セシウムさん騒動とは?事件の原因や犯人、番組のその後を解説

現在も東北の農産物は嫌厭される?

津波被災があった農地の89%は営農再開が可能となる程、被災地の復興は進みました。農産物を含む製造品の出荷金額は、震災以前の水準値まで回復し、順調と言えましょう。

また2018年7月には、EU側から福島県の食品の安全性を認めて輸入規制が解除されました。農産物の輸出量は震災前の出荷量を越え、好評な様子。他国も認めた食品の安全性を、同じ国民が認めぬわけにはいきませんよね。

セシウムさんが助長した危険意識のように「危険だ」という先入観で終わらせず、放射線物質に関する正確な知識を得る事が求められていると言えましょう。

悪質なテロップ遊びは他のテレビ局でもある?

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このセシウムさん騒動の後、不謹慎なテロップを作っているのはこの事件で解雇されたスタッフに限った話では無い、と情報が出回ることになります。『セシウムさん』の他にはどのような悪質テロップが存在したのでしょうか?

悪質ないたずらテロップ「核燃料棒チーズ味」

セシウムさん同様に、視聴者プレゼントの商品名の欄に「“核燃料棒チーズ味”と書かれたテロップを見た事がある」という情報が浮上。ダミーの為、出回るという事はありませんでしたが、全く悪質な内容と言えましょう。

放送されないだけ?悪質なテロップはたくさんある?

テロップを作成する仕事に飽き飽きした人物らが、スタッフの笑いのネタにしようとダミーのテロップにこのような内容を記載するのは、稀ではないと言うのです。出回らないだけ、なのだと…。

しかしやはり、出回らないとはいえ人格を疑われる行為と言えましょう。実際、この様な行為をする人物は、周囲から「モラルが低い」と思われている傾向があるようです。

悪質なテロップは今後なくなっていくか?

セシウムさん騒動からしばらくは控えられるだろうが、根本が改善していないのでまた再発するだろうと、あるテレビ局員は言います。セシウムさんと類似する悪質なテロップが作られる事の、日常性が伺えます。

基本的な人格形成は成人までに出来上がりますが、企業が社員の倫理観や人格形成に目を向けていかねばならない社会が出来つつあるのかもしれません。

放送事故は悪質なものに限らないので、放送事故自体が無くなるという事はおそらくないでしょう。下記の「苗山事件」は、インタビューの最中に突然人が変わったと思われる放送事故を、ご紹介しています。

国際女性デーの集会でもセシウム関連の騒動があった?

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2012年3月、東北大震災から約1年後に行われようとした講演会で、タイトルに『セシウム』が使用され別の騒動が発生し、講演会は中止となりました。講演会を行う予定であった人物は、アーサー・ビナードというアメリカ出身の詩人でした。

講演タイトルが「さいたさいたセシウムがさいた」

このタイトルを見て、多くの日本人は「花が咲いた」というイメージを持ったことでしょう。そうであれば、確かに不謹慎と思われるタイトルでしょう。

しかし彼がここで用いたのは、戦前の国語の教科書に載っていた軍国教育に使用された『サクラ読本』の中の『サイタ サイタ サクラ ガ サイタ』という一節。戦争という悪いイメージを、原発と繋げたかったとのことです。

講演は脱原発を訴えるものだった

また「咲く」ではなく「裂く」というイメージで付けたタイトルで、「平和を裂いた」と伝えたかったのだとか。Twitterで拡散された事もあり、「セシウムがさいた」という言葉は瞬く間に知れ渡りました。

しかし彼が伝えたかったのは「放射能に汚染されてしまった地で、今後どのように安心安全な生活を築いていくか」という事。もし彼が公演していたならば…この公演によって気持ちが救われる人がいたかもしれません。

NEXT ネタに使われる『セシウムさん』