アオギリの樹に捕まった金木研を救出する為にアジトへ向かい、合流に成功します。白カネキへと覚醒した金木研は、「やりたい事がある」とあんていくを離れる決意を表明します。
「私も…」と言うトーカの言葉を遮り、現在の安定した生活を続けるよう促します。「危険な事に巻き込みたくない」という思いでの行動でしたが、トーカは金木研に置いていかれた様な感覚に憤りを感じます。
喫茶店『:re』で再会する
『梟討伐作戦』の後、記憶を失った金木研は消息不明となります。あんていくという安息の場が無くなりましたが、トーカは叔父の四方(ヨモ)と一緒に、『:re』という喫茶店を開きました。
「金木研の帰れる場所となるように…」そんな健気な思いで始めた喫茶店に、記憶をなくした佐々木琲世が訪れます。芳村の味を受け継いだ珈琲を口にし、琲世は涙を流しました。
トーカが金木研に思いを寄せていたことが判明
ヒナミを救出しトーカたちの元へ帰った金木研を、彼らは仲間として迎えます。喫茶店で金木研と二人きりになり、トーカは「アンタ童貞?」と爆弾を投下しました。
トーカは、「金木研が消えてしまわない方法をいつも考えてる」と言います。そして琲世がトーカを見る目が、あんていくで金木研がリゼを見ていた時の目をしていたと指摘し、それが嬉しかったと告白、夜を共にしました。
トーカと結婚して子供を授かる
想いを通い合わせた2人は、黒山羊のアジトで民族衣装を身に纏い、結婚式を挙げます。同時期に発覚したトーカの妊娠もあり、金木研は“生きたい”理由、“生きなければならない”理由を手にしたのです。
喰種とヒトの子が生まれる可能性は極めて低く、作中で前例として登場するのはエトだけです。母が喰種の場合は、赤ちゃんを栄養だと判断し吸収してしまい、母がヒトの場合は、喰種に必要な栄養を摂取できずに胎内で死んでしまう為です。
ヒトに必要な栄養を摂取する為、トーカはヒトの食べ物を摂取します。これは喰種にとっては体調不良を起こす原因にもなり、決して簡単な事ではありませんが、2人の子を育てる為、必死に食事を口にしました。
子供の名前は「一花」
物語の終わりには、6歳になる2人の娘が登場します。「一花(イチカ)」は天然の半喰種ですが、人間の食事をとることが可能で、元気で人懐っこく、叔父の四方やアヤトを始め、多くの人に可愛がられました。
髪型が白と黒のマーブルで、琲世を連想させる見た目が可愛らしい女の子です。
世界はヒトと喰種が共生できるよう、喰種の食べ物が開発されたり、CCGが名前を変えたりと、新しい社会が確立されつつあります。
残された卵管から産み落とされる『竜遺児』などの問題は残りますが、この新しい世界で、一花など半喰種の子を始め、ヒトの子も喰種の子も、希望を持って育っていく事が出来る世界となったのではないでしょうか。
Contents
金木研の名言をご紹介!
