ゴアテックスってそもそもどんな製品なの?
ゴアテックス製品について、アウトドアを普段から楽しまれている方なら聞いたことがあるという方は多いのではないでしょうか。しかし、「アウトドアウェアの中でも特に優れた性能を持っており、高価である」という印象にとどまっているという方は、ゴアテックスについての正しい知識を身につけましょう。
ゴアテックスとは?
製品の特徴的な性質として、「防水・防風・透湿性」が他のレインウェアと比較して非常に優れているということがあげられます。そのため、ゴアテックスというものの定義について、その製品に使われている生地や加工のことを指していると認識している方も少なくはないようです。
「ゴアテックス(GORE-TEX®)」というのは、アメリカの「WLゴア&アソシエイツ社」によって製造および販売されている防水透湿性素材の商標名を指しています。また、ゴアテックス製品の生地の多くには3層構造が採用されており、2枚の層に挟まれている薄い膜が、「ゴアテックス・メンブレン」という、ゴアテックス製品を特徴づけるメインパーツとなります。
ゴアテックスを作り出す意外な素材とは?
ゴアテックスの原料について知るためには、その成り立ちから知りましょう。ボブ・ゴアによって1992年に開発されたPTFE(フッ化炭素樹脂、「テフロン」の商品名で知られています。)を延伸加工することによってえられる「ePTFE(エクスパンデッドPTFE)」という素材を使って製造されています。
驚きなのは、このePTFEという素材を作り出す原料となるのは「ホタル石」であるということ。学校の化学の授業などで聞いたことがあるという方もいるかもしれませんね。「フローライト」の名前でも知られるこの蛍石を加工してフッ素を抽出するなどして、素材となるPTFEを作り出します。
ゴアテックス・メンブレンの性質を理解しよう!
「ゴアテックス・メンブレン」はゴアテックスの高い性能を実現するためには必要不可欠です。ゴアテックスの製品の性能や使い方についての正しい知識を身に着けるためには、まずはその素材となっているゴアテックス・メンブレンについて知ることから。とても薄くて頼りないこのメンブレン果たす、とても重要な役割についてみていきましょう。
拡大してみると無数の穴が!
高い防水性能と透湿性を支えているゴアテックス・メンブレン。このメンブレンを拡大していくと、無数の穴が開いていることが確認できます。この穴は1cm²あたりに14億個もの数があり、この穴が網目状に広がっていることにより、いったいどのような効果が得られるのでしょうか。
水を通さず水蒸気を通す
これらの穴のポイントはそのサイズ。気体としてのH²Oは通しつつも、液体としてのH²Oは通さないというこのサイズによって、ゴアテックスの特徴である、「防水透湿性」を実現しています。
ゴアテックスの「外部からの雨などに対する防水性」と「内部の蒸気を排出する透湿性」というのは一見相反する性質に見えますが、実はこういったメンブレンの特徴が反映されているんですね。
ゴアテックスの特徴は?
ゴアテックス・メンブレンは、それ単体としては耐久性などに問題があるため、ウェアとして製造される段階で、3層構造の「GORE-TEX®ファブリクス」へと形作られていきます。