実は、Googleの投稿記事削除請求事件は、数種類あるのです。次に挙げるのが、ユーザーがGoogleによる検索結果の削除を請求した事例です。
- 虚偽の口コミによりデマを被った人による口コミ削除の請求
- 児童買春による3年前の逮捕の事実を記載された記事の削除の請求
- Twitterに建造物侵入罪で逮捕された10年前の事実を記載されたことの削除の請求
この中から、最もGoogle内で話題を呼んだ売春による逮捕歴の記事削除請求に関する事件を解説します。
事件の概要
この事件は、Googleに3年前の逮捕歴に関する記事を書かれた男性による起訴を指します。男性は、記事が公開された3年前に児童買春で逮捕されて、罰金を命じられています。
この男性は、数年前のことを掘り返してインターネットに掲載するのはプライバシーの侵害だとして、裁判に出ました。罪を犯したとしても、男性にだって人生があります。プライバシーを侵害されていると感じるのは、当然のことですよね。
最高裁の判決
結果として、最高裁は記事の削除を命じませんでした。つまり、男性が逮捕された事実を公表した記事は、現在もインターネットに残り続けているのです。
裁判を起こした男性にとっては不当な判決のように思いますが、最高裁はある定義に基づいてしっかり考えて判決を出したのです。判決の定義は、「表示された事実による不利益が、非表示の事実による利益を超越するか否か」
「表示された事実」とは、男性が児童買春で逮捕されたこと。そして、「非表示の事実」とは男性が主張している男性自身のプライバシー。つまり、男性が逮捕された事実を公表することによる男性の不利益は、男性のプライバシー侵害の重要度を下回るという意味になります。
簡単に言えば、「男性のプライバシー侵害は、男性が児童買春を起こした過去と比べたら些細なこと」という意味なのです。
男性が罪を反省していないわけではありません。しかし、児童買春は非常に重い罪で、世間からも非難が集まりやすい判例です。それゆえ、最高裁は児童買春という重罪を犯した事実を男性に生涯に渡って反省してもらうため、あえて記事を削除しない方向に動いたのでしょう。
被害者と加害者の現在
残念ながら、被害者も加害者も一般人なので、現在の様子は分かりません。しかし、被害を訴えた男性は自身の罪を反省して、粛々と生活していることでしょう。また、加害者もネットリテラシーを見つめ直しているものと思われます。
投稿記事削除請求事件としてGoogleの事件と並列して出てくる、別の事件もあります。それは、さきほど紹介したTwitterに10年前の建造物侵入罪による逮捕を投稿されたことの削除を求める男性が起訴を起こした事件です。
こちらのTwitterによる投稿記事削除請求事件は、最高裁でツイートの削除が命じられました。判決の理由としては、やはりツイートにより男性の今現在のプライバシーが侵害されているから。
おそらく、投稿された事実の削除には、事実の重さと被害者が護られるべき人間かどうかが大きく関係しています。建造物侵入罪は確かに罪ですが、誰かの人権を踏みにじる行為ではありません。
一方で、Googleの投稿記事削除請求事件における児童買春は、大きく人権を蹂躙する行為です。
事件の口コミ
投稿記事削除請求事件については、Googleの事件とTwitterの事件について様々な意見が寄せられています。
今日出た投稿記事削除請求事件の草野判事補足意見、本当の本当に大事なことを明確に伝える素晴らしい文章思う。
メディア関係者は真剣に読んでほしい。
法律を勉強している方も是非。引用元:過食B@motaberarenaiyoさん
こちらは、Twitterの投稿記事削除請求事件の判決で、本当に大事なことが伝えられていると感動の文章を述べる人の口コミです。法律とネットは、いつも隣り合わせの存在です。インターネットが普及した現代で、ネットリテラシーを学ぶにあたって非常に参考になる判例だと思います。
googleの検索結果から削除したいって…
逮捕の理由が
児童売春、ポルノ禁止法違反一生背負ってろ