『無印』と『:re』を合わせて30巻に及んだ長い物語で、金木研の紆余曲折を表現した数々の名言が登場します。言葉の背景により、言葉の意味合いに変化がみられるのも、面白いポイントだといえるでしょう。
「何も出来ないのはもう嫌なんだ。」
最後にヒデに「お気に入りか」と突っ込まれるほど、作中で度々登場する言葉です。ヒナミの母親が殺される場面を目の当たりにし、自分の無力さを痛感した時に、初めてこの気持ちが芽生えました。
大事な局面では、この気持ちがいつも金木研を突き動かす“原動力”となっていました。
「…僕は…孤独だ…っ」
半喰種になった金木研が、自分には居場所が無いと嘆き、芳村へ吐いた弱音。芳村から「2つの世界に居場所を持てる、唯一の存在だ」と諭され、前を向いて歩き始めます。
実験体となった亜門と滝澤も、ヒトの世界に居場所を無くし、喰種としても生きる事も受け入れ難く、始めは孤独に苛まれたと描かれています。
嘉納から逃げ出した亜門は、共喰いを繰り返し力をつけていき、髪型など見た目に大きな変化は見られませんでした。反対に瀧澤は、嘉納のもとで拷問され覚醒後の金木研と同様に、髪型が真っ白に変化しています。
「……僕を…人殺しにしないでくれ」
金木研が初めて亜門と対立し、亜門の肉を喰らい赫子と食欲が暴走し始めた時に、亜門に逃げるよう促しました。金木研との出会いにより、「この世界を歪めている存在とは?」と疑問が芽生えます。
金木研と亜門は、喰種と捜査官という関係でありながら、お互いを知りたいと“対話”が出来る特別な存在となります。半喰種の亜門が暴走した時、「彼から会話を奪うなんて」と金木研は、嘉納に対する怒りに震えます。
『:re』に出てくる亜門・滝澤は、登場時から半赫者化する様子が見られました。意にそぐわない食事に苦しみ、飢えを凌ぐため、それぞれの目的を達成する力を得るために、赫者の能力を求めた様子が伺えます。
「この世界は間違っている。歪めているのは――」
それぞれに考えを持ち、結論付けられているこの言葉。アオギリとの戦闘が終結し、金木研が出した結論は「この世界に存在するものすべてだ」。
亜門は、金木研と最初に対立した時には「喰種だ」と結論を出しており、喰種捜査官に携わるヒトは、多かれ少なかれこの考えを持っていたでしょう。
それに反して、喰種とCCGが共同戦線を張る決定はスムーズに進みました。金木研を始め、Q’sや半喰種となった人々の存在が、CCGが喰種を容認する一つの作用として働いたと、考えられるかもしれません。
「この世のすべての不利益は当人の能力不足」
嘉納の地下のラボでCCG・篠原と交戦した際に、自分自身に向けた台詞。今までに自分の仲間が死んでしまったのは、自分の非力さ故だと己を責めている事が分かります。
ヤモリが行った金木研の耳にムカデを入れるという拷問は、金木研の中では衝撃的で忘れ難いものだったのでしょう。赫子がムカデを連想させる形となり、篠原が「ムカデの様だ」と言ったことが、喰種・金木研の通称となりました。
この台詞は、:reにも登場します。初代Q’sの一人、不知(シラズ)が殉職した際に、瓜江に向けた言葉でもあります。バケモノから金木研を救出し、瓜江は金木研に「この言葉に大きく影響を受けた」と話しています。
「『ヒト』にはありますか」
『梟討伐作戦』で入見が鉢川と交戦し、一般市民を庇った入見にとどめを刺そうとした時。「地獄で待つわ」と言った入見に対し、「喰種にあの世はねぇ」と返した鉢川。
助けに到着した金木研が、これに対して「ヒトにはあるのか」と哲学的な問いを投げますが、戦いが始まり、答えは聞けませんでした。
「喰われていたのは僕の方だったんだ」
同じく『梟討伐作戦』で、亜門との戦いで相撃ちとなり、地下水路へ身をひそめますが、重症の為に赫子が暴走します。リゼとヤモリの亡霊に責められ、自分が抑え込んだと思っていたはずの“喰種の力”に、挫けそうになります。
「喰種捜査官は…『手足を捥がれても逃げろ』!」
ここから:reに入ります。トルソーを追い詰めたところで、上位レート喰種・オロチの襲撃にあい、無謀にも立ち向かおうとした、クインクスたちに向けて発した言葉です。
これは、上官・真戸暁の父である呉緒の『手足を捥がれても戦え』とは、真逆の教えです。命を軽薄に考えがちなこの仕事で、「生きてさえいれば、チャンスは何度でもある」と教えました。
「きみのように誰かの為に命を懸けてみたい」
