杉沢村で起こった残忍な事件
昭和の初め頃、青森県の杉沢村という小さな村で背筋を凍らせる事件が起きました。平和に暮らしていたはずの村で、突如村人の男性が発狂し次々と村人を襲いました。そして、今まで一緒に暮らしていたはずの村人全員を殺害してしまったのです。全村人を殺害したのち、男も自らの命を絶ちました。住人がいなくなった村は廃村となりましたが、現在も村人の怨念や無念がそのまま現場に渦巻いていると噂されているのです。
事件の概要
かつて青森県の山中に、杉沢村という村があった。昭和の初期「一人の村人が突然発狂し、村民全員を殺して自らも命を絶つ」という事件が起きた。誰もいなくなった村は、隣村に編入され廃村となり、地図や県の公式文書から消去された。しかし、その廃墟は悪霊の棲み家となって現在も存在する。
（出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』）
「杉沢」村はその名の通り杉林と、村の近くを流れる沢のあるだけの何の変哲もない小規模な村でした。静かな村を襲った凶悪犯罪であったものの、現在記録は一切残っておらず、人々の噂の中にのみその存在を確認するしか術はありません。
隠蔽された凶悪事件
このように類を見ない事件が本当にあったとすれば、当時の文献に記録が残っているはずです。しかしどんな文献にも事件の内容はおろか、地名さえも残っていません。それを踏まえて杉沢村の事件については2通りの意見があります。「あまりにも残酷すぎるこの事件を、町が隠蔽した。」という意見と「そもそも事件は初めから起きてない。」という意見です。果たしてどちらが正しいのか、正確な答えは誰にも分かりません。
地図から消された村
口伝えられている伝説で共通している内容は「地図から消された」という点です。確かに現在では地図アプリなど便利な情報や道具が揃っていますが、どのような道具を利用しようとも、誰一人として村を発見することはできなかったのです。
杉沢村での心霊現象の数々
村の名前を地図や記録から消すことはできても、村人の怨念を消すことはできません。現場では殺された人たちの怨念や無念が今も残っており、不審死や行方不明者が後を絶たず、精神を病んでしまうなどの様々な現象が起こるといいます。さまざまな心霊現象についてはこちらをご確認ください。
車に血の付いた手形がつく
様々な体験談がネットで囁かれている中、肝試しに行った男性のグループの話では「これ以上先に進めなくなってしまい、バックギアに入れたら後ろの窓に何十人もの赤い手形がびっしりとついていた。」という経験談もあります。翌朝には何事もなかったかのように消えていたという話ですがそれは果たして誰の手形だったのでしょうか。
訪れた人の周囲では不審な死が相次ぐ
杉沢村にまつわる話の一つとして、訪れた人の周囲では不審死が相次ぐといいます。以前まで普通に暮らしていた人が突然意味不明な言動を話すようになり、数日後には首吊りや飛び込みといった方法で自殺したという話もあります。突然発狂したと伝えられている犯人の男性と通じるところが見られますね。
杉沢村に足を踏み入れると二度と出られない
杉沢村伝説の話によると、杉沢村に入ってしまった人は生きては帰れないとされています。体験談の多くが杉沢村へ深く入り込む前に逃げているため、杉沢村から脱出するには深入りしないようにするとよいでしょう。
（出典:KIRARI 杉沢村伝説の真実！地図から削除された青森県にあったとされる村）
鳥居やドクロ石は比較的有名な特徴でもあるため、この情報が正しいと仮定すると、考えられることは村の「もっと奥」ということになります。村の奥には何があるのか、そして村の中にはいったい何が存在しているのか、迷い込んだ人は戻ってこれないのか…。謎は深まるばかりです。
杉沢村の場所と行き方
存在するかどうか分からない杉沢村へ行くにはどうしたらいいのか…。雲をつかむような話ではありますが、断片的な情報を組み合わせると青森県南津軽郡浪岡町の山の中という説が濃厚です。しかし、某テレビ局の取材力をもってしても村へたどり着くことができなかったという事実から、その難易度の高さが伺えます。
入口には鳥居
村の入り口には古びた鳥居がたっているといいます。神社の入り口にある印象の強い鳥居ですが、村の入り口に立つこと自体はそれほど珍しいことではありません。鳥居には村への魔の侵入を防ぐ目的や、神域と人間界の境界線という意味も込められています。
ドクロ石
