バリゾーゴンとは?福島女性教員宅便槽内怪死事件がモデル!
「バリゾーゴン」とは渡辺文樹監督によって1994年に撮られた映画です。原発問題を取り上げた作品で『原発のある村。女教員は便槽の若い青年の腐乱死体を愛していた』というキャッチコピーと共に発表されました。
刺激的なポスターと見る人を煽るようなキャッチフレーズだったため、反原発の映画とは思わずに勘違いして見に行った人も大勢おり、上映後には怒り出す人もいました。また「バリゾーゴン」は実際の事件をモデルにしたドキュメンタリー映画ですが、事実とはかけ離れた内容で、批判の声もあります。
バリゾーゴンの概要と反響
本来とはずれた方向へ期待を煽り、実際に見た後は茫然としたり混乱して怒らせることもある「バリゾーゴン」ですが、どんな内容で、反響はどうだったのでしょうか。
バリゾーゴンのあらすじは一言でまとめきれない
原発のある村で、小学校の女性教諭の自宅便槽から青年の遺体が発見されました。当初事故として処理されましたが納得できない遺族から依頼された監督が調べると、複雑な背景が明らかになっていく、という話です。
背景には原発で頻繁に発生する事故、それによる操業停止や、村長選挙に絡んだ金銭の授受、さらには遺体発見の女性への嫌がらせ電話の存在など、とても複雑でした。
警察での再調査も却下され、実際のところ何が本当で原因は何なのか、今でもはっきりしていないのです。
監督は福島県出身の渡辺文樹
渡辺文樹監督は、1953年に福島県いわき市で生まれました。福島大学教育学部を卒業しましたが、学生時代から自主製作で映画を撮り始めています。
デビュー作は「家庭教師」という複雑な家庭環境を扱っていましたが、それ以外は社会派の作品を多く扱っています。
「バリゾーゴン」での反原発問題以外にも、爆弾事件や飛行機墜落事故なども取り上げています。
バリゾーゴンのモデルは福島女性教員宅便槽内死事件
「バリゾーゴン」のモデルとなった事件があります。福島県で1989年2月28日におきた、女性教諭宅の便槽内から若い男性の遺体が発見されたもので、数々の謎があったにもかかわらず未解決事件となっています。
また単なる怪死事件というだけでなく、背景には原発での故障と操業停止、村長選挙に絡んだお金のやり取り、女性への嫌がらせ電話など複雑に絡み合った事情がありました。
センセーショナルな事件として有名ですが、実際のところは何もわかっていないのです。
バリゾーゴンは「金返せ!」という声まで出た問題作
原発問題にからんだドキュメンタリー映画に分類される「バリゾーゴン」ですが、『女性教師は便槽内にある腐乱死体を溺愛していた』というミスリードがされていたため、上映後には罵声が飛んでいました。
見た人の中には、いつ死体を溺愛する場面が来るのか待っていたら監督のインタビューや再現ドラマが始まり、気が付いたら映画が終わっていた、呆気にとられた後,怒りが込み上げてきた、という人もいました。
実際に公開されたとある公民館では、上映後に「金返せ!」「監督出てこい!」などの罵声が飛び交い、返金要求の訴訟が起こされた地域もありました。
実際、チケットを1枚購入すると2枚渡された人もいたようで、1人でも多くの人に見てもらいたかったのでしょう。気持ちはわかりますが、逆効果にしかなっていませんね。