この魚は食べることができる身の部分が少ないですが、脂が強くて濃厚な旨みがあります。他の魚と同じように煮て良し、焼いて良し、刺身でも良しと、いろいろな食べ方が楽しめます。食材としての知名度の低さもあり、捌き方や食べ方、どんな料理があるかも知られていませんが、食べるととても美味しい魚であることは間違いありません。
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スズメダイの食べ方
レシピは少ないけどちゃんとあります
この魚の料理方法を調べてみると、クックパッドなどの料理レシピのサイトでもわずか数品しか載っていません。しかし他の魚と同じように、刺身、煮る、焼くなどちゃんと料理方法はあります。いくつかの料理を紹介します。
捌き方
捌く時は、全てのヒレを切ってからウロコを落としたあとに頭とお腹をの部分を落とします。先にヒレを切るのは、鋭いヒレで手をケガすることを防ぐためです。この魚は骨もヒレもウロコも硬いので捌く時はケガをしないようにしましょう。
スズメダイの代表的な食べ方「あぶってかも」
シンプルだけど美味しい
福岡の郷土料理「あぶってかも」。旬の脂ののったスズメダイを洗い、塩を振って丸ごと焼くだけのシンプルな料理です。少し強めに塩を振って冷蔵庫で1~2日寝かせておくと良いです。また、半日ほど天日干しすると余分な水分が抜けて旨みが凝縮されます。
名前の由来は、焼くと鴨の味がするので「あぶって鴨」の意味だといわれています。また他にも「炙って噛も」との意味もあるそうです。「あぶってかも」は高級料亭でも出されることから、食通に愛されるほどの料理です。
スズメダイの煮付け
魚料理の定番
魚料理の定番である煮付けにします。特に旬を過ぎてしまったものは煮付けにすると美味しいです。白身で旨みがあり、ほどよく繊維質でしっとりしています。ただし、小骨が堅いので食べるときに気をつけましょう。
スズメダイのせごし
新鮮ならやっぱり生で食べたい
鮮度が良いものであれば、脂がのっていて生でも食べられます。普通の刺身みたいに切るのではなく「せごし」にするのがおすすめです。「せごし」とは中骨を切るように包丁を入れる切り方です。ようするに薄いぶつ切りのこと。皮と中骨ごと2mm~3mmの厚さで薄く輪切りにする感じです。こうすることで小骨もそのまま食べることができます。
スズメダイのチャリフェ
韓国では定番の家庭料理
韓国では「チャリフェ」で食べるのが有名です。大阪の韓国系の人もそうして食べています。簡単に言うとせごしに唐辛子に酢味噌を和えたひと手間かけて味付けをした料理です。一晩寝かせるといっそう美味しくなるそうです。
スズメダイの唐揚げ
お手軽に食べるなら
手軽に作れる唐揚げですが丸揚げにすると硬いヒレで食べにくいので、捌いてから揚げます。小さいものならば開きにするだけでよいですが、大きいものは開いて中骨を取ったり三枚に下ろした方が食感が良くなります。
スズメダイの南蛮漬け
さっぱりと食べられる
他の魚と同じように南蛮漬けにすることもできます。捌いて開きや三枚おろしにしたものや、丸ごと素揚げ、もしくは素焼きにしてたまねぎ、にんじん、ピーマンなどの野菜と砂糖、醤油、酢などの合わせ調味液に漬け込みます。やはり食べるときは小骨に注意が必要です。
スズメダイの料理方法はまだまだある
料理方法は先程紹介したものだけでなく、まだまだあります。例えば、アラ汁や雑魚鍋にすると旨みがたくさん出て美味しいです。他にもマリネやオリーブ煮など、ちょっとしたオシャレ料理にもなります。工夫することでいろいろな料理を楽しめます。
まとめ
スズメダイは釣ってすぐ海に帰されることが多いので、あまり食べられることのない魚ですが、食べてみると以外と美味しいということを紹介しました。体が小さくて料理するのに手間がかかるのと、食べるときの骨の硬さが厄介な魚なので敬遠されていたのでしょう。
ここで紹介した料理方法でいくらでも美味しく食べることができる魚です。特に旬の時期には高級魚といわれるくらい脂がのってとても美味しいです。いままで釣っても持ち帰ったことがないというのであれば、すごくもったいないです。一度持ち帰って食べてみてはいかがでしょうか?