星空を鑑賞するというと望遠鏡というイメージがあります。しかし双眼鏡には三脚に固定したり細かい調整をしたりといった「手間が不要」という手軽さがあります。そのうえ空を見ること以外にもさまざまな用途で使えるメリットもあるのです。ここでは星空の観察におすすめの商品をご紹介します。
①ビクセン 星座観察用双眼鏡SG2.1×42
ビクセン社が販売している星座観察用の商品です。普通の景色を見ることもできますが、主に夜空を見ることを楽しみに使いたいという方にはおすすめです。海外製の安価の商品も多い中、価格は少し高めですがレンズ研磨から組み立てまで全て国内(埼玉県)でおこなっているというところにも信頼感が感じられます。
広い範囲を見渡せる専用双眼鏡
このモデルの一番の魅力は低い倍率ながら、とても広い範囲の星空を観察できるところです。肉眼よりも明るく見える視野は、見るというより見渡すという感覚のなので、星座だけでなく星雲や星団をじっくりと観察することが可能です。明るく見えるので都会でも楽しむことができます。
スペック
- ズーム倍率:2.1倍
- レンズ有効径:42mm
- 実視界:特性上存在しません
- コーティング:マルチコート
- アイレリーフ:特性上存在しません(眼鏡使用の場合視野が制限されます)
- 重量:408g
- 付属品:ソフトケース、ネックストラップ
②ビクセン 星見双眼鏡SG6.5x32W
上でご紹介した「SG2.1×42」よりも倍率の高いモノが欲しい、というユーザーの声に答えて開発された商品です。6.5倍という倍率にしながらも、特殊なブリズムやコーティングによって対象を明るく見ることができます。
星の色も鮮明に見れる
高い色再現性があるEDレンズを使うことにより、星の像がはっきり見えるとともに、星と星の色の違いまで見分けることができます。また、上を向いた状態で最もホールド感が高まるように設計されているのも専用モデルならではの利点です。防水仕様なので夜露に濡れても安心です。
スペック
- ズーム倍率:6.5倍
- レンズ有効径:32mm
- 実視界:9°
- コーティング:マルチコート
- アイレリーフ:20mm
- 重量:610g
- 付属品:ソフトケース、ネックストラップ
- その他:防水、三脚取付可
③オリンパス 10×42 PRO
光学機器の有名ブランドであるオリンパス社の商品です。有効径が42mmと大きな口径のレンズを使用し、最先端の誘電体多層膜コーティングを施しているためとても明るく対象物を見ることができます。
気温差でレンズが曇りにくい
本体内に窒素ガスを充填してあるため、急に気温差の大きい場所に移動してもレンズが曇りにくくなっています。星空が綺麗に見える寒い季節に、暖かい室内やテント内から出て使いたいようなシーンでも安心です。
スペック
- ズーム倍率:10倍
- レンズ有効径:42mm
- 実視界:6.2°
- コーティング:マルチコート
- アイレリーフ:眼鏡対応
- 重量:662g
- 付属品:専用ケース、ストラップ、対物レンズキャップ、接眼レンズキャップ
- その他:防塵防曇・防水
④ペンタックス SP 10×50 WP ポロプリズム
ペンタックスが販売するポロプリズムタイプの最上位のシリーズ商品になります。光のロスが少ないポロプリズムや大口径のレンズを使用しているため、とても明るく対象を見ることができ星空の観察にも適しています。
大口径レンズの明るさ
有口径が50mmという大きなレンスを使用し、全てのレンズとプリズムにマルチコーティングを施しているのでとても明るく見ることが可能です。また、本体内に窒素ガスを封入することで急な温度差があってもレンズが曇りにくくなっています。寒い季節の星空観察にはありがたい機能です。
スペック
- ズーム倍率:10倍
- レンズ有効径:50mm
- 実視界:5°
- コーティング:マルチコート
- アイレリーフ:眼鏡対応
- 重量:1,060g
- 付属品:ケース、ストラップ
⑤ニコン アクションEX 7×50 CF
ニコンの大口径レンズを使用したモデルです。アウトドアはもとより星空観察用としても人気のあるモデルです。ポロプリズム式なので重量は1kg近くになりますが、大きなレンズと相まってとても明るく見れるモデルです。
眼鏡をかけたままでも見やすい
アイレリーフが17.1mmあるので眼鏡をかけたままでも視野が制限されずに星空を見ることができます。有効径が50mmと大きく7倍の倍率があるため、月面や金星、木星とその衛星なども見ることが可能です。
スペック
- ズーム倍率:7倍
- レンズ有効径:50mm
- 実視界:6.4°
- コーティング:マルチコート
- アイレリーフ:17.1mm
- 重量:998g
- その他:防水、三脚取付可
バードウォッチングで使いたいおすすめ双眼鏡5選!
