大矢誠とは?猫を虐待し動画で配信していた犯罪者!
元税理士を勤めていた大矢誠は、自分の起こした行動で世間から一斉に非難を浴びます。彼の行った行動は、猫を虐待し動画を投稿したことでした。この事件の難しい所は、人を殺めていないところにあります。
法律の行き届かない犯罪として、もどかしい思いをした人もたくさんいました。視点を変えれば、確かに結果論としては「人ではない」という言葉で片付けられそうです。
しかし、その残虐性が注目を浴び大矢誠の言動にも問題がありました。現在、カールおじさんと呼ばれた大矢誠はどうなったのか。なぜ、法律が絡むのか、虐待の残酷について少し考えてみましょう。
多くの猫を殺害・虐待していたことで逮捕
逮捕されたきっかけについては、虐待していた猫の動画が決め手となりました。全部で野良猫13匹を虐待したとして「動物愛護法違反」の罪で逮捕されます。
大矢誠は税理士であり匿名サイトで「カールおじさん」と呼ばれ犯行に及んでいました。驚くことに大矢誠には家族もいました。
時は2017年8月27日のことです。発覚した時には9匹が死亡、4匹が渋滞と計13匹が犠牲になった後でした。
裁判の動向が注目された
ニュースでも散々取り上げられた裁判に、世間の注目は集まりました。殺人罪ではなく動物の虐待でどれだけの刑が下されるのかに興味がある人も大勢います。
それだけ動物への虐待になると、重々しくなくなる傾向もあり、前例がそこまで世間に浸透しないのも影響したのでしょう。しかし、動物愛護法違反では実刑が難しいとの声も最初からあがっていました。
虐待が許せない者で判決が下る前に「実刑」を求める署名を集め、裁判所に実に3万7千もの提出をしています。話題になった裁判、東京地裁が下したのは、残念ながら執行猶予が4年つく有罪判決でした。
大矢誠の起こした猫虐待事件はどんな事件だったのか
ここまでで、大体の事件の内容だけは理解頂けたと思います。署名を集めて実刑を求めるほどの残虐性を秘めた事件です。また、大矢誠の職業も税理士ということもあり、余計に納得いかない部分が出てくるでしょう。
税理士であり、家族がいるのであれば事の良し悪しが分かると一般的には思われるからです。しかし、そうでもないのが現状で、実際に警察官でさえ犯罪に手を染めることはあります。
最終的に、改名をして暮らさなくては行けないほどの事件として扱われます。具体的に何をしてここまで世間の批判を浴びる結果になったのか状況を整理しましょう。
猫を虐待する様子を動画し投稿していた
大矢誠が行っていたのは野良猫を拾い、鉄製の捕獲箱に入れ虐待する映像をネットにあげていたことでした。ここでのポイントは、「生き物苦手板」の猫虐待動画(gato動画)に投稿していたことです。
gatoとはスペイン語で、猫の意味を指します。合わさることで虐待動画となるのですが、大矢誠は決して全員に向けて発信したのではなかったのです。これが自分のしたことの罪の重さに気づけなかった要因でしょう。
一般の人にはそういった動画を投稿出来る場所さえ知られていないサイトに、どうして大矢誠は入り浸るようになったのか、そしてどうして投稿する側にまわったのか、きっかけがあったのでしょうか。
生き物苦手板ではカールおじさん・カルおじと呼ばれていた
「生き物苦手板」は匿名で投稿できる仕組みになっています。しかし、言動の癖や、動画の投稿の思考、言葉遣いなどにより特定されることも多々有り、大矢誠も例外ではありませんでした。
「カルおじ」の愛称で慕われていたそうです。「カルおじ」の名前は投稿された動画からカールおじさんを連想したのでつけられました。
カールおじさんの特徴からみると、顔を写らないように、肌を見せないようにしていたのが分かります。
投稿した動画は回を増すごとにエスカレートしました。そもそも生き物嫌いが集まる提示版のため、カールおじさんこと大矢誠のしていることを応援したり、エスカレートし煽る人がいたのです。
大矢誠を「神」と指示するユーザーもいた
