ヌカカとはどんな虫?
ヌカカとは、ハエ目ヌカカ科に属する昆虫の総称です。知っている人が少ないため、その名前を聞いた事ない方がほとんどのようです。ヌカカに遭遇したときのためにも、生態や対策などを詳しく知り、快適にレジャーを楽しみましょう。
ヌカカの特徴・生態
ヌカカの大きさは1mmほどで、だいたい10円玉の『1』の横幅になります。網戸を抜けられるくらいとても小さな虫なので「糠(ぬか)のように小さな蚊」という意味を持つ名前になっています。
見た目は黒ゴマのようで、薄く透明なはねに黒いまだら模様があるものが多いです。4月〜10月頃に発生し、6月~9月までが、特に多く活動します。さらに早朝や夕方、湿度の高いときに多く現れます。
また、蚊と同じで基本的にはメスが吸血します。対象は人間や家畜、ニワトリなどですが、まれに昆虫が吸血される事もあります。吸血しないものは他の昆虫を食べたり,花蜜をなめたりしています。
ヌカカの生息地域
見た事ない方は意外に思うかもしれませんが、ヌカカの生息地は日本全国です。主に森林、渓流沿い、鶏舎、田んぼ周辺、海岸沿いなどで発生するので、キャンプや釣りなどレジャーを楽しむ時には注意が必要です。
ヌカカの種類
ヌカカには細かく分けると多くの種類があります。その中でも代表的なものを紹介していきます。生息地域にバラつきがありますが、地域によっては大量発生するところもありますので、参考にしてください。
ニワトリヌカカ
ニワトリヌカカはの生息地は日本全国になります。特徴としてはロイコチトゾーン病を媒介している事です。吸血によって感染しますが、この原虫は宿主特異性が高いので、鶏にのみ強い病原性を示します。日本では、鶏を対象に届出伝染病に指定されています。
イソヌカカ
イソヌカカは海沿いなど、水がある場所に生息しています。海水浴や釣り、キャンプなどをされる方は遭遇率が高くなります。ハエなのか判断が難しいため、ハエだと思っていて刺された事例もあります。
他にも、北海道から本州中部に生息しているシナノヌカカ、ヨーロッパからアジアに生息しているホシヌカカなど、日本だけでなく世界各地にも多く存在しています。そのため、海外旅行をする際にも注意が必要です。
ヌカカとブヨの違いは?
ヌカカとブヨどちらも同じように見えますが、刺された時の症状などに違いがあります。対策や応急処置の仕方はほとんど一緒なので、適切に対応すればあとが残りません。どちらが現れてもいいようにしっかりと対策しておきましょう。
ヌカカとブヨの違い①生態・形の違い
ヌカカは1mm~数mm程度、ブヨは3mm~5mm程度になります。ブヨの方が大きめですが、大きさはほとんど変わりません。ヌカカは4月〜10月頃にかけて活動しますが、ブユは基本的に一年中活動しています。どちらも朝と夕方、湿度が高い時間に活動します。
ヌカカは狭いところにも侵入してくるため、なるべく肌の露出を控えた格好を、ブユは暗い色の服装によってくる特徴があるため、比較的明るい服装を心がけるといいでしょう。
ヌカカとブヨの違い②症状の違い
ヌカカは刺されてもすぐに症状は出ません。翌日からかゆみや腫れ、たまに水ぶくれが出てきます。ヌカカに対してブヨは皮膚を噛み切って吸血するため、比較的にすぐに強い痛みが出てきます。どちらも1週間〜数週間に渡って症状が現れます。
ブヨに刺された時の特徴としては、体質や噛まれた部位によりますが、腫れが1ヵ月以上続くこともあり、刺された部分がしこりになって長く残る慢性痒疹の状態になります。さらに、多く吸血されるなどした場合は呼吸困難などで病状が重くなることもあります。
ヌカカに刺された!症状は?
