感染した当初はわからない場合が多い
感染初期と呼ばれ、かかった直後に症状が現れるわけではないので、象皮病の疑いがあっても外見が変わらないため、気づく人は少ないと言われます。
さすがに蚊に刺された後からすぐに気づく人も少ないでしょう。体の中で、どんどん病が成長し、小さい時に感染したのを成人してからやっと気づく人が多いようです。
象皮病にかかると熱や悪寒、痛みが出る
実際にリンパ管の閉塞、破壊で体内のリンパ系組織に障害が起き、発熱や悪寒、痛みが出始めます。
子供の頃に感染しているので、当の本人は全く覚えがないことも有るようで、いきなりの症状に戸惑う人も大勢いるようです。
事前に体の異変に気づけないのは辛く、発熱や悪寒の後に待っているのがさらなる脅威です。
象皮病にかかった部分は変色し、皮膚が硬化、肥大化する
リンパ浮腫が現れ、皮下組織が増殖を始め象皮症の症状が現れた部分は肌の色が変色し、表面が固くなり、肥大化する性質があります。
異常なほど肥大化するため見た目にも分かりやすく、外観が変わってしまうと精神的にも追い詰められてしまう人も多いようです。
すぐに病院に行く決断ができれば、それに越したことはありません。しかし、遅くなればなるほど外には出られなくなる状況に陥ります。
象皮病で腫れた部位は強烈な悪臭を放つ
特徴の一つとして、最も困るのが、肥大化した部分は特有な匂いを発します。強烈な悪臭を放つため、外に出れなくなってしまう懸念点が拭えません。
勝手な判断で、原因を突き止めてしまうと思わぬ結果に見舞われます。清潔に保たない場合、部分切除の可能性もあるため、早めに医師に診断を求めたほうが良いでしょう。
放っておいたため、切断になった症例もあります。
象皮病の症状は陰茎や乳房、脚や腕などに現れる
主に出やすい箇所は、脚と言われています。しかし、手術や、蚊に刺された部分に寄っては、陰茎、乳房、腕などにも症状は出るようです。
脚や腕などは病院にかかりやすいかもしれませんが、乳房や陰茎などはいつもは人に見せません。病院の受診に躊躇してしまう人もいるでしょう。
見た目がどんどん変わっていく恐怖は、痛みや発熱よりも怖く感じるのではないでしょうか。また、肥大するという点では巨乳症という病気があります。詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
象皮病の海外での症例紹介
象皮病の発症が見られるのは熱帯や亜熱帯の73カ国です。脚や、陰茎、乳房や腕などに症状が現れる病気は、他の各国では現在でも恐れられている病気です。
日本からはだいぶ離れている国ですが、大切な症例を少し紹介しましょう。
海外の象皮病症例紹介①靴を履けない女性
女性にとって靴はとても素敵なファッションの一部です。インドのカシミール地方にソイ・パスリーさんは住むまだ若い女性は生まれたときから、脚がむくんだように腫れていたようです。
取材時の2018年、21歳の彼女の脚は長さ28センチ幅は18センチもある状態だったと言います。アメリカンフットボールがこれくらいの大きさと言われています。
女性なので外見は大切なもの、14歳の時に大きくなった脚を小さく見せようと手術に踏み込みますが、脚の指を切断するという安易な手術でした。
脚の肥大化は止まりましたが、肥大化はふくらはぎまで侵食し、歩行が困難な状態に陥っているそうです。生まれたときから症状があるのであれば、蚊から発生したわけではなさそうです。
海外の象皮病症例紹介②体重500キロの世界で一番重い女性
エジプト人のエマン・アフメド・アブド・エル・アティさんは、世界で最も体重が重いと有名な女性です。一時は、500キロ近くの体重がありました。
体重のせいで20年以上自宅から外に出られない状態だったと言います。エジプトのアレクサンドリアから、インドのムンバイに行き手術を受けることになります。
彼女は太りたくて太ったわけではなく、子供の頃に四肢のなどが象皮病と診断されており、だんだんと体が動かない状況に陥ったそうです。
減量手術を受け、体重が半分になりました。その時の嬉しそうな彼女の写真もニュースで流れました。しかし残念ながら、心不全、腎不全のため2017年9月に亡くなっています。