先に説明した通り、バックラッシュはスプールの回転がラインの放出を超えてしまうことで起こります。つまり、スプールをコントロールすることで抑えることができます。キャスト直後は、いつでもサミング(親指でスプールを押さえること)ができるように、構えておきましょう。
バックラッシュルアー減速時
キャストしたルアーが減速、とくに風が強い向かい風の時はバックラッシュに注意が必要です。ルアーが減速した時は、サミングを行います。コツとしては親指全体ではなく、スプールの端を親指の側面で触るようにすると、コントロールがつきやすくなります。
バックラッシュ着水後
ルアーが着水した時にスプールを解放状態にすると、そのままラインが放出されてバックラッシュの危険性があります。着水する瞬間にスプールを親指でしっかりと止めることで抑制することができ、同時にルアーの着水音も静かになるので、バスに警戒心を与えないためにも大事になります。
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ベイトリールの使い方のポイント④ブレーキ設定
近年、各メーカーのリールに搭載されているブレーキシステムが進化していて、中には電子制御でブレーキをかけるタイプもあります。ここでは、バックラッシュを阻止するブレーキの設定方法や、ブレーキの種類を解説いたします。
ブレーキ設定をすることでバックラッシュを阻止する
まず、初心者の方はメカニカルブレーキを少し強めにすることでバックラッシュが抑制できるのでおすすめです。サミングが上手になったら、徐々にメカニカルブレーキの効きを弱くしていくことで上達が早くなります。
ブレーキ設定の方法:遠心ブレーキの場合
遠心ブレーキは、その名の通り遠心力の強弱でブレーキの強さをコントロールします。スプールの側面のブレーキブロックを外側にするとON、内側にするとOFFになり、ブレーキブロックが外側にくる数で調節することができます。
ブレーキ設定の方法:マグネットブレーキの場合
マグネットブレーキは、磁気の力でコントロールすることができます。よくあるのがリール側面に1から10の数値が入ったダイヤルがあり、数値が大きくなるとともに磁力が加わり、ブレーキが強くかかります。
ベイトリールの使い方のポイント⑤サミング・ドラグ調節
スプールの回転を調節してバックラッシュを防止するだけではなく、魚と格闘する際のドラグ調整にも使えるとても大切なテクニックです。ここではサミングの方法やコツについて詳しく説明いたします。
サミングとはスプールを抑えて回転を調節すること
サミングは親指でスプールを押さえて回転をコントロールすることをいいます。キャスティングするときは、親指の側面で触れる程度に押さえてバックラッシュを防ぎます。実は、サミングはバックラッシュ防止だけでなく、ドラグ調整することもできるのです。
ドラグについて
ドラグとは、魚がかかった時にラインが切れないようにラインテンションをコントロール部をいいます。主にリールのハンドルにドラグノブが付いていて、ノブを締めたり緩めることでドラグの強弱調節をします。また、サミングによるドラグは感覚的に強弱をつけることができます。
ドラグ調節は指を使うと簡単
サミングによるドラグは、親指の腹の部分を使います。強くかけたい時は強く押し、弱めにかけたい時は軽く触れる程度に押さえます。このテクニックは、ドラグノブで大体の強さに設定し、あとは魚の引きに合わせてサミングドラグを併用するパターンが基本です。
ベイトリールの使い方のポイント⑥投げ方
ルアーをキャストする時は、ロッドのトリガーに指をかける、リールのクラッチを切る、投げるの3段階で投げることができます。ここではルアーフィッシングの基本であるオーバーヘッドキャストを例にしてキャスティングの説明をいたします。
ベイトリールの投げ方①竿に指をかける
まず人差し指をトリガーにかけて、中指・薬指・小指はトリガーの後になるように持ちます。稀に人差し指と中指をかける方がいますが、2本かけてしまうとルアーにパワーが伝わりにくく、飛距離も出ないので、一番パワーが伝わりやすい人差し指がけをおすすめします。
ベイトリールの投げ方②クラッチを切る
トリガーに指をかけたら、次は親指でクラッチを切ります。クラッチを切った状態で指を離すと、スプールからラインが放出され、勢いでバックラッシュが発生する場合があるので、クラッチを切ったら、そのまま親指でスプールを止めておく癖をつけておきましょう。
ベイトリールの投げ方③投げる
クラッチを切ったら、いよいよ投げるだけです。ルアーは、タイミングよく親指を離すことで勢いよく飛びます。コツとしては、竿先を時計の針で見立て、10時から2時の位置で親指を離すイメージです。もちろんルアーが飛んでいる最中はバックラッシュ防止のサミングでコントロールしましょう。
ベイトリールを作ったシェイクスピア
大昔のベイトリールは、ギアがなく、ハンドルとスプールが直結しているので、ラインと巻き取りが遅く、クラッチやブレーキなどもないため、指でブレーキをかけてキャストするダイレクトリールと呼ばれるタイプしかありませんでした。
スプールにラインを均等に巻く技術を考案
大きく時代が変わったのは1896年で、釣り具メーカーのシェイクスピアの創設者ウィリアム・シェイクスピア・ジュニアが、スプールにラインを平均に巻き取るレベルワインダーを考案し、そのシステムが現行のほとんどのリールに採用されています。
バスフィッシングの時代を築いた名機「ワンダリール」
さらに彼はブレーキをかけているにも関わらずバックラッシュで悩む釣り人のために、新しくブレーキシステムを考案し、1939年に「ワンダリール」を作り、多くのアングラーが手にした大人気リールとなり、現在でもオールドファンから指示を受けています。
ベイトリールで軽いルアーを投げるベイトフィネス
冒頭で、リールの使い分けとしてベイトリールは重たいルアー、スピニングリールは軽いルアーを投げると説明しましたが、実はベイトタイプでも軽いルアーを投げることができる「ベイトフィネスリール」があります。
ベイトフィネスとスピニングリールの違い
ベイトフィネスは、太いラインで軽いルアーを投げることができます。スピニングリールを用いた釣りとの大きな違いが手返しの良さです。スレたバスを相手にする時、ルアーを小さくしたいけど、ラインは太く、そしてテンポよく攻めたい時などはスピニングより断然有利です。
ベイトフィネスはテンポよく軽いルアーが扱える
例えば、立ち木やウィードエリアなどのストラクチャー多いポイントで、ノーシンカーワームや軽いテキサスリグを、数多く撃ちたい時に有効です。もちろん、シャッドや小型のクランクベイトなどスモールプラグにも適しています。
ベイトリールを正しく使って楽しく釣りをしよう
ベイトリールは、重いルアーを投げられるだけではなく、太いラインでデカバス相手にパワー、そして片手で扱える手返しの良さが魅力のリールです。入門者や初心者の方は、エントリー用のモデルで慣らしておくと良いでしょう。
どうしてもバックラッシュはつきものですが、ブレーキの調整や経験で、ライントラブルは減っていくので、最初は正しいキャスティングを意識することが重要です。慣れてきたらスペックが高いリールを使って、釣りを楽しみましょう。