ヌカカについて大体わかってきたところで、もし刺されてしまったらどうなるかを説明していきます。きちんと対策をしていても、小さい虫なので服などに侵入してきて刺されてしまう場合もあります。
ヌカカの症状①直後は痛みやかゆみはない
ヌカカに刺された直後は感触もなく痛みやかゆみはないです。翌日以降にかゆみや腫れが出てきます。この、刺されてから1日〜数日後に症状がゆっくり現れることを遅延反応型といい、ヌカカは遅延反応型が多いとされています。
ヌカカの症状②複数のかゆみ・腫れ・赤み
ヌカカは集団で活動するため、複数ヶ所刺されることもあります。ヌカカに刺されるとアレルギー反応により、かゆみや皮膚の炎症を引き起こします。炎症した部分は、広い範囲で赤みや熱を帯びたり、たまに水ぶくれができることもあります。
ヌカカの症状③かゆみは一週間以上続く
刺されてから治るまでに1週間〜数週間と長い期間、アレルギー反応が強ければ強いほど、症状が続くこともあります。また、あまりの激しいかゆみに耐えられなくなり掻きむしることにより、悪化してあとが残る場合もあります。
ヌカカに刺された時の応急処置
では、「刺されてしまったその後はどう処置したらいいの?」という疑問を持った方に、4つの処置の仕方とポイントを説明していきます。どれも簡単なので、いざという時のために覚えておくといいでしょう。
ヌカカの応急処置①温熱療法
刺された直後の処置としては温熱療法があります。45度程度のシャワーを患部に5分程掛け続ける方法です。かゆみの原因となる酵素毒成分はタンパク質で出来ているため、熱に弱い性質を持っているので効果的です。
この方法は刺された直後に有効であるため、シャワーが近くにない場合は処置できないという欠点があります。さらに、時間が経ち刺された所に炎症が起きている場合は、逆に悪化してしまうので注意が必要です。
ヌカカの応急処置②患部を冷やす
炎症が起きている場合は、刺された所を冷やす事でかゆみや腫れを抑えられます。氷や保冷剤があるならばタオルなどに包んで患部を冷やし、なければ流水などにしばらく当てておくといいでしょう。
カカの応急処置③軟膏を塗る
幹部を温めた後でも冷やした後でも、ステロイド外用薬を塗りましょう。炎症を抑える働きがあるので効果的です。ですが、市販されているステロイド外用薬は効果が期待できるものが少ないので、症状がひどい場合は特に皮膚科を受診することをおすすめします。
ヌカカの応急処置③ポイズンリムーバー
刺された時の処置として、患部をつねって毒を出すのも有効ですが、ポイズンリムーバーを使う方法もあります。素早く簡単に毒を出すことが出来るのでおすすめです。救急セットなどに入れていつでも使えるようにしておくといいでしょう。
商品説明
- 対象 蚊、ブヨ(ブト、ブユ)、スズメバチなどの毒バチ、ムカデ、毛虫、毒蛇、毒魚などに刺された、噛まれたとき
- 本体サイズ 120x80x3mm
- カップサイズ 円形カップ:6mm&10mm、20mm、23mm、28mm 蛇毒用だ円カップ:20x8mm ※一番小さいカップは2サイズ兼用です
- 重量 約90g(本体、カップ、ケース込)
- 素材 ABS樹脂、他
手袋をした状態でもしっかり操作できるよう、指をひっかける羽の部分が大きめに設計されています。この製品は、あくまでも応急処置器具ですので、使用後はできるだけ早く病院での処置を受けて下さい。
病院でヌカカの治療薬をもらおう
自分で判断できない時や不安な時は、面倒臭がらずに病院に行きましょう。安心できる上、確実です。正しく対処してもらえるので、自己判断よりも綺麗に治ります。ただし、軽度であるならば自然治癒でも大丈夫です。
ヌカカに大量に刺されたら病院へ
まずは病院に行き、皮膚科医の診察を受けましょう。刺された症状によりますが、大量に刺されるなどでかゆみが我慢できないとあとが残る場合があります。病院で受診すれば早く治りますし、あとも自然治癒よりできにくくなります。
ヌカカは内服薬と軟膏で治療
病院では炎症やアレルギー反応を抑えるもの、かゆみを抑える内服薬などを処方されます。他にはステロイド軟膏なども処方されることが多いです。軟膏を塗った後はかゆくても触らないように注意しましょう。
ヌカカに刺されないための予防と対策
刺された場合の対処法を説明してきましたが、そもそも刺されなければ大変な思いをしなくて済みます。虫除けスプレーや蚊取り線香、適切な服装などで、しっかりと対策をして快適に過ごしましょう。