ウメイロの種類・分布
ウメイロはスズキ目スズキ亜目フエダイ科アオダイ属のお魚です。西太平洋やインド洋までの温暖な海域に分布していて、日本では神奈川県三崎から九州南岸までの太平洋沿岸、山口県萩、伊豆諸島、琉球列島で見られます。水深10~150mまでの岩礁に棲んでいます。動物プランクトンが主食ですが、小魚や甲殻類なども捕食します。
ウメイロの特徴
体長は40センチを超え、体の地色は紫がかった青です。体は楕円形で、黒目が丸くて大きく、下顎は上顎よりも前に出ているのが特徴です。そして、何よりウメイロを見た瞬間目に飛び込んでくるのは背ビレから尾ビレにかけて鮮やかに入っている黄色いラインが特徴的です。
体全体に入っているブルーと鮮やかな黄色の対比がとても美しいです。とくに大きな群れをつくり遊泳している姿はさらに美しいですね。こんな綺麗なので、食べられるとは思わない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ウメイロの名前の由来
高級魚ウメイロを漢字で書くと梅色となります。色鮮やかな黄色い部分が熟した梅の実の色に似ていることから和歌山県や高知県などではウメイロと呼ばれています。
梅の名産地として知られる紀州の南部では黄梅が熟す5月頃になると釣れ始めることからウメイロと名づけられたり、体型がふっくらした楕円形で梅の実の形に似ていることに由来しているという説もあります。確かに形も色も梅と似ていますね。その他にも地域によってさまざまな名で呼ばれています。地方名はオキタカベ、ボウタ、ウグイス、イエミズ、シーヌクワーなどがつけられています。英語での名前はYellowtail blue snapper(イエローテイル・ブルー・スナッパー)です。黄色い尾と青のコントラストは英名でも分かりやすいですね。
ウメイロの見分け方
ウメイロとよく混同されることがあるアオダイ属に属するアオダイの体は紺に近い青なのに対し、ウメイロは背部が黄色なので見分けることができます。
こちらがアオダイです。
比べてみると体の整った楕円形や、下顎が上顎より前に出ているところなどはとてもよく似ていますね。
そしてもう一種間違えられやすいのがこちらのウメイロモドキです。
黄色いラインが目立つので大きな群れを遊泳している姿まで、とても綺麗でよく似ています。
名前からも分かるように、タカサゴ科のウメイロモドキは非常に似ていて、ウメイロの特徴ともいえる黄色い部分が同じように背部にありますが、背ビレにウロコがないことでウメイロモドキだと区別をできます。そしてよく見比べてみると、ウメイロもどきの方が細長いのでスマートな印象ですね。その他にもウメイロモドキには胸ビレのつけ根に黒斑があるのに対してウメイロには無いので見分けることもできます。釣ってすぐにウメイロモドキは作りものではないのかと疑うほど鮮やかになります。
ウメイロの旬
先ほど名前の由来でも触れたように、5月から釣り始めることができ、11月頃まで釣ることができます。ベストシーズンは6月から9月になります。しかし、年間を通してあまり味が落ちず、白身の代表的な高級魚となりました。白身でほとんどクセがなく鱗は小さく薄くて取りやすいです。皮は厚みがあって強く、骨はあまり硬くありません。とても扱いやすいお魚です。しかし、値段のせいか一般的にはあまり知られていません。
美味しいウメイロの選び方
スーパーや市場で購入できるところもありますが、お値段が少しお高めなのでせっかく食べるのなら、選び方は知っておきたいポイントですよね。
選び方のポイント
黄色いラインがハッキリしているもの。エラが赤くて鮮やかなもの。体全体が乾いてないもの。お腹がしっかりと張りがあり、体全体もぴんと張っているもの。こちらを見極めてよりウメイロを楽しみたいですね。
ウメイロの値段
ウメイロは入荷がほとんど無い年もあったり、地域によっても価格の変動が大きい魚です。通常キロ単価4000円~5000円ですが、入荷が多い時期にはキロ単価3000〜3500円ぐらいと買いやすい値段となります。
こんな風にスーパーで見つけられたら嬉しいですね。
ウメイロのおすすめの食べ方6選
フエダイの仲間では、ハマダイに並ぶほど食味に優れているとされているウメイロです。クセがなくあっさりとしているため、焼き物、蒸し物、煮付けなどいろいろあります。どのような料理でもおいしく食べられるのですが、その中でもおすすめの6選を紹介したいと思います。
①ウメイロの刺身
3枚に下ろして皮を剥ぎ、透明感のある白身で脂がのっていると少し白濁して白くなります。血合いが弱くて見た目にも美しいです。