金木研がどん底に落ちる時、必ず親友のヒデが金木研を救い上げてくれました。金木研にとってのヒーローのような存在であるヒデの様に、『かっこよく死にたい』と願い、コクリアで有馬と戦います。
この後「生きてほしい」と願うヒデが回想に現れ、金木研自身も「生きたい」と願います。更に覚醒を遂げ、髪型も黒から白へと変容しました。
「勝ってみんなを守りたい。ヒトも“喰種”も!!」
旧多との最終決戦で、金木研の強い願いが赫者としての新たな姿形へと覚醒します。ヒトにも喰種にも、大切な仲間を持つ金木研は、どちらも守りたいと願います。
「この世界は間違ってない。ただそこにあるだけだ」
旧多を打ち破った金木研が出した、「この世界は間違っている」という問題の答え。奪い奪われるこの世界では、誰もが“悲劇”の物語の主人公だと。
その世界で生きる自分たちの選択が、終わることのない復讐の螺旋の世界を作ってきたのです。ヒトを憎み、喰種を憎む世界は、これから新たな選択を持って、姿を変えていくことでしょう。
本編の伏線も!『東京喰種』サイドストーリー
無印、:reという本編の他に、有馬貴将と阿原半兵衛をそれぞれメインとする物語が展開されました。のちの伏線も含まれているなど、見どころの多い作品ともなっています。
東京喰種[JACK]
若かりし頃の有馬と富良太志の出会い、そして『ランタン』と呼ばれる喰種を共に追いかけるという内容。コクリア投獄前のヤモリも登場し、すでに頭角を現しながらもあどけなさの残した有馬を見られるといった、新鮮味のある作品にもなっています。
東京喰種[JOKER]
無印と:re連載開始の間に読み切りとして掲載されたこの物語は、阿原半兵衛、その上官の鈴屋什造が登場します。
臆病な半兵衛と、無印とは打って変わって黒の髪型となり印象が大きく変わった鈴屋。半兵衛の成長も見られつつ、鈴屋が先輩・上司として指導する姿が読者を驚かせました。
東京喰種[PINTO]
こちらは美食家・月山習と堀ちえの出会いが収録されました。グロテスクな表現が少なくないものの、開始早々から、月山の編隊っぷりが炸裂した、笑いなしには見られない作品となっています。
東京喰種[JAIL]
PS vitaのゲームソフトとして発売されたもので、喰種・リオを主人公として、アオギリとCCGの戦闘が終結した場面から、物語がスタートしました。
金木研はリオと共に“ジェイル”という喰種を探すため奔走します。ここで登場するのは覚醒後の白カネキで、途中には半赫者“ムカデ”も登場します。
豪華な特典やリアルなイベントにも注目!
東京喰種と言えば、新しい物が発売されるたびにチェックしたいのが、購入特典です。作者・石田スイ先生が、それぞれに用意される特典に、ファンはコレクター心がくすぐられました。
漫画には書店別の購入特典
漫画発売記念として、一部の書店にて石田スイ先生書下ろしの、イラストカードがついたものが発売されました。しかも取り扱いの書店によって、絵柄が異なるという遊び心溢れる計らいも、読者を楽しませました。
10000名限定の東京喰種トランプ
:re 2巻の発売を記念して、こちらもまた石田スイ先生が書き下ろした56枚のトランプが、10000名限定でプレゼントされる企画がありました。
金木研以外はすべて異なるキャラクターが描かれ、金木研も覚醒前の黒カネキ、覚醒後の白カネキ、そして佐々木琲世の絵柄が用意され、読者はこぞって応募しました。
バイト情報誌とコラボ!喰種捜査官[急募]
専用の履歴書に記入し、採用されると東京喰種:reに登場できるという、読者の奇をてらったこの企画。採用者には、特典として石田スイ先生のサイン入り出力画や、オリジナルIDカードがプレゼントされました。
実際に、:reのオークション戦では、応募者の中から選び抜かれた人々が、作中に登場し話題となりました。
東京喰種cafeではあのメニューが再現された
アニメ等の作品とコラボして開かれる期間限定のcafe。東京喰種とのコラボも無印・:reそれぞれ行われています。このメニューが、東京喰種の世界観をよく表現していると話題になります。
食欲をそそるとは言い難い見た目ですが、その中に本当に“不味い”メニューが混じっています。その名の通り「まずいサンドイッチ」は、自分が喰種だったら?という想定で作られたメニューです。
こちらに限っては本当に不味いようですが、勇気あるチャレンジャー向きのメニューとして人気です。
『東京喰種』はアニメや映画にも!