離れたところから鳥を観察するバードウォッチングに双眼鏡は必需品です。普段では見ることのできない野鳥のしぐさや表情などを見るのには8〜10倍くらいの倍率は欲しいところです。また、屋外での使用がメインになるので防水機能もあったほうが安心です。ここではそんな中からおすすめのモデルをご紹介します。
①オリンパス 8x40DPSⅠ
オリンパスの大口径レンズのモデルです。本体カラーはブラックで高級感があるだけでなく光を反射しにくいマットな仕上げなので、バードウォッチングなど周囲の変化に敏感な野生動物の観察に最適です。
視界が広く野鳥を追いやすい
実視界が8.2°と広いので動いたりする鳥を追いかけながら観察するのに向いています。接眼側のレンズにはUVプロテクションが施されており長い時間観察していても目が疲れません。この性能でありながら購入しやすい価格なので、初めて双眼鏡を買ってみようと考えている方にもおすすめの1台です。
スペック
- ズーム倍率:8倍
- レンズ有効径:40mm
- 実視界:8.2°
- コーティング:—
- アイレリーフ:12mm
- 重量:712g
- 付属品:専用ケース、ストラップ
②ビクセン アトレックⅡ HR10x25 WP
アウトドアで使用することをメインに考えられたビクセン社の丈夫なモデルです。小さくて軽い本体にはラバーボディーを使用しておりアウトドアでのハードな環境でも安心して使うことができます。
長時間の観察でも疲れにくい
アイレリーフが15mmあるので、裸眼ではもちろん眼鏡をかけた状態で長い時間野鳥を観察していても、目が疲れにくくなっています。また、防水仕様なので水辺での水鳥の観察や天候の急変による雨でも安心して使用できます。
スペック
- ズーム倍率:10倍
- レンズ有効径:25mm
- 実視界:6°
- コーティング:マルチコート
- アイレリーフ:15mm
- 重量:358g
- 付属品:ソフトケース、ネックストラップ、対物レンズキャップ、接眼レンズキャップ
- その他:防水、三脚取付可
③ビクセン アルテス HR 8.5x45WP
価格が10万円を軽く超えてくるビクセン社の最上級モデルです。天体望遠鏡でも使われるEDガラスや高反射率のマルチコーティングなど、明るくクリアに見れる性能はバードウォッチングでも活躍してくれます。
完全防水で本格的な観測にも使える
このモデルは完全防水仕様で外装には耐候性の高いエラストーマ樹脂も使用しています。そのため趣味のバードウォッチングだけでなく、雨天など水がかかる環境の中での長時間の観測にも使用することができます。ボディーに剛性の高いマグネシウム合金を使用しているとても頑丈で高機能なモデルです。
スペック
- ズーム倍率:8.5倍
- レンズ有効径:45mm
- 実視界:7°
- コーティング:マルチコート
- アイレリーフ:17.5mm
- 重量:885g
- 付属品:ソフトケース、ストラップ
- その他:完全防水、三脚取付可
④ニコン モナーク7 8×30
ニコンの小さいながらも高性能なモデルです。アウトドアでも思いっきり使えるよう、本格的な防水機能やレンズキャップの紛失を防ぐためのフリップダウン式対物レンズキャップが使われています。
色にじみのないクリアな視界
天体望遠鏡でも使われるEDガラスを使用しているため、色のにじみのない視界がえられます。バードウォッチングでさまざまな色や柄をしている野鳥の観察をするのにも最適です。アイレリーフが15.1mmあり眼鏡をかけている方でも気にすることなく使えるのがありがたいです。
スペック
- ズーム倍率:8倍
- レンズ有効径:30mm
- 実視界:8.3°
- コーティング:マルチコート
- アイレリーフ:15.1mm
- 重量:435g
- 付属品:ケース、ストラップ
- その他:防水
⑤コーワ BD 8×25 GR
コーワは興和光学株式会社といい、医療用機器に使われる光学製品の設計から製造を手がけているメーカーです。このBDシリーズは高機能を小さなボディーに詰め込んだコーワの中間グレードのモデルになります。
近くも観れるピント機能
8倍の倍率は野鳥観察にも十分ですが、最短1.5mのピント機能なので近くの木や花などを観察することができます。重さが320gと軽いので屋外への持ち出しにも便利です。また、窒素ガス充填による完全防水のため、雨水が入ったりして内部にカビが発生する心配がありません。
