金木研とは?
その世界には、ヒトを食料とし狩る者が存在しています。“喰種”はヒトと敵対する存在として扱われ、駆逐の対象となっているのです。
東京の“20区”と呼ばれる地域は、その中では比較的平和な地域なのですが、ここに住む“金木研”という平凡な大学生が喰種に関わるようになり、世界の深淵を覗いてくストーリーが幕を開けます。
我々の世界では、人を食べるヒトの事を「カニバリズム」と呼びます。カニバリズムについての詳細は、こちらの記事でご覧いただけます。
『東京喰種』に登場する悲劇の主人公
金木研は、“もやしっ子の文学青年”という表現が似合う、読書好きの平凡な男の子でした。ある事件を境に、今までの人生からは考えられない程に、人生のどん底へと落ちていきます。
苦悩し、絶望し、得ては失っていく…平凡な金木研を主人公にした物語があるとすれば、まさにそんな『悲劇』の物語だったのです。
彼の身体は、ヒトを喰わねば生きていけない『喰種』へと変貌します。苦悩しながら成長してく姿が読者の心を打つ、人気のキャラクターとなります。
ヒトと喰種を繋ぐ架け橋として活躍した
喰種の生活を余儀なくされた彼は、世界に自分の居場所は無いのだと絶望します。しかし人間の感性を持ちながら、喰種の特性を背負った彼は、この二つの世界の両方に属す事の出来る存在でもあったのです。
復讐の螺旋が絡まり、相容ることが困難な二つの世界の架け橋として、困難に立ち向かいます。
作中では性格と容姿の変化が激しい
金木研の成長の過程では、性格と容姿の変化が顕著に現れます。「大切な人を守りたい」その一心で、彼は必要な力を身に着けていきますが、周りの人と心の距離を置いて、一人で奔走します。
黒かった髪型が極度のストレスで真っ白になったり、『東京喰種:re』ではマーブルになるなど、彼の内面を表すかの様に、髪型も変容します。
共喰いの結果、赫者の性質が赫子に現れるなど、元の金木研の姿形から遠ざかっていく様子も、見どころと言えます。
金木研の生い立ちや性格は?
金木研が窮地に陥った時、彼の中で起きている葛藤を描写したシーンが多く描かれます。回想にも現れる、彼に大きな影響を与えた出来事に迫ります。
幼少期に母親を過労で亡くす
父親は記憶もない頃に亡くなり、彼の回想には幼い頃に亡くなった母のみが登場します。自身の姉による金の無心に応えるべく働き、過労で倒れた事が死の理由となりました。
「傷つけるより、傷つけられる人になってほしい」そう金木研に教えた母は、周りの人の為に自分の息子を置いて死んでしまったのです。
母は正しいと思って生きてきましたが、置いていかれたという悲しみは、子どもの心には大きな燻りとなり残り続けたのでしょう。
孤独な金木研の心の支えになったのが親友の永近英良
父の思い出と言えば、父が遺した本だけでした。金木研は幼少期から大人しい文学少年で、周りの子どもとなかなか馴染めずにいました。
小学校の頃に引っ越してきた永近英良、通称“ヒデ”は、幼いころから機転が利き、孤独な金木研に寄り添い、大学生までの長い時間を共にしてきました。
『あんていく』でリゼと出会った事を契機に喰種になる
20区にある喫茶店『あんていく』に通い、そこの常連客である神代リゼに好意を寄せますが、彼女は実は喰種でした。襲われ命尽きるかと思われた時、上から降ってきた鉄骨により彼女はつぶされ、2人は病院へ運ばれます。
“腎臓が損傷している”とリゼの臓器を移植しますが、目が覚めた彼は“半喰種”へと変貌していました。
金木研の性格の変化
彼は喰種として生きる為に、ヒトへ扮装するノウハウや、戦い方を学んでいきます。大切な人を失う悲しみは、ヒトも喰種も同じだと知り、精神的にも喰種に寄り添い始めます。
大切なモノを守る為には喰種の力が不可欠だと実感し、進んで赫子を用いる様になりますが、制御困難な力に、彼は内面から崩壊していきます。
金木研の赫子は何?特徴は?
喰種が持つ赫子には、4つの種類があります。『羽赫』『甲赫』『鱗赫』『尾赫』はそれぞれに質が異なり、個体を判別する時や、戦闘の相性など重要なポイントの一つです。
リゼと同様の「鱗赫」を所有
“臓器移植”と称した手術で、実はリゼの赫包を金木研に移植するという実験が行われました。金木研はリゼと同様の「鱗赫」の赫子を所有者です。
鱗赫は、表面が鱗状で“一撃力”が強い性質を持ちます。また再生が早いのですが、それと同時に脆さも有するタイプの赫子だと言えます。
「半赫者」となりムカデの様な形の赫子を形成
「共喰いは喰種の血が強める」という、噂話が囁かれました。喰種の肉は不味い為、実行する人はなかなかいませんが、共喰いにより通常とは異なる赫子が出現し、『赫者』へと姿を変えます。