東京喰種の人気は漫画だけにとどまらず、アニメ化・実写映画化もされています。漫画とは異なる楽しみ方の出来る、アニメ・映画の東京喰種についてご紹介します。
アニメや映画になるほど大人気!
アニメ2期は『√A』と称され、アオギリの樹とCCGの対戦が終わった後、金木研はアオギリの樹へ入るなど、漫画とは異なる展開をしていきます。コクリアの襲撃に金木研も携わることとなり、コクリア内で亜門と2度目の対立、ムカデの様な半赫者へと覚醒します。
実写映画は現在2作目が公開中で、赫子や赫眼、壮絶なバトルシーンがかっこよく表現される等、数々の見どころが盛り込まれています。今作では月山や喰種レストランが登場し、月山ファン必見の作品となっています。
金木研のアニメでの声優は花江夏樹
声優・花江夏樹さんは、2011年にデビューした若手の声優です。2014年には声優アワードで“新人男優賞”を受賞するなど、早い段階で頭角を現しました。
『四月は君の嘘』有馬公正や、『鬼滅の刃』竈門炭治郎といった、様々な作品の主人公役も務めています。
金木研の映画での俳優は窪田正孝
実写映画で金木研役を務める窪田正孝さんは、2015年には“ブレイク俳優”として世間に名を馳せた、有名俳優です。映画やドラマにとどまらず、舞台や大河ドラマなど様々な場所で活躍されています。
甘いマスクでスラリとした出で立ちでありながら、服を脱ぐと鍛えられた身体が。普段から自宅で懸垂を行うといった筋トレをされており、優しそうな顔立ちに鍛えられた身体は、金木研役にピッタリだと言えるのではないあでしょうか。
『東京喰種』完結後も金木研のコスプレは大人気
東京喰種の世界観やキャラクターは、国内外を含むコスプレイヤーにも楽しまれています。喰種コスプレをする為の、衣装やウィッグ、小物などが公式でも販売されました。
金木のマスク・ウィッグが販売
やはり一番人気は、主人公・金木研です。しかし金木研と一言で言えど、作品を通して容姿に大きく変化がみられるので、それぞれのシチュエーションに合わせたコスプレを楽しむことが出来ます。
黒の髪型のタイプ、白の髪型、そして佐々木琲世用のマーブルの髪型の物と、豊富に用意されました。また、金木研のトレードマークと言える眼帯のマスクも、公式から販売されました。
マスクを自作する人も現れる
マスクに関しては、販売店により差異があります。これに満足できないというコアなファンは、なんと自身でマスクを制作しました。
金木研、東京喰種にかける熱い思いが感じられますね。金木研の中でも、ヤモリとの戦闘の後に覚醒した姿である、“白カネキ”のコスプレが1番人気と言えるでしょう。
物語完結後も金木研は大人気!
連載が終了したのちも東京喰種熱は冷めやらず、実写映画やコスプレを通して、ファンたちに楽しまれています。東京喰種に登場するキャラクターは、金木研に始まりどれも個性があり、愛おしさ満点です。
シビアな内容にもとどまらず、笑いあり、涙あり、人生の教科書としての一面も併せ持つこの作品は、これからも読者たちを楽しませ、心に残るものとなるでしょう。
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