このように多数の民族との間での問題を起こしているフラニ族ですが、なぜナイジェリア政府はこの問題を解決しようとしないのでしょうか?
ナイジェリアの大統領がフラニ族の出身である
ナイジェリアの大統領であるムハンマド・ブハリ大統領は、フラニ族出身のイスラム教徒です。
大統領は治安は良くなっていると主張している
これまで、ブハリ大統領はフラニ族による襲撃事件を放置してきたと批判されていますが、「現政権が治安の分野で顕著な成功を収めている」と主張しています。
フラニ族による紛争は今後も続く見通し
そのため解決の糸口は見えず、実際は虐殺は繰り返されているため、今後も紛争は続いていくものと見られています。
フラニ族は凶暴で好戦的なの?
ここまでで、フラニ族が乱暴だというイメージを持つ人は少なくはないでしょう。では実際はどんな民族なのでしょうか?
話し掛けると気さくな面も持っているフラニ族
好戦的かと思えば、彼らは話しかけると案外気さくな面を持っています。ある取材者はフラニ族の女性に写真撮影をお願いすると、好奇心旺盛な彼女らはあっという間に集まってきて取材者を逆に取り囲み、交換条件として身体を触らせてほしいと言ってきたそうです。
フラニ族は別の武装集団が紛れている場合も
ナイジェリアのキリスト教徒に対する襲撃は、フラニ族ばかりではありません。フラニ族を隠れ蓑にし、武装集団「ボコ・ハラム」がキリスト教徒を標的にしていることもあります。また、社会情勢の混乱を招くテロ組織も関与しているとも言われています。このように宗教間の紛争にフラニ族は巻き込まれていることも考えられます。
自分達の土地を守る方法が他にないだけ
フラニ族は土地を所有せず、牛を放牧させることで生活を成り立たせている民族です。干ばつなどの影響や人口増加などで徐々に住む場所を追われています。
フラニ族が凶暴で好んで紛争を起こしているというよりは、政府の対策が不十分であることから、土地を追われ生活に困窮した結果、このような対策を取らざるを得ないのです。
フラニ族による襲撃がなくなる日は来るのか
それぞれの土地で農作物を育てる農民と、土地を所有せず牛を放牧させながら暮らすフラニ族の紛争は、
宗教間の衝突ではなく、お互いが自身の生活を守るために起きているのです。フラニ族が攻撃的な民族だと決めつけ、悪者にするのではなく、彼らの生活を保障する打開策を一刻も早く政府が打つことが必要なのです。
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