カツオの種類を徹底解説!見分け方もご紹介

カツオはたたきや刺身などで親しまれてい日本の代表的な魚です。普段私たちが食べているカツオには、たくさんの種類があるのです!普段食べているカツオはいったいどの種類なのでしょうか?この記事ではそんなカツオの種類や見分け方を紹介していきます!

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節約料理とダイエットに勤しむ会社員です。冷蔵庫にある食材でアレンジできる料理などを研究中。
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カツオは種類がたくさん!

カツオにはたくさん種類があることは知っていますか?「カツオ」という名前がつくものだけでも数種類存在し、それ以外でも、カツオの仲間として数えられるものがあります。普段食べているカツオ料理がどのカツオを使っているか知るとまた違った楽しみ方ができます。

カツオはよく料理に利用されている


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カツオは私たちにとても馴染みが深い魚です。刺身はもちろん、表面を炙ったカツオのたたきも有名です。ステーキや竜田揚げなど過熱した料理も見かけます。それだけでなく、カツオから取った出汁やカツオの削り節など、カツオ料理だけでない様々な料理にも利用されています。

カツオの種類と見分け方をご紹介


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このように様々な料理で見かけるカツオですが、釣られたての実物を目にする機会は多くないので種類が多いといってもあまり実感がわかないかもしれません。ではどのような種類があるのか、画像と一緒に見ていきましょう。

カツオの種類と見分け方①本カツオ

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まずご紹介するのは皆さんご存知の本カツオです。本カツオは、カツオの中では一番有名な魚です。捌かれる前の姿を見たことがなくても、「名前は聞いたことある!」と思う人も多いのではないでしょうか?

一番よく食べられるカツオ!


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カツオは種類が多いといっても、スーパーでよく見かけ食卓に並ぶのはこの本カツオです。生食でも加熱でもおいしく食べられます。多くいるカツオの仲間の中でも脂が多いものや生食に向かないものもいるので、一番ベーシックで色々な料理に使えるカツオなのです。

本カツオの生態

カツオは回遊の範囲が広く、温かい海流を好む魚です。夏には餌を求めて黒潮に乗って北上し、秋になると再び温かい海流の方へ南下してくるという習性があります。また、クジラやジンベエザメなど、大きな魚の近くで泳ぐこともあります。これは天敵から身を守るための習性だと言われています。

本カツオの見分け方

本カツオは、銀色の腹に黒い縞模様が通っているのが特徴的です。実は生きている間は縞模様がないのですが、釣ったあとにこの縞模様が浮かび上がってきます。この模様はカツオが興奮状態にあるときに出るものなので、水揚げされて間もないものはくっきりしています。

本カツオの食べ方

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多くの料理に使われる中でも、一番よく食べられるのは刺身とたたきです。全国どこでも食べられますが、高知県のカツオが特に有名です。カツオには旬が2回あり、初夏(初カツオ)と秋(戻りカツオ)で味や食感が異なるため食べ比べしてみるのもいいでしょう。

本カツオの食べ方はこちら

カツオの種類と見分け方②シマガツオ

シマガツオはカツオの仲間ですが、シマガツオ科という本カツオとは別の分類になります。別名では「エチオピア」とも呼ばれます。釣りをよくする人ならこちらの名前の方が聞いたことがあるかもしれません。

ユニークな名前と見た目の魚!

シマガツオは、釣り人の間では「エチオピア」と呼ばれ親しまれています。なぜそのように呼ばれるようになったかは諸説あり、明らかになっていません。「南方の島で獲れる」のでシマガツオと呼ばれますが、東京湾や相模湾でも釣れるので人気です。脂が乗って柔らかい白身がおいしい魚です。

シマガツオの生態

シマガツオは太平洋を中心にインド洋、大西洋など広く生息しています。浅瀬から深海までと縦にも広いです。深海で生活しているものもいれば夜になると浅瀬に上がってくるものもいます。食性は肉食で、エビやタコ、イカのほか魚類を食べます。

シマガツオの見分け方

シマガツオは本カツオに比べて平べったく、大きな眼が前の方についていて深海魚のような迫力のある見た目をしています。体高が高いのでカツオの仲間というよりはマンボウの仲間のように見えるかもしれません。体表の色は黒っぽい銀色をしています。

シマガツオの食べ方

シマガツオの身は脂が乗っていて柔らかく、焼いてもしっとりしていておいしく食べられます。刺身や塩焼き、ムニエルなどでよく食べられます。ウロコの形が複雑で獲りづらいので、自分で調理をする際はかなり根気がいります。市場でもあまり出回らない魚ですが、珍しい魚を取り扱う店では寿司や刺身が食べられるようです。

カツオの種類と見分け方③オナガシマガツオ

先に紹介したオナガシマガツオの仲間とされる魚です。ですが大きく深海魚のような迫力のあるシマガツオと違ってオナガシマガツオは非常に小さいです。シマガツオより知名度は低くほとんど知られていないどころか、まだ解明が進んでいない謎が多い魚です。

幼魚しか見られたことがない?謎多き魚

手のひらサイズのこの魚、実はそういう大きさなのかと思いきや幼魚なのです。成魚はまだ見つかっていないためシマガツオの仲間とされつつも分類学的にははっきりしていないのだそうです。飼育も困難でまだまだ解明に時間がかかる、ロマンがある魚です。

オナガシマガツオの生態

オナガシマガツオの生態はまだ詳しくわかってはいませんが、駿河湾より南の太平洋側で生息しているとされています。漁獲量自体は少ないですが、毎年南方の海では定期網にもかかるようです。シマガツオは深海まで広く生息しますが、オナガシマガツオは比較的浅い海を泳いでいるとされます。