鳥居の他にも杉沢村の象徴の1つともいえるものがドクロ石と呼ばれるものがあります。その名の通りドクロによく似た石のことのことですが、村の入り口にあるといいます。連続殺人のあった村の入り口にあるドクロ石とは何かのつながりを感じずにはいられません。
血しぶきが残る小屋がある
村の中には今もなお事件の惨状を訴えるようにして、血しぶきの痕が残っている小屋があるといいます。血痕は洗浄などを行わない場合数百年でもその場に残り続けるもの。殺人の方法などは明らかになってはいませんが、小屋に血痕が飛び散るほどの壮絶な現場であったことは文面から容易に想像がつきますね。
杉沢村の事件は嘘！都市伝説になった元ネタは津山事件
まことしやかに呪いの村と囁かれている杉沢村ですが、村の場所が曖昧であったり、当時の記録に事件が残っていないなどの理由から「津山事件と呼ばれる事件が元になった都市伝説ではないか」という意見が根強くあります。
津山事件とは
津山事件（つやまじけん）または津山三十人殺し（つやまさんじゅうにんごろし）は、1938年（昭和13年）5月21日未明に岡山県苫田郡西加茂村大字行重（現・津山市加茂町行重）の貝尾・坂元両集落で発生した大量殺人事件。一般には津山事件と呼ばれ、犯人の姓名を取って都井睦雄事件ともいう。
犯行が行われた2時間足らずの間に28名が即死し、5名が重軽傷を負った（そのうち12時間後までに2名が死亡）。なお、犯行後に犯人が自殺したため、被疑者死亡で不起訴となった。
（出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』）
たった1人の男性が多くの村人を虐殺するといった主旨はおおむね杉沢村の事件と似通っていますね。日本史に残る事件として現在でもメディアに取り上げられることもあるほどの認知度です。杉沢村の事件とは異なり、地名も事件内容も詳細に記録されています。
様々な映画や書籍のモデルとなった事件
発生した時から数十年経過した今でも人々の関心を集める津山事件は、八墓村を始めとした様々な映画や書籍のモデルとなりました。被害者の視点だけではなく、容疑者の視点から見た津山事件を見ることができます。違った視点から当時の村の風習も学ぶこともでき、興味深い内容となっています。
津山事件がモデルの映画・ドラマ
- 丑三つの村 古屋谷雅人さん主演の映画です。不治の病と言われる結核を患った主人公が徴兵に志願するも不合格になり、村人から村八分にされ、婚約者からも見捨てられることで次第に追い詰められ凶行に走ります。津山事件を限りなく再現しているであろうこの映画は「凶悪犯罪者」という容疑者を作り上げてしまった背景を知る上で非常に参考になります。
- 八墓村 事件をもとにした小説のドラマで、多くの俳優陣が演じてきた金田一耕助シリーズの中でも人気があります。一人の男によって大勢の村人が次々と死んでいく様は、まさに津山事件を彷彿させる内容となっています。
津山事件がモデルの漫画
夜見の国 池辺かつみ著 こちらも丑三つの村同様容疑者の視点に立って事件が起きるまでを漫画にしている作品です。津山事件を取り上げているだけあって内容はグロテスクな部分が目立ちます。また、当時の村の風習でもあった夜這いについても追及しているため、内容は成人向けとなっています。スキマというサイトにて無料で読むことができます。
電子書店・電子書籍配信サイト スキマ https://www.sukima.me/book/title/BT0000230137/
リンゴ農家一家８人殺人事件
1953年に青森県弘前市のリンゴ農家の一家8名が泥酔した三男に猟銃で射殺されたというもの。犯人は射殺後自宅に放火しています。ここで紹介した２つの事件に共通しているのは、猟銃で多くの人間を射殺したという部分ですが、当時の記録にも残っており杉沢村のような都市伝説の側面は見られません。
ネットでのデマと憶測
ネットで杉沢村が認知されるにつれ、血の手形がついたり不審死が相次ぐといった話が多く広まるようになりました。中には異世界説などにわかには信じがたいような話も飛び交っており、杉沢村の事件は上記のような他の殺人事件をもとにしたデマだという意見も数多く聞かれています。
メディアが作り上げた杉沢村の都市伝説
デマだと噂される杉沢村が、ここまで広く認知され人々の興味や関心をかきたてる理由の一つにメディアの存在があります。有名な津山事件だけではなく杉沢村の事件も書籍や映画、テレビ番組に取り上げられることでまことしやかに囁かれる都市伝説となりました。
