スズメダイとは?
名前の由来や特徴
「スズキ目スズキ亜目スズメダイ科スズメダイ属」の魚です。大きさは5cm~15cmほどの大きさです。漢字で書くと「雀鯛」です。名前の由来は小さいこと、やや茶色がかった色であること、丸い小さな目などがスズメに似ているからだといわれています。
体は木の葉のような形をしています。ウロコは厚く、体の大きさに比べて大きいサイズになっています。また、背びれの付け根に白い点があるのが特徴で、この白い点は死ぬとすぐに消えてしまいます。
スズメダイの生態
どんなところにいるの?
生息している場所は、青森県から九州南岸の太平洋沿岸、瀬戸内海、日本海、東シナ海、伊豆・小笠原諸島、琉球列島に分布する生息域の広い魚です。ただし、秋田県や宮城県以北ではあまり見られないようです。水深2~30mの沿岸の岩礁やサンゴ礁域を群れを作って泳いでいます。肉食の魚で、動物性のプランクトンを食べています。
寒さに強い
種類としては約300種いるのですが、この種は最も低温に適応していて、水温8℃に耐えられるといわれています。大抵の魚は海流に乗って北上してきても、そのまま戻れずに死んでしまいますが、この種は低水温に耐えられるので、越冬することができます。
どうやって繁殖している?
繁殖期では雄が岩場のくぼみなどに確保した産卵場に雌が散乱します。また、雄はきれいに清掃したり海水を送ったりして卵の世話をします。さらに卵を狙う外敵から守る習性があり、卵が孵化するまで続けます。
スズメダイの旬
いちばん美味しい時期は?
旬は産卵前の春から初夏にかけてが旬となります。産卵前に脂肪をためるので、脂乗りがよく味が最も良くなります。産卵を終えた夏場以降は脂が落ちて味が落ちるのです。釣れる時期は4月から11月によく釣れます。
スズメダイの釣り場
どこで釣れる?
堤防や磯釣りです。各地の漁港、海釣り公園、海岸などで釣れています。例えば東京近郊であれば、横浜フィッシングピアーズ本牧海釣り施設、横須賀市営海辺つり公園、三崎港、市原市海釣り施設などです。
スズメダイの釣り方
この魚を狙って釣ることはあまりないと思います。どちらかというと、サビキ釣りでアジやイワシなどの本命の魚を狙っていて釣れるということが多い魚です。狙って釣りをする時はサビキ釣りで大丈夫です。
サビキ釣りとは?
エサに似せた疑似餌針がいくつも付いた仕掛けと、エビに似た「アミエビ」というエサを詰めたカゴのついた仕掛けを使って魚を釣る釣り方です。海へ投入すると海中でエサが拡散して魚が集まってきてエサと間違って針に食いつく仕組みです。他の釣り方に比べると簡単で、初心者でも手軽に釣りが楽しめます。
サビキ釣りのタックルと仕掛け
リール付きの竿なら何でもよいですが、3m前後の波止竿が扱いやすいです。仕掛けは様々な種類があり、釣り場によって異なるので近くの釣具屋さんに聞いてみると良いでしょう。撒き餌のアミエビは釣具店のエサコーナーに行けば冷凍のものやチューブタイプのものなどいろいろあります。使いやすいものを選ぶと良いでしょう。
サビキ釣りのコツ
仕掛けを底まで落としてから竿を上下に動かして撒き餌を出しながら誘いアタリを待ちます。約50cm位の一定間隔で仕掛けを止めて、その日の魚がどのタナ(水深)にいるかを探るのがポイントです。また、釣れた魚を取り込む時に撒き餌を1杯海に入れると魚の群があまり移動しなくなります。
スズメダイは外道の定番
嫌われ者の代表格
この魚はどちらかというと、他の本命の魚を狙っていて釣れるということが多い魚です。本命が釣れずに、この魚ばっかり釣れるなんてことも。そのために「外道」「エサ取り」「雑魚」などといわれる嫌われ者で、釣ってすぐに海に帰されるなんていう魚です。持ち帰って食べようと思う人はほとんどいません。
なぜスズメダイは食べられないのか?
この魚があまり食べられないのはなぜなのでしょうか?確かに小さな魚ではあります。ですが、他にも小さな魚はたくさんいますし、食べられていることも多いはずです。その理由はいったい何なのでしょうか?
食べにくい魚である
一番の理由として食べにくい魚であるということです。一緒に釣った魚と同じように調理したものの、骨が硬くて食べられなかったという話があるくらいです。また、骨だけでなくウロコも硬くて全体的に硬い魚だからともいわれています。
食べた人が死んでしまった?
和歌山県の昔話でこの魚を食べた村人が多くの小骨をのどに刺さらせて死んでしまったなどという話があります。その村人の名前がお仙(おせん)だったことから「オセンゴロシ」というようになり、今でも関西圏ではオセンというようです。
スズメダイを食べる地域
食べる地域は少ない
食べられることがほとんどないとはいえ、全く食べられていないわけではありません。食べている地域はとても限られていますが間違いなくあります。一般に流通している地域は福岡と大阪で、その他の地域ではこの魚を食べるというのはあまりないようです。
福岡では郷土料理にもなっている
特に福岡では「あぶってかも」という干物の郷土料理があります。また、旬の時期では高級料亭で出されるほどの高級魚となっています。しかし、そんな福岡でも狙って獲っているのではなく、定置網漁などで他の魚に混じって捕まったものが多いようです。
大阪では韓国系の人が食べている
主に韓国系の人々が好んで食べるようです。その理由は韓国では普通によく食べる魚だからです。そのため大阪では韓国系の人達が多く住んでいるので、母国料理として消費されているのが実情のようです。