ZORN (ゾーン)ってどんな人物?元不良の人気日本語ラッパー!
ラップが好きな人にとってはとても有名なZORN(以下、敬称略)ですが、そうでない人にとってはいったい誰?そもそも名前どう読むの?ではないでしょうか。
ラッパーのZORN(ゾーン)は東京都小岩の出身です。若いころは不良少年で少年院にも入ったことがありますが、現在では温かみのある等身大のリリックを紡いでいます。
またファッションセンスも良く髪型もお洒落なので、何度も雑誌にスナップされています。まずはその気になるプロフィールを見ていきましょう。
ZORNのプロフィールと生い立ちを紹介!
元・不良で現在では大人気のラッパー、ZORNですが、悪かった少年時代からどう変化して日常生活に根差したリリックが生まれるようになったのでしょう。
ZORNのプロフィール
ZORNは1989年2月15日生まれ、東京出身です。身長170センチほどのすらっとした体形で整った顔立ち、両腕にタトゥーが入っていますが、誰でも真似出来そうなファッションです。
ZORNの生い立ち①東京都江戸川区小岩生まれ
新小岩というのは江戸川を渡ればすぐ千葉、という立地で、未だに夜になると暴走族が走ってきたりする土地柄です。
また駅前には飲み屋や風俗店も多く、だからというわけではありませんが、治安はあまりよくありません。実際、夜の女性の一人歩きはお勧めできない通りなどもあります。
都内の住みたくないランキングでは上位に入ることも多く、ある程度の覚悟が必要ですが、それさえあれば家賃や物価も安く、住めば都かもしれません。
ZORNの生い立ち②15~16歳でラップを始めた
ZORNがラップを始めたのは15~16歳ごろです。中学卒業後、メディア系の高校に進学しHIPHOPやダンスなどを学んでいました。
ですが徐々に学校でのラップはつまらないと感じはじめ、辞めてしまいました。学校でのラップだと、刺激的な表現には限度がありますからね。この頃は強い言葉を多く使っていました。
ZORNの生い立ち③3度の少年院入院の経験がある
育った環境も影響があったのか、高校を辞めた後はいろいろと悪さをして、少年院に3度、入りました。後にはZORN自身が「オレオレ詐欺などで逮捕された」と語っています。
少年院の作文で最優秀賞
少年院では反省や教育のために作文を書きますが、すでに文章力には光るものがありました。「Backbone」という曲には院内での作文コンクールで最優秀だったというリリックも出てきます。
学校でいくら習ったとしても、言葉を選ぶセンスはそう簡単には身に付きません。何かしら、言葉に対する感性が鋭かったのでしょう。
ラッパーは悪そうなイメージがありますが、ここでもそれを裏切りません。T-PABLOWや弟のYZERRなど、続々と名前が挙がってきます。
また大人になって逮捕された人も多数いるので、少年院で済めばいいか、という気持ちにさえなります。双子の弟、YZERRの記事はこちらです。
大人になってから逮捕されたラッパーも枚挙にいとまがありません。少し挙げるだけでもSIMON JAP・詩音・DOGMAなど、次々と出てきます。暴力事件を起こしたり、大麻所持などが多いです。
中には般若のように家族思いで薬物が大嫌いなラッパーもいるので、一纏めでくくってはいけませんね。
同じ昭和レコード所属のSINGO★西成も薬物とは無縁なので、般若が選んで誘っているのでしょう。
不良から人気ラッパーに上り詰めたZORNの軌跡!
不良で素行が悪く、少年院にも入っていたZORNですが、退院してからはラップを本格的に始めます。ここでは人気ラッパーになるまでの道のりを追いましょう。
2014年から「ZORN」として活動
最初は地元・小岩で「ZONE THE DARKNESS」として活動をはじめ、2014年、誘われて昭和レコードに所属しました。その後、名前を「ZORN」と改めています。
改名した理由ははっきりしませんが、結婚して子供が出来たのでDARKNESSをとった、というのが真相らしいです。家族のために、とは優しい性格ですね。
またZONE THE DARKNESS及び、ZORN名義で今までに、7枚のアルバムをリリースしています。
「サードチルドレン」と「The DownTown」で一気に人気に!
ZORNの名前を一躍有名にしたのが、「サードチルドレン」という4枚目のアルバムと、その次に出した5枚目のアルバム「The Down Town」です。
「サードチルドレン」は昭和レコードに所属して最初に発表したアルバムです。監修したのは昭和レコードにZORNを誘った先輩ラッパーの般若です。
「サードチルドレン」収録曲「2 Da future」
切ないリリックと泣きだしそうにも聞こえる声が耳に残りますね。少年の未来への漠然とした不安と焦燥感、大人の社会への反発、何が正解かもわからない苛立ちを歌っています。
歌詞にもある「15の夜」が、少し尾崎豊を連想させます。
「サードチルドレン」収録曲「Life goes on」
この曲はSAYがヴォーカルで参加しています。タイトルの「Life goes on」からもわかる通り、人生はどんなことがあっても続いていく、と歌っています。
周りがあきらめても壁にぶつかっても自分は諦めない、これでやっていくんだという、ZORNのこれからの決意表明ともとれる内容です。
ラッパーと塗装工、どちらもやり続けることを決めた頃なので、一層重みがありますね。
ZORNのクールな楽曲!おすすめの10選を紹介!
