シオマネキって一体なに?
シオマネキとはカニの名前だった!
シオマネキとは、エビ目スナガニ科シオマネキ属に分類されるカニの総称です。オスの片方のはさみだけが大きく成長することで知られています。
シオマネキってどんなカニなの?
シオマネキの生態
体長は約2cm~4cmほどのとても小さなカニです。複眼があり、たくさんの眼で周囲を見渡す警戒心の強さを持っています。また逃げ足もとても速いです。限られた環境下のみにしか生息せず、集団で巣穴を掘り暮らしています。
シオマネキの生息地域
シオマネキはインド洋~西太平洋の熱帯・温帯域に広く分布しています。生息域は河口域の少し泥が混じる砂浜などです。日当たりがありながらも、干潮時にも乾燥せずさらに水没もしないという非常に限定された場所に生息します。
シオマネキの特徴とは?
アンバランス!?オスが持つ片方だけの大きなはさみ
アンバランスなほど大きな片方のはさみがシオマネキの一番の特徴です。片方のはさみが大きくなるのはオスだけです。また左右どちらのはさみが大きくなるのかは個体差がありますが、約8割の確率で右のはさみが大きくなると言われています。ちなみにメスのはさみは両方とも小さいです。
なんで片方のはさみだけが大きいの?
大きなはさみでメスにアピール!「ウェービング」
オスが持つ大きなはさみは主に「ウェービング(Waving)」という求愛行動に用いられます。干潮時の干潟ではオス達が大きなはさみを必死に振り、メスに自身の存在をアピールする姿が観察できます。小さなカニ達が一生懸命はさみを振っている姿は、なんとも可愛らしく一見の価値ありです。
他にもある!大きなはさみの存在意義
他にも大きなはさみはオス同士が戦う時の武器にもなります。また外敵から身を守るために、巣穴に蓋をする楯のような役割も担っています。さらには、はさみから放熱することで体温調整を行っているとも言われています。
小さなはさみはとっても便利
小さなはさみは泥をすくうのに好都合です。砂泥をすくっては口に運び、泥の中のプランクトンを食べています。
シオマネキの名前の由来とは?
早く潮が満ちるように手をこまねいているように見えることからつけられた
シオマネキは漢字では「潮招」と表記します。求愛行動のウェービングという動作が、潮が早く満ちるようにと手をこまねいているように見えることに由来しています。また英名はFiddler crabと言います。Fiddlerとはバイオリン奏者のことで、これもまたウェービングの動作がバイオリンを演奏しているように見えることからつけられた名前です。
シオマネキの種類
ひとえにシオマネキと言っても様々な種類が存在します。ここではその中でも7種類についてご紹介したいと思います。
ベニシオマネキ
真っ赤な体色が特徴のシオマネキの一種です。甲羅は赤一色の個体と赤と紺の二色になっている個体とがいます。
リュウキュウシオマネキ
その名の通り沖縄の琉球地方に生息するシオマネキです。生体は茶色い体色をしていますが、若い個体は鮮やかな赤や黄色、オレンジ色の体色をしています。
オキナワハクセンシオマネキ
白色でつるんとしたはさみを持つシオマネキです。ウェービングをする様子が白い扇を振りかざしているように見えることから白扇(ハクセン)という名前が付けられました。
ヒメシオマネキ
ゴツゴツした立派なはさみが特徴のシオマネキです。大きなはさみの下半分はオレンジ色をしています。干潟に巣穴を掘って生活していますが、集団で水辺へ移動することもあります。
ルリマダラシオマネキ
石のゴロゴロしているような場所によく生息しています。甲羅の鮮やかなスカイブルーが特徴的です。はさみのオレンジ色がコントラストとなって目を引く、美しいシオマネキです。