キャンプでパン作り
パン屋さんの隣を通り過ぎるときにふんわりと香る焼けた小麦の匂いをかぐと、とても幸せな気分になりますよね。家庭でもパン作りをしてみたいと思っても、いざ作ろうと思うとなんだか難しそうな気がするという方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな方にお勧めしたいのが、”ダッチオーブン”を使ったパン作りです。
キャンプ場で焼きたてパンを楽しもう
ダッチオーブンといえばキャンプなどのアウトドアで使うことが一般的ですよね。豊富な自然に囲まれたキャンプサイトで、早朝のさわやかな空気に包まれながらふんわりと焼けた出来立てのパンを食べるのは、家で作るものとはまた格別のおいしさです。
最近ではキャンプ場内でピザ釜を貸し出ししているところもあるようですが、”ダッチオーブン”を使えば、もっと手軽にふわふわでおいしい自家製パンを焼くことが出来ます。
ダッチオーブンでパン作り~基本編~
ダッチオーブンとは
ダッチオーブンは、主にキャンプなどのアウトドアで使用されてきた、厚い鉄製の蓋の付いた鍋です。蓋の上部にも火のついた炭を置くことができ、上下からの加熱が可能となるので、オーブンのように使用することも可能な鍋です。
また、密閉性と保温性が非常に高くお料理が簡単においしくできると、ダッチオーブンを買い求めるキャンパーは非常に多いです。最近では、その人気のために家庭のコンロでも扱いやすいようにデザインされている、軽くて手入れのしやすいダッチオーブンも売られています。
パン作りは難しくない
自家製のパンと聞くと、「家庭で作るのはちょっとハードルが高いかも・・・」という印象かもしれません。しかし、パン作りはコツさえつかんでしまえば、材料費が安く、実際に調理に割く時間も短い(待ち時間が長いだけ)ので、気軽に取り組むことが出来るようになります。基本的な材料は、小麦粉(強力粉)・塩・水・イーストの4種類です。
パンの基本的な作り方
1、材料を混ぜ合わせる。
2、生地をこねる。・・・・・・・・・・・・25分
3、生地を休ませる。(一次発酵)・・・・・60分
4、空気を抜く。(パンチング)・・・・・・30分
5、生地を休ませる。(ベンチタイム)・・・20分
6、生地を成形する。・・・・・・・・・・・10分
7、生地を休ませる。(二次発酵)・・・・・60分
7、生地をオーブンで焼く。(焼成)・・・・15分
8、出来上がり。
どちらかというと発酵や焼成にかける”放っておく”時間のほうが長いというのがお分かりいただけると思います。そのため、パンを作る際にはこの休ませる時間をうまく使うことで、キャンプ中でもストレスなく、効率的に作ることが出来るのです。
パンの作り方を動画でチェック①
パン作りのプロの仕事を動画で見ることが出来ます。生地のこねあがりの状態や、グルテンの形成がしっかりされているかというのは何回もパンを作ってみて段々と分かってくると思いますが、まずはこちらの動画を参考にして生地のこね方・たたき方のきほんをしっかりと学びましょう!
パンの作り方を動画でチェック②
ダッチオーブンを使ったアウトドアでのパン作りを、生地の材料の混成から焼き上げまで、順を追って紹介しています。パン作りを経験したことがない方でも、これを見れば一通りの流れがつかめるのではないでしょうか?パン作りに慣れている方でも、「ダッチオーブンを使ってパンを作ったことがある」という人は意外に少ないはずですので、ぜひ参考になさってください。
パン作りに必要な道具
《基本的に必要なもの》ボウル、デジタルスケール、オーブン、カード
《 あると便利なもの 》パンの型、刷毛、クッキングシート等
このうち、ボウルやデジタルスケール等は、後述の方法を使えばキャンプ場にもっていく手間を省くことが出来ます。パン作りと聞くと少し難しくて面倒そうな印象を受けがちかもしれませんが、こうして見ると案外簡単にできるということが分かります。
ダッチオーブンを使ったパン作り
丸鶏のローストや煮込み料理、スープなど幅広い料理に使えるダッチオーブンは、通常のオーブンのようにパンを焼くことにも使うことが出来ます。また、キャンプなどアウトドアでの使用を考えている際には予め”事前準備”をしておくことで、より手軽に、美味しくパンを作ることが出来るのです。
出発前に生地を発酵させておく
そこでご提案するのが、”パン生地を予め自宅で一次発酵まで済ませておく”という方法。生地は前日までに用意しておいて十分に冷凍しておきます。クーラーボックスなどに入れて冷凍した状態でキャンプ場へもっていき、パンを焼く当日の朝にパン生地の二次発酵が終了しているという状態を実現させるのが望ましいです。これにより、焼きたてのパンをキャンプで食べるということが断然手軽になります。
具体的な手順
具体的な方法は以下の通りです。
〈手順の1~5までは上述のものと同じ。〉
7、スケッパーなどで生地を小さめに分割して丸める。
8、クッキングシートを敷いたバットなどに入れて冷凍する。
ここまでを前日までに済ませておく。
以下、キャンプ場での手順
9、凍らせた生地を解凍する。そのまま二次発酵させる。(就寝中)
10、朝食の1時間前くらいに炭を起こしはじめる。
11、パン生地の入ったダッチオーブンを火にかけてパンを焼く。
事前に準備するパン生地は、ダッチオーブンに詰めやすく、かつ焼き加減のムラができにくいように、小さめに成形するようにしましょう。
パン作りにおすすめのダッチオーブン
ダッチオーブンにはさまざまなサイズがありますが、基本的には大体直径が25㎝~30cm程度のものがパン作りには適しています。キャンプでの使用を考えている場合には、パンを食べる人数に応じてダッチオーブンの大きさを選択するとよいでしょう。ソロキャンプや二人でのキャンプの場合は25cmのものを。それより多い、ファミリーキャンプなど大人数で使うなら30cm程度のものがおすすめです。以下にもお勧めのダッチオーブンをご紹介するので、ご参考になさってください。
UNIFLAME(ユニフレーム) ダッチオーブン
黒皮鉄板が4.5mm施された熱伝導率が抜群のダッチオーブンです。鍋全体がむらなく加熱されるので美味しく調理できます。バリなどがなく箱から出したらすぐにシーズニングできます。使い終わってからの手入れが楽なのも便利です。