セシウムさんが映し出された時、アシスタントらは出演者の見送りをするなど、気を休められるタイミングだった事もあり、誰も画面に注視していない状況でした。また、データを間違って放送用のフォルダに入れた事も影響。
ちゃんと関係者用のフォルダに入れていれば、元より間違って流れる事にはならなかったのだとか。『セシウムさん』が流れている事に気付き、現場の人間は慌てます。
一言で放送事故と言っても、その内容は様々。生放送中に大ケガを負った柳田哲志さんについては、こちらの記事でご紹介しています。
セシウムさん騒動の犯人は誰?その後どうなった?
セシウムさんなんて酷いデータを作った事、また正確な処理を行っていない事で、作成者はもちろん責任を問われます。『セシウムさん』を作ったのは、どのような人物だったのか?
犯人はテロップ作成に携わる50代男性
『セシウムさん』を作ったのは、テレビ局とは別のテロップ制作会社に勤務する50代の男性。外注ですがテレビ局とは30年以上を共に仕事に携わり、経歴で見ればベテランと称されても不思議じゃない人物でした。
犯人の動機は?
『セシウムさん』は悪意があると思われる言葉ですが、男性はこれを否定します。テレビ局への怨恨や、テレビ局や会社とのトラブルに起因する訳ではないと。
仮入力として、男性はただただ思いついた言葉を並べただけだ、とインタビューで回答。ですがそのチョイスが『セシウムさん』とは、倫理観を疑われても仕方ないでしょう。
犯人は懲戒解雇処分を受ける
大きな反響を呼んだ“セシウムさん騒動”の犯人として、男性は自身の所属する会社から解雇を言い渡されます。実はこの男性の仕事に対して、他のスタッフは以前から不満を持ち合わせていました。
仕事のスピードが遅い事、目の前の事しか見えなくなる視野の狭さは、以前より問題視される程。『セシウムさん』の修正を依頼した女性の話も、記憶が無いと回答しています。
セシウムさん騒動後の世間の反応
『セシウムさん』と並んだ映像を見て、視聴者や景品のお米“ひとめぼれ”に関わる人たちは憤慨します。震災の後は特に重要視された放射能問題の事もあり、『セシウムさん』なんて表記は許されてはいけません。
ネットでも「震災を馬鹿にしている」「2chもドン引きするレベル」と言われます。また「なんjやvipの匿名だからやれるノリ」「犯人はなんj民なの?」なんて感想を抱いた人もいた模様。
放送後には17,000件以上の苦情が殺到
8月4日の11時過ぎに流出したセシウムさんは、東海三県が配信地区ではあったものの、瞬く間に知れ渡って行きます。同日午後6時には、300件もの問い合わせや苦情が挙がり、掲示板や関連サイトは炎上します。
6日の夜には問い合わせは約10,000件にのぼり、セシウムさんを含む酷い言葉への苦情は、最終的に電話やメール等を合わせ17,000件以上となりました。
岩手県や農家関係者から怒りの声が
セシウムさんの報道にブランド米・ひとめぼれが付随した為、“ひとめぼれ”を生産を行う、岩手県を始めとする農家からの憤慨の声も相次ぎます。
また、『セシウムさん』と書かれた映像の景品の対象が“岩手県産”だった為、JA岩手の会長からも抗議文を渡されます。
BPO(放送倫理・番組向上機構)による調査
NHKや日本民間放送連盟と他加盟会員各社の出資、組織した任意団体が『BPO』です。「言論と表現の自由を確保しつつ、視聴者の基本的人権を擁護する立場」であるBPOには、各地の視聴者からテレビ各局への意見が寄せられています。
同年同月には騒動の他に、タレント・島田紳助の引退があり、視聴者より多くの意見が寄せられます。抽象的な意見の他、特定した意見は各局へ通知される仕組みとなっています。
低俗さやモラルに関わる意見や、取材や演出、編成や言葉への意見も集まっています。騒動に関わる意見も、後に通達されていた事でしょう。
セシウムさん騒動の発生原因を探る検証番組を放送
『セシウムさん』が発起した問題は、謝罪して終わりで済ませられるミスではなく、当事者らへの事実確認が行われます。また、社内・外部から集めた意見も含め、改善策が練られる事に。
関係者らのインタビューを含む検証番組が作られ、同年8月30日に放送。リアルタイムの放送地域は東海三県でしたが、8月30日~9月12日までホームページに動画の掲載を行います。