ベラってどんな魚
北海道南部から南西諸島の日本沿岸に生息している海水魚です。体長は1mを超える大型な種類もいますが、ほとんどの種類は体長30cmほどの小型魚です。体の色は緑色や黄色など鮮やかな色が特徴的な魚で、観賞魚としての需要もあります。食用として市場などに並ぶことはほとんどありませんが、美味しい魚でもあります。
ベラの生態・特徴
ベラの仲間は性転換をする魚としても知られています。雌性先熟といい、まず雌として生活していき、やがて雄の機能を持つように成長していきます。関東ではあまり人気のないベラですが、瀬戸内では専門の船が出るほどよく食べられている白身魚です。ベラが繁栄しているのは熱帯、亜熱帯域の珊瑚礁地帯です。日本では沖縄などでよく見かけます。
ベラの釣り方
ベラは堤防からでも沖合でも釣れる魚です。釣り方は色々とありますが、釣れる地域であれば五目釣りという方法でも釣ることができます。注意したいのがハリの大きさで、小型で口が小さい為、小さめのハリを選択しましょう。キスバリの6号程度が良いと思います。何にでも食いつきますので、えびやキビナゴなどを餌にして釣ることができます。
ベラの種類
ベラの仲間は海水魚の中では、ハゼ科に次いで種類が多い魚で、ハタ科とも並ぶほどです。日本では北海道から沖縄まで生息しており、世界では温暖な海に広く分布しています。世界では約520種類、このうち日本産種は約146種類分布されていると言われています。
ベラは漢字でどう書くの?
ベラは漢字で書くと「倍平」と書きます。これは、ベラの仲間が靴べらのように平でひらたいことから付けられたと言われています。ただ当て字とも言われています。ベラにも様々な種類があり、一概にすべての種類が平らな形でもありません。
同じベラ科であるコブダイの記事もありますので、参考にされてください。
ベラの見分け方
ベラの仲間だけでも数多くの種類が分布しており、同じベラ科だけあって似たような姿形のベラが多くいます。ここからは一般に食べられている「キュウセン」と間違えやすい「ニシキベラ」の見分け方を画像をみて、詳しく解説していきたいと思います。
食用とされる「キュウセン」とは?
ベラの仲間に分類される魚の1種です。雌の体に9本の線条が見られることから、そう呼ばれています。雄は青い体色のため「青ベラ」、雌は赤色のため「赤ベラ」とも呼ばれます。美味しい白身魚で、東日本では人気がありませんが、西日本ではとても人気のある魚です。特に、瀬戸内海では釣りも食用としても人気がある魚の1つとなります。
間違いやすい「ニシキベラ」との違い
同じベラの仲間で、他のベラ科と同じように派手な体色をしています。食用にはあまり向きませんが、逆に食用となる「キュウセン」とよく間違えられます。キュウセンとの違いは、腹部に目立つ赤い線があること、雄の体に大きい黒色の斑点がないことで見分けられます。また、キュウセンの雌は体が赤みを帯びるため、簡単に見分けることができます。
ベラは寝るの?
私たち人間や、犬や猫といった動物も夜もしくは昼に睡眠を必ずとりますよね。実は人間や動物と同じように魚も眠ります。ただ、ほとんどの魚にはまぶたがありませんので眠っているのか起きているのかはわかりません。眠り方は様々で、岩陰や海草の間で眠ったり、水中でじっとして睡眠をとっているようです。
ベラの眠り方は?
魚や種類や生息環境によって眠り方はも変わってきます。また、眠る時間も様々で、昼になる魚もいれば夜になる魚もいます。砂底に住んでいるベラの仲間は、夜になると体を横にしながら砂の中に潜って眠り、朝になると活動を開始します。
ベラがおいしい旬はいつ?
ベラは美味しい白身魚であることは説明しましたが、より美味しく食べられる旬はいつ頃なのでしょうか。せっかく食べるのであれば、より美味しい時期に食べてみたいですよね!ここからは、いつとれたベラがより美味しいのか、旬の時期を説明していきたいと思います。
ベラの旬は春〜夏
地域によってバラツキはありますが、産卵期は6月〜9月となります。その為、産卵のために身に栄養を蓄え始める春から夏までがベラの旬と言われています。旬のベラはそうでない時期と比べて、肉厚で身体に脂がのり旨味も格段に上がります。ベラを食べるのであれば、春から夏頃がおすすめです。
旬のベラの味
ベラの身の見た目は白っぽく、繊維質のない綺麗な白身と言われています。身質は柔らかくもちもちとした食感です。味はクセがなく、あっさりとした味わいが癖になります。旬なベラともなれば、身質や味も格段に良くなり絶品です。
ベラのぬめりの取り方
ベラの特徴として体表のぬめりがあります。これは、ウロコと同じように体を守ったり、体液の調節をするためにあります。しかし、食べる時にはこのぬめりが気持ち悪かったり、魚特有の魚臭さの原因にもなっています。そこで、食べる時には邪魔になる「ぬめり」の取り方を説明していきたいと思います。
いっぱいの塩を振る方法
ウロコを取る前にこれでもかと塩を振りぬめりを取る方法です。ボウルにウロコを取る前のベラを入れ、たくさんの塩を振ります。手で擦り合わせるようにぬめりを取っていき、最後に水で綺麗に洗い流します。ぬめりが落ちてない場合は再度塩を振り、ぬめりをしっかりと落としましょう。この方法が一般的なぬめりの取り方です。
水の中でウロコを取ってしまう方法
塩を振ってぬめりを取った後にウロコを取る方法が一般的ですが、塩を振らず水の中でウロコを取る方法もあります。やり方はボウルなどに水を張り、ベラが完全に浸かるまで水につけ、ウロコ取りという道具でウロコを取っていきます。ウロコが周りに飛び散るのも防げます。
ベラの捌き方
ぬめりとウロコを取った後には、様々な料理に使えるように捌いていきます。ベラは小型の魚ですので、コツさえわかれば大型の魚よりも力が入らず、簡単に捌くことができます。ここからは、手順ごとにベラの捌き方を解説していきたいと思います。参考にして、ベラを捌いてみてください!
ベラの捌き方:手順①
ウロコを取ったベラの顎のあたりから包丁を入れ、腹を開き内臓を取っていきます。この時、流水で洗い流しながら指で内臓を取ると綺麗に取れます。内臓が取れたら、しっかりと水洗いしましょう。胸ビレの付け根に包丁を入れ、グッと力を入れ、頭を切り取ります。小型の魚なので、骨も太くなく、比較的簡単に頭を落とすことができると思います。
ベラの捌き方:手順②
内臓が取れたら、胸ビレの付け根に包丁を入れ、グッと力を入れ、頭を切り取ります。小型の魚なので、骨も太くなく、比較的簡単に頭を落とすことができると思います。怪我をしないように注意してくださいね。
ベラの捌き方:手順③
頭を落としたら、背中側から包丁を入れ三枚におろしていきます。まずは頭側から包丁を入れ、中骨に沿って尻尾側に切っていきます。この時、身を指で持ち上げながら切っていくとやりやすいです。最後に尻尾の身まで切ります。次は反対側です。魚をひっくり返して、先程と同じように捌いていきます。