スペック
- ズーム倍率:8倍
- レンズ有効径:25mm
- 実視界:6.3°
- コーティング:マルチコート
- アイレリーフ:15.8mm
- 重量:320g
- 付属品:専用ケース、ストラップ
- その他:防水
双眼鏡の正しい使い方を知ってもっと楽しもう
どんなに高機能な商品を手に入れても、その正しい使い方や調整の仕方を知らずに使っていたのでは宝の持ち腐れです。ここではキヤノンのモデルを事例に正しい使い方を解説します。正しい使い方を理解した上、双眼鏡を使ったアクティビティーを楽しんでください。
①アイカップの高さを調節する
目を直接つける部分のパーツをアイカップ(目当てゴム)と言います。眼鏡をかけている方はアイカップの高さを見やすい位置に調節してください。アイカップはゴムを折り返したり回転させて動かすタイプなどがあります。
眼鏡をかけている方がこの調整を正しく行わないと、覗いたときに周囲の部分が黒く見えるようになってしまいます。これができるのはアイレリーフが十分あり眼鏡対応しているモデルが対象になります。
②接眼レンズの幅を合わせる
接眼レンズの幅を自分の目の幅に合うように調節します。このとき2つの円の1部が重なって見える状態でなく、1つの円として見える位置が正しい位置になります。この調整が正しくできていないと両目でしっかり見ることができないので、不快ですし疲れやすくなります。
③左眼だけでピントを調節する
まず右目をつぶって左眼だけでのぞいた状態でピント調節つまみ(ピントリング)を回してピントを合わせます。この調節が正しくできていないと両目がバラバラに見ている感じで気持ちがよくありません。なお、今まで紹介してきたモデルに手ぶれ補正機能のものはないので写真ないのPointは無視してください。
④右目だけでピントを調節し完了!
つぎに左眼をつぶり右眼だけでのぞいた状態にして、右眼の接眼レンズについている視度調整リングを回して調整します。右眼ではっきり見えるように調整してください。これで準備は完了です。両目できっちり見えており長い時間見ていても疲れにくいので、思いっきり楽しんでください。
双眼鏡が活躍するその他のシーン
スポーツ観戦やライブなど4つのシーンで活躍するおすすめ商品をご紹介してきましたが、そのほかにも活躍する場面はたくさんあります。ここでは4つのシーン以外で双眼鏡が役立つ場面をいくつかご紹介します。購入した商品を有効活用する参考にしてください。
アーチェリーの監的
オリンピックの競技でも有名なアーチェリーですが、70メートル先の的に矢を放ち当たった位置により点数を競う競技です。的のどこにあたったかで点数がかわります。的のそばに人が待機していなくても自分で確認できるのでとても便利です。
美術館や博物館
あまり近寄れない位置に展示されている絵画や美術品などを詳しく見るのにも役立ちます。天井に描かれた絵などを鑑賞するにはうってつけです。とても静かで落ち着いた場所なので、見たいときにさっと取り出せるあまり目立たない小さなモデルがおすすめです。
競馬観戦
最近はデートスポットとしても注目されている競馬ですが、競馬の観戦でも活躍してくれます。レース中だけでなくレース前の待機している馬の状態もはっきりと見ることができます。ベットしていてもしていなくてもお気に入りの馬の表情を近くで眺めるように見えて楽しむことができます。
花火大会
まじかで見る花火は見るだけでなく音や体に響く振動も迫力満点ですが、もし、ちかくまで行けない場合でも双眼鏡で見るという手があります。星空鑑賞で紹介したモデルも参考に渋滞や人混みと無縁な花火鑑賞を楽しんでみてはいかがでしょう。
目的に合った双眼鏡を選んで思いっきり楽しもう!
ここまで目的別におすすめのモデルや双眼鏡の正しい使い方をご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。もちろんこれだけでなく、あたなのアイデア次第ではまだまだ活躍するシーンがあるはずです。
今回の記事も参考にあなたの使い方に最適なモデルを選んで思いっきり楽しんでください。また、寒い季節のスポーツ観戦や夜空の綺麗なキャンプ場などでの星空鑑賞は足元から冷えるものです。そんなときには、ひざ掛けなども持参し暖かくして過ごしてください。