#linenews
引用元:しーな🐾@sy_chisukeさん
Googleの投稿記事削除依頼事件については、削除されなくて当たり前と綴っている人がいました。誰かを傷つけた人の罪は、一生涯背負って償うものです。たとえそれにより自分の心が傷ついたとしても、被害者はもっと苦しい境地にいるのですから、判決は真っ当といえるでしょう。
自分の名前を広げないための対策
自分の名前を広げないための対策は、基本的に自力でできるものばかりです。ちょっとした時間にスマホやSNSの設定を見直せば、自分の名前が広がるリスクを防げます。中には少し面倒な手段もありますが、自分の名前を広げないための対策を確認しましょう。
- SNSを非公開設定にする
- スマホのセキュリティを見直す
- コンテンツ管理者に削除依頼を出す
SNSの公開範囲設定とセキュリティ設定の見直しは、非常に簡単です。スマホ1つでできますし、数十秒~1分で完了します。同時に、SNSの名前を偽名に変えるのも良いでしょう。
一方で、コンテンツ管理者に削除依頼を出すのは、若干労力がかかる行為です。管理者への削除依頼は、あまり積極的におすすめできない方法といえます。
自分の名前検索に関するQ&A
自分の名前を検索した結果について、Yahoo!知恵袋では「どうすれば削除できるか?」「自分の名前の検索回数がわかるのか?」などの質問が多数投稿されていました。
皆、自分の名前が検索されたかどうかに興味津々のようです。Yahoo!知恵袋の口コミを引用して、よくあるQ&Aを見てみましょう。
- どうすれば自分の名前が掲載されている書き込みを削除できるのか
- 自分の名前が検索されたことがあるかを調べることはできるのか
これらのQ&Aの概要を、詳しく解説します。
どうすれば自分の名前が掲載されている書き込みを削除できる?
Yahoo!知恵袋には、「2ちゃんねるに自分の名前を記載した書き込みがあったので削除したい。削除にはメタタグの設定が必要だが、メタタグを設定するにはどうすればいいか?」という質問が寄せられていました。
結論から言うと、メタタグはサイト管理者しか設定できません。そのため、この質問への回答は管理者への削除依頼が必要ですよというものでした。
しかし、2ちゃんねるは削除依頼も公開されるシステムになっています。なので、コンテンツの削除依頼を出すには「違法・有害情報相談センター」への問い合わせが、一番手っ取り早いという結論に至っています。
自分の名前が検索されたことがあるかを調べることはできる?
「自分の名前が検索されたことがあるかどうかを調べることはできる?」という質問がYahoo!知恵袋に投稿されていました。
回答には、「Googleで自分の名前が検索されたかどうか自体は分からない」という内容が寄せられています。Googleの検索結果は、あくまでも検索結果であって、検索の有無を知らせるものではありません。
もしあなたの名前が何度も不特定多数の人に検索されていれば、検索結果は自ずと出てきます。しかし、そもそも実際に検索して検索結果を確認しない限り、あなたの名前の検索の有無は外部には伝わらないものです。
自分の名前が検索されているか事実を知るには、やはりツールを使うか実際に名前を検索にかけるしかないでしょう。
自分の名前が検索されているか調べる方法のまとめ
自分の名前が検索されているか調べるには、ツールの使用とGoogleによる検索が必要不可欠だと分かりました。ツールは有料のものが多いので、やはり実際にGoogleで検索して検索事実の有無を確かめるのが一番効率が良いでしょう。
しかし、自分の名前を検索するのはリスクが高いです。自分の名前を検索するにあたって、誹謗中傷や個人情報漏洩の事実を直視しなければいけません。それだけの危険を冒してまで、好奇心を満たす必要があるのでしょうか。
インターネット戦国時代ともいえる現代では、自分の身を自分で守る対策が必要です。必要以上に個人情報が漏れないように、SNSやスマホのセキュリティは強めておきましょう。