ℤORNの代表曲、2曲を見てもらいましたが、他にはどんな曲があるのでしょう。お勧めの10曲をチョイスしたのでぜひ聞いてみてください。
ZORNのおすすめ曲①奮エテ眠レ
この曲はZONE THE DARKNESS時代の曲です。自分にはラップしかないとそれにかける情熱、なのに認められない現実、わかりやすい言葉を使いながらもキラッと光るものを感じます。
DARKNESSが名前についていた時は、全般的に内面を見つめるリリックが多く、自分に自信も余裕もなかったことが伺えます。
最近の陽だまりのような温かい曲が好きな人もいれば、こちらの畳みかけるような内省的な曲が好きな人もいますね。どちらも聞いた人を後押ししてくれます。
ZORNのおすすめ曲②葛飾ラップソディー
こちらは5枚目のアルバム「The Down Town」に収録されています。昔ながらで変わらない下町への愛情を、WEEDYと一緒に歌っています。
当然のことながらロケは葛飾区で行われているので、聴きながら同じ場所を歩いてみるのもいいでしょう。
ZORNのおすすめ曲③Make Some Noise
この曲」はKEN THE 390のアルバムに収録されています。NORIKIYOと共に参加し、原発再開や武器の製造販売など、暴走する政治へのアンチテーゼを訴えています。
声を上げなければ只のマリオネット、というリリックが心に刺さります。
ZORNのおすすめ曲④柴又の夕焼け
こちらは2017年に発売された「Anthology – Selected & Mixed by DJ TATSUKI」に収録されている曲です。
「葛飾ラップソディー」と同じく地元愛と、日常の小さな幸せが財産や地位や名誉よりも大切、と歌っています。
聴く人によって刺さるリリックは違いますが、明日もまた頑張ろう、と力を貰っています。
ZORNのおすすめ曲⑤かんおけ
これは2017年9月に発売された「柴又日記」に収録されています。祖母らしき女性の最期から葬儀を通して、人生は連綿と続いていく、それを大切にしようと綴っています。
それにしても全編にわたっての、意味の通った韻の踏み方は凄まじいです。
ZORNのおすすめ曲⑥WALK THIS WAY
こちらは2018年に発表されました。『おにぎりはシーチキン』など、すぐ隣にある日常を積み重ねた歌詞で、自分の進む道を鮮明に描いています。
これほど判りやすい言葉を使いながら、独自の世界を作り上げられるのは、今のラップ界では唯一無二といってもいいでしょう。
ZORNのおすすめ曲⑦Letter
ZORNの優しさが特に際立っているこの曲は、2人の娘さんたちに宛てた曲です。出会った日からだんだん距離が近づいていく様子を丁寧に歌っています。
2人をとても大事に思っていること、将来巣立っていくまでは自分が守ることなどをやさしい目線で歌っています。お子さんがいらっしゃる方は、聞くと泣いてしまうかもしれませんね。
世の中のお父さんがみんなこう在れれば素敵ですね。
ZORNのおすすめ曲⑧雨、花、絵描き。
この曲はZONE THE DARKNESS時代の曲です。こうして聞き比べると、以前の曲は疾走感と焦燥感が際立っていますね。ストーリー性が強く、世界観が1本の映画のような作品です。
一番大切な人の為に、と考えた行為が結局は相手を遠ざけてしまうのはよくあること。それを乗り越えられるかどうかは自分次第です。
ZORNのおすすめ曲⑨Dark Side
こちらもZONE THE DARKNESSの時代の曲で、アルバム「Dark Side」に収録されています。漢との早口での畳みかけるような掛け合いは必聴です。
まるで自分の内面を覗き込んで、そこに落ちないように踏ん張っているようなリリックは何度も聞きこみたいですね。
ZORNのおすすめ曲⑩All My Homies
これはZORN8枚目のアルバム「LOVE」に収録されている曲です。自身の半生を振り返りながら、それでも今も地元が好きでこれからもここでやっていく、という日常を歌っています。
また昔の仲間に「ライブをやるから集まろう、場所は成人式のところ」と語りかけるセンスは秀逸です。
ZORN以外にも、地元愛にあふれたリリックを書くラッパーはいます。レペゼン大阪のSHINGO☆西成の記事はこちらです。
ZORNの音楽が支持される理由とは?
YouTubeでの再生回数が200万回を超えるなど、ラップ好きの人たち以外からも支持されているZORNですが、その理由はどこにあるのでしょう。
ZORNはラッパーの中では異色の存在!
ラップバトルでは相手をディスることも多く、会場は一種触発の状態になることも多いのですが、発表されている音源を聞く限り、現在はそんな雰囲気は感じません。
また、非日常を題材にするラッパーが多い中、ZORNは身近な日常の風景を細やかに描写しています。親近感を抱かせるこのリリックが、ZORNを異色の存在としています。
ZORNはMCバトル「THE罵倒」で3連覇していた!
今でこそ平凡な毎日の幸せを描写することが多いZORNですが、ZONE THE DARKNESSと名乗っていた時には、あちこちのMCバトルにも参戦していました。
当時はラップも尖った内容が多く、バトルでもバチバチにやりあっていました。
「ZONE THE DARKNESS」時代に数々のMCバトルに参戦
「REPRESENT MC BATTLE2007」というフリースタイルバトルでは、当時フリーダンジョンで2代目モンスターと呼ばれていた輪入道と対決しています。
この時は惜しくも準決勝で敗退しましたが、それ以外のバトルでもレペゼン大阪のコペルとも対戦しています。
こうして各地の強豪と対戦することで、スキルを磨いていったのです。
東京の下町エリアで開催される「THE罵倒」でも3連覇!
「THE 罵倒」という東京の下町で開催されるバトルでは、黎明期に3連覇を成し遂げています。先ほど登場した輪入道も、このバトルで度々優勝しています。