奇跡体験！アンビリバボー
今（2019年現在）からおよそ19年前の2000年「地図から消えた悪霊村 決死の潜入スペシャル」という題名でに杉沢村が取材されました。現在でも目にすることの多い長寿人気番組であり、この放送が一気に杉沢村に火をつけたといっても過言ではありません。
地図から消えた悪霊村 決死の潜入スペシャル概要
放送では杉沢村伝説の事件再現VTRから、視聴者から寄せられた心霊現象の紹介、そして杉沢村の場所の特定について詳しく掘り下げていました。しかし、アンビリーバボーの取材をもってしても杉沢村の場所の特定には至りませんでした。放送の内容については現在もYouTubeで確認することができます。
視聴者からの反応
視聴者からは「都市伝説としては面白いが、事件が本当にあったとは信じられない」といった内容のものと「都市伝説としては内容がリアル」等といった意見で大まかに二分されています。事件を調べれば調べるほど謎が深まる杉沢伝説ですが、その真偽は未だにわからないままです。
映画になった杉沢村伝説
杉沢村都市伝説 劇場版という題名で2014年に公開されました。乃木坂46の伊藤寧々さんが主演ということもあり、映画ファンのみならず乃木坂46ファンにも人気となった1本です。大まかに説明すると遊び半分で杉沢村に来たグループが、杉沢村の悲劇に巻き込まれていくといった内容になります。
まだまだある杉沢村の都市伝説
杉沢村の都市伝説は、心霊現象ばかりではありません。村の場所が見つからないことや、地図から抹消されたといった想像をかきたてるという側面から、現在でもネットでは様々な都市伝説が噂されています。その中でも特徴的な説を2つ紹介します。
杉沢村は極秘の軍施設だった！？
エリア51に代表されるように、極秘の軍施設というのは実はあまり珍しいことではありません。杉沢村の地図から抹消されたということから派生した説ですが、秘密にしなければならない理由があったと考えるとき、地下に有事の際の軍施設があると考えると不思議と説得力を感じますね。
杉沢村は空間の歪みに存在する
テレビ局の取材をもってしてもその所在を明らかにすることができなかった杉沢村ですが、ネットでは「杉沢村は空間の歪みに存在し、この世界に現れたり消えたりする」という意見もあります。神隠し的要素のある話は日本全国で聞かれることがありますが、杉沢村もその一つなのでしょうか。
杉沢村に行ってみた人に聞く杉沢村の現在
数は少ないながらもネットには杉沢村に訪れた人の体験談が掲載されています。体験談にもばらつきがあり真偽を確かめることは困難ですが、これから杉沢村を訪れようとされる方の指標の一つとなるでしょう。
鳥居がなくなっている
昭和の初めころに起きたとされる杉沢村の事件は、少なくとも今から80年～90年前の話と推測できます。村がなくなった後手入れをする人もいないため鳥居がなくなっていることも当然考えられます。特徴の一つであるドクロに似た石は村の入り口に現在も存在すると話されています。
伐採され開けた土地
杉沢村の現在は、村の入り口から周辺にかけて伐採され開けた土地になっているという話もあります。この情報をネットに書き込んだ人は地元の人間と自己紹介をしており、現実味の強い意見です。やはり村の特徴となるドクロの石は入り口に現在もあると説明されています。
謎解き脱出ゲームになった杉沢村都市伝説
杉沢村の都市伝説は携帯のアプリにもなっており、その話題性の高さが伺えます。現代の社会から隔離された閉鎖的な村と、過去の凶悪な事件、噂される心霊現象などメディアに取り上げられた印象通りの内容となっており、ミステリー、ホラーの話を好まれる方におすすめのアプリです。
杉沢村からの脱出
杉沢村のが題材となったゲームとして「杉沢村からの脱出」というゲームがあります。杉沢村からの脱出は脱出系の他に、謎解き要素やシナリオも読みごたえがありアドベンチャーゲーム的な側面もあります。主人公は女子高校生でかなり可愛いイラストですが、ゲームの怖さは折り紙付きです。
遊べる媒体
杉沢村からの脱出は携帯アプリでの利用となります。google playやApp Storeで無料で楽しむことができます。時間の空いた時に手軽にできることもあり、忙しい社会人に嬉しいゲームです。また、BGMの演出も恐怖感を煽るものになっており、スリルを求める方にはぜひともイヤホンを利用してのプレイをおすすめします。
