切ないリリックと泣きだしそうにも聞こえる声が耳に残りますね。少年の未来への漠然とした不安と焦燥感、大人の社会への反発、何が正解かもわからない苛立ちを歌っています。
歌詞にもある「15の夜」が、少し尾崎豊を連想させます。
「サードチルドレン」収録曲「Life goes on」
この曲はSAYがヴォーカルで参加しています。タイトルの「Life goes on」からもわかる通り、人生はどんなことがあっても続いていく、と歌っています。
周りがあきらめても壁にぶつかっても自分は諦めない、これでやっていくんだという、ZORNのこれからの決意表明ともとれる内容です。
ラッパーと塗装工、どちらもやり続けることを決めた頃なので、一層重みがありますね。
ZORNのクールな楽曲!おすすめの10選を紹介!
ℤORNの代表曲、2曲を見てもらいましたが、他にはどんな曲があるのでしょう。お勧めの10曲をチョイスしたのでぜひ聞いてみてください。
ZORNのおすすめ曲①奮エテ眠レ
この曲はZONE THE DARKNESS時代の曲です。自分にはラップしかないとそれにかける情熱、なのに認められない現実、わかりやすい言葉を使いながらもキラッと光るものを感じます。
DARKNESSが名前についていた時は、全般的に内面を見つめるリリックが多く、自分に自信も余裕もなかったことが伺えます。
最近の陽だまりのような温かい曲が好きな人もいれば、こちらの畳みかけるような内省的な曲が好きな人もいますね。どちらも聞いた人を後押ししてくれます。
ZORNのおすすめ曲②葛飾ラップソディー
こちらは5枚目のアルバム「The Down Town」に収録されています。昔ながらで変わらない下町への愛情を、WEEDYと一緒に歌っています。
当然のことながらロケは葛飾区で行われているので、聴きながら同じ場所を歩いてみるのもいいでしょう。
ZORNのおすすめ曲③Make Some Noise
この曲」はKEN THE 390のアルバムに収録されています。NORIKIYOと共に参加し、原発再開や武器の製造販売など、暴走する政治へのアンチテーゼを訴えています。
声を上げなければ只のマリオネット、というリリックが心に刺さります。
ZORNのおすすめ曲④柴又の夕焼け
こちらは2017年に発売された「Anthology – Selected & Mixed by DJ TATSUKI」に収録されている曲です。
「葛飾ラップソディー」と同じく地元愛と、日常の小さな幸せが財産や地位や名誉よりも大切、と歌っています。
聴く人によって刺さるリリックは違いますが、明日もまた頑張ろう、と力を貰っています。
ZORNのおすすめ曲⑤かんおけ
これは2017年9月に発売された「柴又日記」に収録されています。祖母らしき女性の最期から葬儀を通して、人生は連綿と続いていく、それを大切にしようと綴っています。
それにしても全編にわたっての、意味の通った韻の踏み方は凄まじいです。
ZORNのおすすめ曲⑥WALK THIS WAY
こちらは2018年に発表されました。『おにぎりはシーチキン』など、すぐ隣にある日常を積み重ねた歌詞で、自分の進む道を鮮明に描いています。
これほど判りやすい言葉を使いながら、独自の世界を作り上げられるのは、今のラップ界では唯一無二といってもいいでしょう。
ZORNのおすすめ曲⑦Letter
ZORNの優しさが特に際立っているこの曲は、2人の娘さんたちに宛てた曲です。出会った日からだんだん距離が近づいていく様子を丁寧に歌っています。
2人をとても大事に思っていること、将来巣立っていくまでは自分が守ることなどをやさしい目線で歌っています。お子さんがいらっしゃる方は、聞くと泣いてしまうかもしれませんね。
世の中のお父さんがみんなこう在れれば素敵ですね。
ZORNのおすすめ曲⑧雨、花、絵描き。
この曲はZONE THE DARKNESS時代の曲です。こうして聞き比べると、以前の曲は疾走感と焦燥感が際立っていますね。ストーリー性が強く、世界観が1本の映画のような作品です。
一番大切な人の為に、と考えた行為が結局は相手を遠ざけてしまうのはよくあること。それを乗り越えられるかどうかは自分次第です。
ZORNのおすすめ曲⑨Dark Side
こちらもZONE THE DARKNESSの時代の曲で、アルバム「Dark Side」に収録されています。漢との早口での畳みかけるような掛け合いは必聴です。
まるで自分の内面を覗き込んで、そこに落ちないように踏ん張っているようなリリックは何度も聞きこみたいですね。