これがモンゴリアンデスワームだ!
モンゴリアンデスワームとはどのような生き物なのでしょうか?はじめに、そのおどろおどろしい名前の由来や、外見的な特徴、そしてどんなところに生息しているのかについてご説明するところから始めましょう。
名前の由来
モンゴリアンデスワームとはその名前の通り、モンゴルのゴビ砂漠周辺に生息すると言われている巨大なミミズのような未確認生物(UMA)です。その姿形が牛の腸に似ていることから、現地ではモンゴル語で「腸虫」を意味する「オルゴイホルホイ(олгой-хорхой)」と呼ばれています。
モンゴリアンデスワームの特徴
この生き物は前述のように、ミミズやイモムシのような外見をしています。全長は約50cmから成虫で1.5mほど、さらに最大でなんと3.5mにも達すると言われています。太さは人間の腕ほどもあり、赤や赤茶、茶褐色の体色をしていると言います。基本的には砂の中にいるのですが、6月から7月の梅雨の時期になるとよく地表に出てきます。
生息域
この生き物が生息するというゴビ砂漠は、中国の内モンゴル自治区からモンゴルにかけて広がっています。東西は約1600km、南北は約970km、総面積は約130万km2と日本の3倍以上の広さを誇る砂漠です。夏の最高気温は45℃を超える一方で冬の最低気温はマイナス40℃を下回ることもあるという、非常に厳しい環境の土地です。
モンゴリアンデスワームの驚愕の生態
「デス(死)」を名前に持つだけあって、獲物に対して数メートルも先から飛びかかる、その出現時には周辺のクモやヘビが姿を消す、といった凶暴性を示すような証言が知られています。そのほかにも次のような驚くべき生態があります。
驚愕の生態①毒液を吐く
なんと、獲物や外敵に対して致死性の毒液を吐きかけて攻撃すると言われているのです。これは、毒性の高いGoyoと呼ばれる植物を食べることで体内に毒をため込んでいるのだと考えられています。また、蒸気のような毒をまき散らすという説もあります。
驚愕の生態②火や電気を放つような攻撃
さらに、距離のある相手に対して毒液のみならず、火や電気の様な刺激を放つという話もあります。これについては噂に尾ひれがついた感が強いですが、もしそんなことができる生き物が本当に実在するならば非常にロマンのある話です。
モンゴリアンデスワームの目撃情報
その存在が噂されるようになってから現在まで、この恐ろしい生き物にはたくさんの目撃談が知られています。嘘か本当か分からないような情報もありますが、ここではそのうちのいくつかをご紹介しましょう。
たくさんの目撃情報が!
- 1960年代にレンジャーが、1匹のデスワームがラクダの群れに襲いかかり全滅させるところを目撃した。
- 1973年5月のある明け方のこと、退役陸軍大佐のフルブーという人物がバイクで走行中に、全長約60cmで茶色い鱗を持つソーセージのような生き物が丸まっているのを発見した。
- 2004年、ズルガナイという名のオアシス付近で、草刈中の住民数人が茶褐色で40cm程の小さな個体を発見した。一人の男が手にしていた棒に引っ掛けて遠くへ投げると逃げて行った。
- ある地質学者が鉄の棒で地面を突いていると、突然倒れてしまった。驚いた同僚が助け起こしたが彼はすでに死んでおり、そのとき地中からデスワームが出現した。死んだ地質学者はデスワームに直接触れていたわけではなかった。
- 馬に乗っていた男がデスワームを棒で突いたら、棒の先端が緑に変色したと思うと馬もろとも死んでしまった。
- 気付かずにデスワームに触ってしまった男が、燃える様な激痛に襲われたので冷却するために慌てて氷袋に手を突っ込んだ。すると、氷袋の中の水が緑色に染まった。
- デスワームらしき生き物の死骸を乗せた鉄板が緑色に変色した。死骸をフェルトで三重に包むと布地が緑色に変色し、死骸はまるでなめし革の様に縮んでしまった。
モンゴリアンデスワーム実在の可能性が示唆されている理由
この驚くべき生き物については、様々な国の学者やジャーナリストなどによって何度も調査が行われています。現在に至るまでその存在を確実にする証拠は発見されていませんが、実在の可能性を信じている人々が多いのです。
ゴビ砂漠で調査が行われた
この生き物が潜んでいるとされるゴビ砂漠において何度も調査が行われてきました。代表的なものとしては、1990年から1992年にかけてチェコの未確認生物研究家であるイワン・マッカールが行った調査が知られています。この調査によって多くの目撃談が収集されました。
1800年代から行われている
こういった調査は、1800年代初頭にロシアの調査隊がデスワームの存在を認識したことがきっかけで始まり、数百人がその毒によって死亡したと伝えられています。モンゴルが社会主義国家であった時代には外国人による調査は難しかったのですが、1990年代以降は調査が活発になりました。
2005年の調査結果
2005年には、未確認生物研究家のリチャード・フリーマンを中心とするイギリスの研究チームによって調査が行われました。結局その存在が発見できなかったことから架空の生き物と結論付けられましたが、しかし地中を掘り進む何らかの動物の痕跡など完全に否定するにはもったいない結果が報告されています。
モンゴリアンデスワームの正体を検証!
モンゴリアンデスワームの正体について、ゴビ砂漠における調査によって確認された動物などからいくつかの仮説が唱えられています。いずれも、先ほどまでにご紹介した目撃談にあるような生態に合致したものです。
仮説①地中に生息する爬虫類
砂漠と聞くと不毛の大地をイメージしてしまいがちですが、実はゴビ砂漠にはトカゲやヘビなどの様々な爬虫類が生息しています。モンゴリアンデスワームの正体はこれらを見間違えたもの、または新種の爬虫類なのではないかという仮説です。
仮説②ミミズトカゲ
爬虫類のうちでもミミズトカゲは地中生活に適応し四肢や目が退化した仲間で、全長70cm近くになる種がいることが知られています。ミミズのような外見をしており獰猛な捕食者である点など、噂される特徴と一致します。現在のところミミズトカゲがゴビ砂漠に生息するという情報はありませんが、新種のミミズトカゲだという可能性はあります。
仮説③陸生に進化した電気ウナギの仲間
電気ウナギは南米の河川に生息する魚で、自らの体で発電した電気を用いて捕食を行います。その電圧はなんと900Vに達する場合もあり、馬が感電死してしまうと言います。もしこれらの仲間で陸生に進化したものがいて、それが正体だとすると、電撃のような攻撃を行うという情報についても少し信ぴょう性が出てきます。
実在する巨大生物たち
モンゴリンデスワームの正体は虫ではなく爬虫類などほかの動物かもしれません。しかし実在することが分かっている環形動物や節足動物の中にも、それに負けないほどの巨大さを誇るものがいるのです。
巨大生物①オニイソメ
オニイソメとは環形動物の一種で、熱帯の海に生息するゴカイの仲間です。海底の砂の中に潜んで魚などに襲いかかり、鋭い歯によって獲物を真っ二つにしてしまいます。その全長はなんと3mにも達すると言いますから、あながちモンゴリアンデスワームの大きさが誇張だとも言えないことが分かります。
オニイソメについてもっと知りたい方はこちらもご覧ください