マングローブなど柔らかい泥を好んで生息します。オスのはさみは上半分が白色、下半分が朱色をしています。ヒメシオマネキよりもはさみは大きく、色も赤みが強いです。甲羅は黒っぽい紺色をしています。
シモフリシオマネキ
体長は1㎝程度とシオマネキの中でも小ぶりな種類です。白い甲羅に茶色の斑点が特徴です。石垣島や沖縄本島で生息が確認されています。
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干潟に暮らすその他の生き物たち
干潟は生き物の宝庫
干潟とは、干潮時に現れる遠浅の浜のことを指し潮が満ちると海水に覆われてしまうのが特徴です。干潟の砂泥は、干潮時には日光を浴びて酸素も十分取り込むことができます。河口干潟では、川の流れによって上流の大地から豊富な栄養素が流れ着きます。満潮時には海水に乗ってプランクトンなども流入し、さらに豊かな土壌が形成されます。生き物に必要な光、酸素、水、栄養すべてが揃う干潟では様々な生き物が暮らしています。シオマネキの周りで暮らす生き物についていくつかご紹介します。
トビハゼ
干潟の泥の上を這いまわる体長10cmほどの魚です。体は灰色で大きな黒点と小さな白点のまだら模様が特徴です。春~秋にかけて干潟で生活し、冬は巣穴に籠って過ごします。近づくとカエルのようにピョンピョンと跳びまわるため、なかなかすばしっこい生き物です。
ムツゴロウ
トビハゼに似ていますが、体長は15cm~20cmにもなります。こちらも潮が引いた干潟の上を這いまわって暮らしています。体の色は褐色から暗緑色と個体差があり、全身に白か青の斑点があるのが特徴です。満潮時や夜間は深さ1メートルほどもある巣穴に隠れて過ごしています。
コアジサシ
白いツバメのような鳥です。くちばしと足は鮮やかな黄色をしています。河川、湖沼などに集団で繁殖します。水上を飛び、魚を見つけると頭から水面に飛び込んで魚を捕らえます。
シオマネキは捕まえてもいいの?
ハクセンシオマネキは絶滅危惧種のため、捕獲禁止
こんなに可愛くてユニークなシオマネキ。見つけたら捕まえたくなってしまいますよね?しかし、ハクセンシオマネキに関しては2006年に環境省の絶滅危惧種に指定されており、捕獲は禁止となっています。道路整備や環境の悪化によりシオマネキの住める環境が減ってしまったことが、個体数の減少に繋がったと考えられています。特に規制のないシオマネキは飼育可能です。
シオマネキの捕獲方法
トラップ作戦
シオマネキは警戒心が強く、逃げ足の速い生き物です。近づくだけで巣穴に隠れてしまうので、捕獲にも少しコツが必要です。まず一つ目の方法は、魚用のネットなどを巣穴にセットし少し離れた場所で待機します。そして巣穴から出てきたところをネットで掬いあげるやり方です。
巣穴にふた作戦
2つ目は巣穴から出ているシオマネキにターゲットを絞り、そのシオマネキの巣穴に蓋をして隠れられないようにするという方法です。シオマネキは他の個体の巣穴には入らない習性があるので、その個体の巣穴だけを塞いでしまえば逃げ場がなくなるのです。
シオマネキの飼育方法
干潟のような環境を用意する
水槽やプラケースに泥や細かい砂を傾斜をつけて敷き、一部が浜を形成するようにします。長期的に飼育したいのであれば、干潟の泥を使用する方がよいでしょう。そして水深1~2cmほどの水を用意。海水でも真水でも飼育可能です。水槽は日光のあたる場所に置き、適宜スプレーなどで浜の部分が完全に乾いてしまわないよう保湿します。
餌は乾燥ミミズなどを用意する
餌は乾燥ミミズなどを少量、月に数回与えれば十分です。基本的には泥の中のプランクトンなどを食べて生きています。
シオマネキが見られる水族館
ここまで読んで、シオマネキへの興味が深まっているあなた!でも、なかなかシオマネキを実際に見られる環境って少ないんですよね。諦めるにはまだ早いです。シオマネキの展示を行っている水族館のおすすめ3つをご紹介します。
(いずれも常設展示ではない可能性がありますので、事前にお問い合わせください)
神戸市立 須磨海浜水族園(兵庫県)
兵庫県神戸市にあり、通称須磨水族館(スマスイ)とも呼ばれています。「波の大水槽」やアラスカを再現した「ラッコの岩礁」などの珍しい展示や、人気のイルカショーが楽しめます。平成20年10月に鹿児島水族館よりハクセンシオマネキが寄贈され、その後展示がされているようです。
海遊館(大阪府)
大阪府大阪市に所在します。太平洋周辺の自然環境を再現した、世界でも最大級の水族館として有名です。ジンベエザメが一番の人気です。ここでは大阪湾のハクセンシオマネキが展示されています。海遊館のブログにもシオマネキに関する記事が掲載されています。
新江ノ島水族館(神奈川県)
神奈川県江ノ島にある水族館です。富士山と江ノ島の絶好のロケーションを楽しめる水族館です。8000匹のイワシの大群が泳ぐ相模湾大水槽は圧倒的な迫力です。こちらでは、2018年9月4日よりハクセンシオマネキの展示が開始されました。
シオマネキは食べられる?
独特の風味と食感「がん漬け」
「がん漬け(がね漬け)」とは有明海沿岸地域で古くから親しまれている郷土料理です。がん漬けのレシピは至ってシンプル。干潟に住む小型のカニをよく洗い丸ごとすりつぶした後、塩やトウガラシなどの調味料と合わせて味を調えたら完成です。独特の風味とガリガリとしたカニ本来の食感は、お酒のあてにもぴったり。焼酎や日本酒がすすみます。炊き立ての白ご飯に乗せても美味しいでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?とってもユニークな見た目と求愛ダンスが魅力的なシオマネキ。小さいけれど特有の進化を遂げてきました。しかし今、絶滅の危機に瀕している種類もいる悲しい現状です。シオマネキたちの居場所がこれ以上奪われないように、環境保護や種の保護に努めていきましょう。