俗称で知られている
見た目が黄色くて黒い斑点はシュガースポットの出ているバナナに似ているので、地域によってバナナ虫と呼ぶ所もあるそうです。
ヨコバイの種類②ツマグロヨコバイ
雄の前翅の先端が黒いのでこの名前が付けられました。(雌は茶褐色をしています。)ツマグロオオヨコバイを小さくしたような見かけですが胸部の黒斑が無くツマグロオオヨコバイの半分程の大きさです。
稲に大発生をして萎縮病や黄萎病などの稲の伝染病を媒介する代表的な害虫です。また街灯などの明かりに群生し人の肌を刺すのもこの種類が多いようです。
ヨコバイの種類③カキノヒメヨコバイ
体長は2.8mm~3.2mmとかなり小さく全体的に薄緑色をしています。柿や梨の木などに付く害虫です。このヨコバイに付かれると枝が伸びなくなり葉が巻き上がったり葉の縁から枯れる等の被害を受けます。
ヨコバイの種類④チャノミドリヒメヨコバイ
体長は3mmとかなり小さく全体的に淡い緑色で主にお茶の葉に付きます。殺虫剤に耐性がついてきて駆除が難しくなっているそうです。
ヨコバイの種類⑤ミカンノミドリヒメヨコバイ
主に柑橘類に付き果実を変形させてしまうミドリヒメヨコバイです。一年中被害があり一度付くとなかなかいなくならないため数年は注意が必要とのことです。
ヒメヨコバイは上にあげた以外にもキウイヒメヨコバイやフタテンヒメヨコバイ、ヤノヒメヨコバイ等多くの種類があり個体差もある上にとても小さいので見分けをつけるのは難しいようです。
ヨコバイの種類⑥イナヅマヨコバイ
ツマグロヨコバイに似ていますがツマグロヨコバイよりも小さく翅に稲妻のような紋様があるのが特徴です。イネ科の植物に付き東南アジアなどでも被害のあるヨコバイです。
ヨコバイの種類⑦ブチミャクヨコバイ
ヨコバイの仲間の中では大きくて体長は7mm~8mmあり、頭部が大きく他のヨコバイよりもずんぐりしています。翅脈が黒白の点線になっているのでこの名前が付いたそうです。
ブナ科の木に付き群生はしないようです。北海道から九州まで広く分布しています。
ヨコバイの種類⑧ニトベブチミャクヨコバイ
別名コブチミャクヨコバイとも言い、ブチミャクヨコバイに似ていますが翅に色の付いた紋様が無く透き通っていてアブラゼミに似ています。
ヨコバイの種類⑨ウスブチミャクヨコバイ
頭部が黄色く翅に黄色い帯状の紋様があるのが特徴です。体長は9mm程でブチミャクヨコバイより少し大きめであまり見かけることは無いようです。
ヨコバイの種類⑩オオヨコバイ
体長は10mm位でツマグロオオヨコバイと似ていますがオオヨコバイには翅の先の黒色がありません。全体的に透き通った黄緑色をしていて頭の上の部分に2つの黒い斑点があります。
日本全土と東アジアからヨーロッパまで広く分布しています。東南アジアの熱帯地域に生息しているオオヨコバイは3cmにもなるそうです。
ヨコバイの種類⑪クロスジホソサジヨコバイ
全体的に黄色で大きさは5mm~6mmと小さく、背部にはっきりとした黒条があり左右の前翅の合わさるところ(背中の中央)に黒いラインが通っているのが特徴です。
ヨコバイの種類⑫クロヒラタヨコバイ
全長4.5mm~6mm程度で黒または茶褐色で光沢のあるずんぐりとしたヨコバイです。前翅部の端に白い紋様があります。広葉樹に付き本州から九州まで分布しています。
本で見るヨコバイ
これまで害虫としてのヨコバイを沢山紹介してきましたが、まだまだたくさんの種類がいます。ここでは興味を持たれた方にちょうど良いヨコバイの図鑑と愛らしいヨコバイが出てくる絵本を紹介します。
絵本の中のヨコバイ
害虫として嫌がられるヨコバイも絵本で見ると自然の中に生きる愛らしい虫たちの仲間です。虫が苦手な方や小さなお子さんのいらっしゃる方もお子さんと一緒に楽しめます。
ぼく バナナムシ:海野 和男写真
昆虫写真家の海野和男さんが撮影した写真絵本。「バナナムシ」と呼ばれているオオツマグロヨコバイの生態をバナナムシを主人公にして紹介しています。
いないよいないよいませんよ:ふくざわ ゆみこ著
コノハチョウが鬼になって虫たちと隠れん坊をするお話です。隠れる虫たちの中にヒトツメヨコバイが登場し、虫たちの隠れている場所を探すのが楽しい絵本です。
ヨコバイの載っている図鑑
幼児や小学生の子供が見ても分かりやすく解説している図鑑を紹介します。身近に生きている虫たちを知るきっかけにもなるでしょう。
セミ・カメムシのなかま:海野 和男著
上で紹介した「ぼくバナナムシ」の海野和男さんの図鑑です。セミやカメムシの仲間としてヨコバイも紹介されています。
小さな小さな虫図鑑:鈴木 知之 写真・文
題名どおり身近にいる小さな虫ばかりが載っている図鑑です。200種類以上の虫が載っているので虫好きの子供にはたまらない一冊です。もちろんヨコバイも載っています。
あなたの近くにいるはず!ヨコバイを見つけてみよう
体が小さいために見分けもつけにくいヨコバイは名前の付いていない未知のものも沢山います。謎の多いこの虫を見つけに出掛けてみてはいかがでしょうか。誰もまだ知らないヨコバイが見つかるかもしれません。