カワハギにそっくり?毒を持つキタマクラには要注意!

東シナ海~南シナ海を経て、珊瑚海に至る西太平洋やハワイ諸島などの中部太平洋に分布するほか、インド洋にも分布しています。日本においても多く生息しており、福島県以南の太平洋岸や九州西岸、伊豆諸島、琉球列島、小笠原諸島などでみられます。

具体的な環境としては、沿岸のサンゴ礁域や岩礁域、藻場などの浅瀬で多くみられるほか、水深200m以深の砂底からも得られています。太平洋側で釣りを楽しむ際には、注意が必要かもしれません。

キタマクラは猛毒!どんな症状が出る?

猛毒注意!テトロドトキシン

フグの仲間であるキタマクラ。テトロドトキシンという神経毒をもっています。この毒、無色・無味・無臭なわりにその毒性は青酸カリウムの1000倍にも近いといわれています。300度を超える高温でも分解されず、人間が摂取して死に至るであろう致死量はわずか2~3ミリグラム程だと言われています。

具体的な中毒症状。

人の体内に入ってから3時間以内に「身体の痺れ」「麻痺」「呼吸困難」といった中毒症状を引き起こし、さらに重症化すると「体温低下」「意識障害」のような事態に至ることもあります。発症後、8時間以内に適切な処置をしなければ、死に至る事になる危険性もはらんでいるという、非常に危険な毒なのです。

キタマクラの毒のある部位とは。

皮膚の毒には気をつけろ!

皮膚には強い毒を、肝臓と腸には弱い毒をもちます。ふぐにしては珍しく、卵巣や筋肉には毒がありません。皮膚表面に存在する、粘液毒は非常に強い毒ですから、触ってしまった手をそのまま口に入れたり、粘膜を触ったりすると中毒をおこしてしまいます。

肝臓と腸に存在する毒は比較的弱いものなので、食べても死に至るまでにはならないといわれています。とはいっても毒があることに変わりはないのでいずれも注意するに越したことはないでしょう。

キタマクラは触っても大丈夫?

カワハギと間違ってキタマクラを素手で触ってしまった!

「うっかり触ってしまったけれど、大丈夫なのだろうか」そんな不安を感じた方に知っていただきたいことがあります。皮膚の粘液毒を触った手でものを食べたり、目をこすったり粘膜を触ると中毒症状を引き起こす危険性があります。触ったらすぐに、しっかり手を洗うことが重要です。

キタマクラとカワハギを見分けるポイント

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