しかしやはり、出回らないとはいえ人格を疑われる行為と言えましょう。実際、この様な行為をする人物は、周囲から「モラルが低い」と思われている傾向があるようです。
悪質なテロップは今後なくなっていくか?
セシウムさん騒動からしばらくは控えられるだろうが、根本が改善していないのでまた再発するだろうと、あるテレビ局員は言います。セシウムさんと類似する悪質なテロップが作られる事の、日常性が伺えます。
基本的な人格形成は成人までに出来上がりますが、企業が社員の倫理観や人格形成に目を向けていかねばならない社会が出来つつあるのかもしれません。
放送事故は悪質なものに限らないので、放送事故自体が無くなるという事はおそらくないでしょう。下記の「苗山事件」は、インタビューの最中に突然人が変わったと思われる放送事故を、ご紹介しています。
国際女性デーの集会でもセシウム関連の騒動があった?
2012年3月、東北大震災から約1年後に行われようとした講演会で、タイトルに『セシウム』が使用され別の騒動が発生し、講演会は中止となりました。講演会を行う予定であった人物は、アーサー・ビナードというアメリカ出身の詩人でした。
講演タイトルが「さいたさいたセシウムがさいた」
このタイトルを見て、多くの日本人は「花が咲いた」というイメージを持ったことでしょう。そうであれば、確かに不謹慎と思われるタイトルでしょう。
しかし彼がここで用いたのは、戦前の国語の教科書に載っていた軍国教育に使用された『サクラ読本』の中の『サイタ サイタ サクラ ガ サイタ』という一節。戦争という悪いイメージを、原発と繋げたかったとのことです。
講演は脱原発を訴えるものだった
また「咲く」ではなく「裂く」というイメージで付けたタイトルで、「平和を裂いた」と伝えたかったのだとか。Twitterで拡散された事もあり、「セシウムがさいた」という言葉は瞬く間に知れ渡りました。
しかし彼が伝えたかったのは「放射能に汚染されてしまった地で、今後どのように安心安全な生活を築いていくか」という事。もし彼が公演していたならば…この公演によって気持ちが救われる人がいたかもしれません。
ネタに使われる『セシウムさん』
程なくして日本全国に知れ渡ったセシウムさんは、主にネットで面白おかしく使われるようにもなります。ネタとして使われた『セシウムさん』のご紹介をします。
わんだほのようなキャラクター『セシウムさん』
『セシウムさん』というキャラクターをイメージすると、この画像の見た目のキャラクターを思い浮かべる方も多いかもしません。
東海三県にしか報道していないのに、わんだほ(セシウムさん)が全国的に知られるようになったのもこのキャラクターの存在が大きかったことでしょう。そして後に、セシウムさんとわんだほが同一であると、認識されるようになっていったという訳ですね。
初音ミクが歌う『怪しいお米セシウムさん』
ボーカロイド・初音ミクが歌う『怪しいお米セシウムさん』という曲が、ニコニコ動画にアップされました。1分36秒という短い曲ではありますが、リズミカルで何故か耳に残るという感想が書き込まれました。
無気力Pによる作詞・作曲で生まれたこの曲の紹介欄には、「原発事故以前に収穫された物なので、安心です」と書かれ、歌詞にも「お米を食べよう」と含まれています。
セシウムさんグッズが作られる
セシウムさんと文字の書かれる上に、まるで東海テレビのマスコット「わんだほ」と思われるようなキャラクターがデザインされた、Tシャツとマグカップが作られました。このネットショップでは、他にも時事ネタを元に作られたグッズが販売されています。
セシウムさんのAAが作られる
AA(アスキーアート)という記号を並べて作られた絵が、AA職人によって作られました。AAを登録するサイトがあり、いくつかの種類のセシウムさんがここに登録されました。
登録されたAAはコピペして簡単に他の場所で使用できるので、ネット民たちに様々な場所で使用された事でしょう。
商品名が『セシウムさん』のお米のコラ画像が作られる
問題の報道が米を景品とした応募だった事から、コメの商品名を『セシウムさん』と上書きしたコラ画像も出回るようになりました。こちらも様々なタイプの画像が作られ、広くネタに使われました。
分かっている人の間でやり取りされるのならば問題はないのかもしれませんが、悪い印象に繋がるのであれば、これは報道の二次被害を生み出していると考えられるのではないでしょうか。