匿名の動画投稿サイトでカールおじさんとして、投稿を繰り返すうちに、そのサイトでは飽き足らず大手掲示板の「2ちゃんねる」にも動画を宣伝するような書き込みを始めました。
その2ちゃんねるから、動画投稿サイトで動画を見た虐待マニアからは「神」と呼ばれるまでの存在になっていました。
カールおじさんとしての大矢誠の虐待に対する罪の意識は、薄れるどころか麻痺し始め、最終的には正当な判断がつかなくなったものと判断されます。
大矢誠の腕が動画に映りこみ身元を特定、逮捕された
2チャンネルでも名を広めた大矢誠は、警察が動いていることには気づきませんでした。2017年5月に動画を見た人から警察に通報が入っていたのです。
税理士としての地位と、家族を養っている立場上、動画には細心の注意を払いカールおじさんのような格好までして犯行に及んでいます。しかし、動画の中にはしっかりと特定できる物が写りこんでいました。
警視庁が調べ上げ、動画に写りこんだ大矢誠の腕から傷を確認、特定されて逮捕に至りました。通常であればカールおじさんのように、腕まですっぽり隠してする撮影のはずが回を重ねたことで油断を起こしました。
その腕の傷は、虐待した母親猫が必死に抵抗したときにつけた傷であり、自業自得としか言えないものでした。
母親猫は妊娠しており、瀕死の状態で子供を出産、しかし、子供も虐待されて殺されています。近隣からも猫が不自然にいなくなって不安に思っているとの意見が警察まで届いていたようです。
逮捕の罪状は動物愛護法違反
虐待をした場合、逮捕の罪は「動物愛護法違反」です。当てはまらない生き物もいますが「猫」は「愛護動物」に指定されており、当時は、罰則は2年以下の懲役が200万円以下の支払いが課せられます。
ペットでも野良猫でも同じ罪としてみなされます。ここで問題となるのが、「法律」の壁です。猫の虐待や殺傷事件の場合で裁判になっても、略式起訴で終わることがほとんどを占めます。
2016年中に同じ様な事件で33件裁判に持ち込んでも、そのうちの29件が略式起訴でお金を支払い終わっているのです。
大矢誠が9匹の猫を死亡・4匹を重症にした残忍な手口とは
なんでこのような犯行に及んだのか動機は気になるところですが、先に何をしたのか説明したいと思います。結論からして、正常な判断が出来る人間の犯行ではないと言えるでしょう。
文章にしても痛さが伝わってくる情景が、動画として投稿されていたと思うと寒気すら感じます。
大矢誠の虐待行為①埼玉深谷市の大矢の実家で犯行が行われた
犯行に使った現場は家族の住む自宅のさいたま市ではありません。大矢誠の母親が住んでいる実家でした。埼玉県深谷市に有る、一軒家であり、空家のため、誰も気に留めることもないと思い犯行現場に選びました。
一定期間いなくなる父親の行動に、家族は疑問に思わなかったのでしょうか。空家になるまでは大矢誠の叔父が住んでいました。残念なから10年くらい前に亡くなられて空家になっていたのです。
近隣の猫が減ったことなどから余罪が疑われる
周囲が気にとめないと想定していた大矢誠の予想は当たりませんでした。近所では、何回も大矢誠の家からのぼる煙を目撃されていたようです。
目撃した人からは、「あれは猫を焼いていたのか」との悲痛な声があがりました。
他にも猫が毒を飲まされて死んでいるのも発見されて、明らかに野良猫の数がみてとれるほど減っていたのに気がついていました。その毒を飲まされた出来事も、大矢誠の仕業ではないかと余罪を疑う声もやみません。
大矢誠の虐待行為②鉄製の捕獲器に猫を閉じ込め虐待した
実際に行われた犯行ですが、猫が好きな人は本当に辛く、耳にするのも許せない行為です。捕まえた猫を鉄製の捕獲器に入れ、熱湯を数回に分けてかける、熱湯に沈める、ガスバーナーで焼くなどがあげられます。
まだまだ、犯行はエスカレートします。爆竹を入れたり、肛門に水を入れたり、最終的に歯を抜く、水で溺死させることも行いました。歯を抜く時にはペンチを用いたようです。
あまりに、残酷な行為にニュースを見て呆然とした人も多かったでしょう。そのように、次々と虐待され死んでいったのです。
大矢誠の裁判での様子・動機とは?
