オヒョウとはどんな魚?巨大魚の生態、食味や調理方法、釣り方を解説!

皆さんは、「オヒョウ」という名前の魚を聞いたことがありますか?オヒョウはカレイ科の大型種で、イギリスではポピュラーな食材となっており、日本でもヒラメの代用魚として寿司店などで提供されています。この記事では、オヒョウの生態、食味や調理方法、釣り方を解説します。

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そもそも「オヒョウ」とは?

オヒョウとはカレイ目カレイ科オヒョウ属に属する魚の一種で、最大で4mほどにも成長する世界最大のカレイの仲間です。英語ではhalibut(ハリバット)といいます。平たい形で両目は体の右側に寄っており、大きな口が特徴です。聞きなじみはないかもしれませんが、身はおいしく、実はよく食べられている魚です。

そもそもオヒョウとは北海道で呼ばれていた名前で、漢字では「大鮃」と書きます。「鮃」は「ひらめ」と読みますが、昔はヒラメとカレイが厳密に分けられていなかったためついた名です。また「大兵」という字もあり、これはオヒョウの獰猛な性格からあてられた字です。地方によってはオガレイ、マスガレイなどとも呼ばれています。

オヒョウの生態は?

オヒョウはオスが1~2m、メスは3~4mほどにまで成長する非常に大型の魚です。カレイの仲間では最大級で、泳ぐ様子は布団が泳いでいるようだともいわれます。なぜここまで大きくなるのか、オヒョウの生態を生息域・エサ・生活パターンの3つの要素から見てみたいと思います。

オヒョウの生態①:生息域

オヒョウは主にオホーツク海、ベーリング海、アラスカ湾などの北半球の冷たい海に生息しています。日本近海では青森県、日本海側の石川県以北などでも見られますが、いちばん多いのは北海道東部・北部です。水深30mから2000m程度の海底に生息しており、特に400mより浅い場所に多いようです。

オヒョウの生態②:エサ

オヒョウは肉食魚(フィッシュイーター)で、非常に食欲旺盛な魚です。小さいときはプランクトンや甲殻類、タコなどを食べますが、大型のものになるとマダラやスケトウダラなども襲って食べます。水鳥を食べてしまうこともあります。釣りでは魚の切り身やイカなども餌に使われます。

オヒョウの生態③:生活パターン

オヒョウは10月から翌年2月ごろに、水深200~500mほどの深い海域で産卵します。そして夏には水深約30~300mの浅い海域で活発にエサをとります。冬は深い場所のほうが水温が安定していることが多いので、寒い時期になるとやや深い場所へと潜っていきます。

1年で10cmほどしか大きくならず、成長は比較的遅い魚ですが、寿命が約30~40年と長いため巨大に成長します。150年以上生きているオヒョウが捕獲されたこともあります。ちなみに、メスのほうが成長が早く、寿命も長いようです。

オヒョウの食味は?

オヒョウは巨大ですが、普通サイズのカレイと同じく食べることができます。肉食魚ですがよく泳ぎまわるため淡白な白身で脂が少なく、身が締まっているのが特徴です。アラスカをはじめとするアメリカやカナダ、ヨーロッパ北部などでも獲ることができ、様々な国で食用にされています。

世界的には良好な評価

オヒョウは様々な国で食べられている食材ですが、どの国でもおいしいと評判の魚で、やや高級魚として扱われることが多いようです。イギリスなどではフィッシュアンドチップスの白身魚にオヒョウが使われることもあります。タラやカレイなども使われますが、オヒョウも人気です。

日本では大味と評価され、市場価値も低め

日本においてはオヒョウが水揚げされることはあまりありません。北海道では時期によってはスーパーに売っていることもあるようですが、関東以南で市場に出回ることはほぼないと言ってよいでしょう。

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