オナガシマガツオの見分け方

大きな目やしゃくれた下あご、平べったい形はシマガツオに似ています。現在発見されているのは幼魚のみなのでかなり小さく、また黒っぽいシマガツオに比べると白っぽい銀色の体表をしています。名前にもあるように、二股にわかれた尾びれの片方が非常に長いのが特徴です。

オナガシマガツオの食べ方

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オナガシマガツオについては、まだ食べられたという例がありません。なので、どんな味がするか、どんな食べ方があるかなどはまだわかっていません。成魚が見つかり研究が進めば、市場などで流通され食べられる日がくるかもしれません。

カツオの種類と見分け方④シナマナガツオ

シナマナガツオはマナガツオと同じマナガツオ科の魚です。東シナ海や南シナ海でよく獲れるマナガツオ、ということでこの名前が付きました。中国や台湾、インドでも獲れ、日本へ輸入されることもあります。

滅多にお目にかかれない魚!

マナガツオは産卵期に瀬戸内海まで入ってきますが、シナマナガツオは九州より南でしか見かけません。なので、マナガツオよりもなかなか目にする機会は少ないです。産地で釣れたり中国から輸入されたりするときはマナガツオとして流通することも多い魚です。こちらも白身が柔らかく上品な旨みで美味しいです。

シナマナガツオの生態

シナマナガツオはその名の通り東シナ海や南シナ海、他にインド洋や太平洋西側のペルシャ湾まで分布します。マナガツオと同じように大陸棚の砂底、泥底に群れで生息します。食性もマナガツオと同じく甲殻類などを食べる肉食です。

シナマナガツオの見分け方

名前も共通していることから、シナマナガツオとマナガツオの見た目はほぼ同じです。しかし若干の違いがあります。シナマナガツオの方が体高が高く、より四角形に近い形をしています。また背びれの線がマナガツオよりも細かく、ひれの先が黒っぽいです。

シナマナガツオの食べ方

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マナガツオとして流通されるということもあり、味や食感はほぼ同じです。ただマナガツオよりも新鮮な状態で流通することが少ないため多くは幽庵焼きや西京焼き、ムニエルなどの焼き料理、フライで食べられます。

カツオの種類と見分け方⑤マナガツオ

マナガツオはカツオの属するサバ科と違い、マナガツオ科に属します。関東ではあまり聞いたことがなく、なじみのない魚かもしれません。しかし西日本、特に京都など関西地域ではなんと高級魚として有名な魚なのです。一匹数千円もの値段がつけられることもあります。

西日本でよく獲れる高級魚!

「西海にサケなく、東海にマナガツオなし」ということわざがあるように、西日本でよく獲れる魚です。瀬戸内海ではカツオが獲れないため同じ時期に獲れるこのマナガツオを用いたことからそう呼ばれるようになったといいます。脂が乗っていて柔らかく、白身の上品な味が楽しめる魚です。

マナガツオの生態

東シナ海から黄海、インド洋などの外洋や日本の西南地域に分布し、大陸棚の砂底に群れで生息しています。6月ごろになると産卵のため瀬戸内海へと入ってきます。食性は肉食で、クラゲやエビ、カニのような甲殻類などを食べます。

マナガツオの見分け方

マナガツオの形はシマガツオと似ており、平べったく体高が高い魚でひし形に近い形をしています。しかしシマガツオに比べると眼はそこまで大きくなく、白っぽい色です。また尾びれや背びれがシマガツオに比べると長いです。

マナガツオの食べ方

マナガツオは焼き物にされることが多く、幽庵焼きや西京焼きでは身の柔らかさとくせのない上品な旨みが醤油やみその味とよく合っておいしいです。鮮度が落ちやすいため刺身は滅多に見かけませんが、新鮮な刺身は食べ応えがあり絶品です。焼き物は京都を中心に関西、刺身は瀬戸内の地域で食べられます。

カツオの種類と見分け方⑥ハガツオ

ハガツオも本カツオと同じサバ科で姿が似ている魚ですが、あまり知名度は高くありません。しかし一部では「本カツオよりもハガツオ」と言われるほど産地で食べるハガツオはおいしいのです。またハガツオ以外にも「キツネガツオ」「ホウサン」「トウサン」など様々な名前で呼ばれます。

マイナーだけどうなるほどの旨さ!

日本では和歌山、高知、鹿児島などの太平洋沿岸や長崎、山口、鳥取などの日本海沿岸で獲れます。しかしサバなどに混じって獲れる程度の漁獲量の少なさと鮮度の落ちが早いことから関東方面ではあまり流通されないため知名度は低いですが、産地で食べられる刺身は身がとろけるように美味しく大人気です。

ハガツオの生態

ハガツオは日本の他、インド洋や太平洋などの外洋にも広く生活し、沿岸の表層部分を群れで泳いでいます。本カツオと同じように春から初夏にかけて北上し、秋口に再び南下するという回遊をします。食性は肉食で、イカやタコ、小魚などを食べます。

ハガツオの見分け方

ハガツオの特徴といえば、名前にもなっているとおり鋭い歯です。カツオやサバの仲間でハガツオのようなくっきりした歯を持つものは珍しいです。顔が細長く突き出ていてなんとなくキツネを思わせる顔つきをしていることも特徴です。また本カツオは腹側に縞模様がありますが、ハガツオは背中にあります。

ハガツオの食べ方

獲れたての鮮度がいいものは刺身やたたきが絶品です。くせがなく、柔らかくてとろけるような美味しさです。新鮮な刺身を食べるなら産地で食べるのが一番です。他に幽庵焼きや唐揚げにしてもおいしいです。またスリランカではハガツオを原料にしたモルディブフィッシュというカレーの調味料になるカツオ節が有名です。

カツオの種類と見分け方⑦イケカツオ

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