起訴されて裁判が決定した時には、世間の注目が集まりました。捕まった当初から彼が主張していたのは「虐待」ではなく「駆除」と表現していたからです。
裁判で動機が明らかになるため、判決結果と共に裁判の進捗に興味を持ったのです。
「有害動物の駆除」だと反省の色はない
テレビでも散々取り上げられた事件だけに裁判には多くの傍聴を志望する人で溢れました。残念ながら人数は決まっており、平等に抽選のため、中に入れなかった人の中には、外で結果を待つ人もいたようです。
裁判が始まった時の様子は傍聴した人が赤裸々に語っています。大矢誠は冷静で淡々と話し、全く緊張した様子もなかったそうです。裁判でも堂々と「有害動物の駆除」と主張もしていました。
きっかけは以前に住んでいた見沼区で自身の飼っているメダカと金魚を殺されて苦手になったこと、猫よけの砂などで対策しても効果がなかったことから、どんどんと嫌悪感が増してきたことも語っています。
終始冷静で淡々としており、全く緊張している様子が微塵も見られず堂々としていたそうです。
最初は駆除するためだったが虐待動画撮影が目的になったとのこと
最初に危害を加えたのは、2016年3月に捕獲した猫が最初だと答えています。
どうやって虐待方法を思いついたのかについては、そういった動画を見て真似たようです。刃物もなかったから熱湯をかけたと淡々と語り、最初は駆除をするためだったと主張しました。
しかし、言葉を濁す場面もあり、途中からはビデオを撮るのが目的でエスカレートし、決して行って気持ちは良いものではないとも話したそうです。動画を投稿し、神と崇められる自分に高揚していたのかもしれません。
虐待方法はウェブから取り入れたと自分を正当化
裁判でもあらゆる残酷な虐待について、突っ込まれる場面に遭遇します。その時の大矢誠被告の返答は「他の国ではもっと過酷な動画が投稿されている」とし、自身もそれを閲覧していたことを明かしました。
見沼区で猫を捕まえては遠くに置いてくる等の対処もしていて、動画を毎日見ていたとも語ります。最初から犯行に及んだわけではないことで、正当化を強調させているように見えました。
見ようとしなければ閲覧しない動画を正当化するために持ち出す所まで、感覚は麻痺していたのでしょう。
判決は懲役1年と10カ月、執行猶予つき
かなり不利に進んでいたと思われる裁判でしたが、弁護側にも主張はあります。大矢誠は税理士として社会にも貢献している、猫の被害や怪我を負わなければ犯罪とは無関係だったとし、執行猶予を求めました。
そして、「動物愛護法は器物破損罪を下回る」と強調します。ここが法律の難しい所です。そして12月12日、下された判決が懲役1年10ヵ月、執行猶予4年でした。
理由には見沼区で、またたびを使用しおびき寄せ、誰も寄り付かないところに遺棄したところにも残忍性が認められるとしました。残念ながら実刑ではなかったのです。
大矢誠に実刑を求める署名が集まる
この判決に不満を持った人はたくさんいました。裁判が始まる前に3万7千人もに署名を集めていた程です。実刑を求める声が相次ぎ、更に署名を集める運動が始まりました。
大矢誠の実刑を求める署名が20万以上集まった
実際に署名を集めても、再度必ず裁判が開かれる保証はどこにもありません。しかし、どんどん署名は集まりました。
「Change.org」では判決を実刑にしてほしいという署名が、ネットでは最終的に16万3749筆集まり国内歴代トップと言われています。