水子って知ってる?祟りの有無や供養の方法・気になる都市伝説についても紹介

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親より先にこの世を去った子供たちはそのことに罪を感じ、親の幸せを願い賽の河原で石を積むと言われています。しかし、積んだ石はそこにいる鬼が崩してしまいます。そんな苦しみのさなかにいる子供たちを救いに来るのがこの地蔵です。水子たちが黄泉の国で安心して暮らすために存在している地蔵菩薩なのです。

合掌している地蔵

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あの世とこの世で親と離れ離れになってしまった水子たちの母親の役割を果たすのがこの地蔵菩薩で、慈母地蔵尊といいます。母の愛情のような温かい慈愛の心を持った地蔵菩薩で、親のいない子供たちにやすらぎを与えます。この地蔵に守られていれば水子たちも安心でしょう。

子供を抱いている地蔵

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子供を抱いている地蔵はいわゆる子安(こやす)地蔵とも称されています。安産の守護を司る地蔵で、子供の健やかな成長を守ってくれる地蔵でもあり、また妊婦の方は安定期に入ったのち戌の日にお参りします。

水子に名前をつけるのは良い? 

よく「水子に名前を付けていいものか」という疑問が散見されますが、多くの寺院関係者の間からは「ぜひつけてあげて欲しい」という意見がみられました。名前をつけてあげたうえで丁寧に供養することで亡くなった子供に対する愛情もより強くなるとのことです。

それは子供にとっても非常に喜ばしいことのはずです。もしそのようなことで悩んだ際には迷わず名前をつけ、惜しみない愛情を注ぎ、冥福を祈りましょう。

水子供養をしている有名な寺院

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水子の供養がなされるのは寺である場合がほとんどで、神社ではまず行われていません。これは「供養」という概念が仏教によるものであり、悪いものを「祓う」神社には適さないためです。亡くなってしまった子供の魂を弔うため、その親たちの傷付いた心を癒すために今日もどこかのお寺で供養が行われています。供養を行っている寺院は日本全国に存在しますが、その中でも有名な寺院について少し掘り下げてご紹介します。

大阪府 常光円満寺

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関西地方で有名なのはこちらの高野山真言宗のお寺で、735年に行基によって開かれ、足利将軍の菩提寺になるなど由緒正しい古刹です。お宮参り、安産祈願や厄除けなども行っています。HPはこちらを参考にしてください。

東京都 本寿院

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東京都大田区にある水子供養を専門として扱うお寺で、供養の方法や法要などについて詳しく解説しています。埼玉県の「広徳寺」や神奈川県の「円宗院」、千葉県の「大福院」などの関連寺院もいくつか存在します。HPはこちらを参考にしてください。

都市伝説の中の水子 

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日本では数多くの都市伝説が存在し、一定の支持を得ています。現代においてこのような創作は時代の趨勢によって形を変えながら、メディアなどによって拡散され、廃れることはありません。巷で囁かれる都市伝説中の、とりわけ怪談のジャンルで水子が語られることもあります。このような話題の中で水子はどのような姿で登場するのか、またどのようなメッセージ性を帯びているのか、ここでご紹介します。都市伝説に関する記事はこちらをご覧ください。

怪談として語られる水子

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霊体験に関する話というのはいつの世も人の興味を引き付けて止みません。やはり人の死ということや、世間一般のイメージもあり、このような話のネタとされることも多いのでしょう。これらの話の内容としては霊障に悩まされるといった類が多いものの、中には倫理観に関する人の闇を扱ったものも見受けられ、その顛末に思わずゾッとするはずです。怪談に関する記事はこちらをご覧ください。

妊娠中絶に対する戒め

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多数の創作物が生み出される中、このような水子というテーマを扱った話にはいたずらな妊娠または中絶をすることに関する戒めを説いたものも多くみられます。それらは命を粗末にすることや、そういったことをする人に対する一種の警告の色を帯びています。産まれる前の子供とはいえそれらは大切な命の一つであり、かけがえのないものです。我々はそれを慎重に扱う責任があるということを忘れてはいけません。

民俗学の中の水子

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水子や幼児の間引きにまつわる話は日本の民俗学の中でも語られています。飢饉の時代に嬰児殺しが盛んに行われていた東北地方で生まれた「遠野物語」の中にも水子をモチーフとしたエピソードの存在が確認されます。これらの伝承は古の時代から現代に渡り語り継がれてきた一部人間の負の部分を内包したものでもあります。ここではみなさんもよくご存じの代表的な二体の精霊・妖怪についてご紹介します。

座敷童子

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地域によって伝承は様々ですが、小さな子供の姿をしており、居着いた家でいたずらしたり、福をもたらす精霊として語り継がれています。一般的には座敷童子が居着いた家は繁栄し、去った家は没落するとして有名ですが、一説には間引きによって亡くなった子供の霊ではないかとも言われています。

河童

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頭の上に皿を乗せ、甲羅を背負い、きゅうりと相撲が好きというイメージで知られている河童ですが、こちらも一説には間引きされた後川辺に打ち捨てられた子供の姿や、龍と同様に水神の一種であるとも言われています。しかし、河童もまた地域によってその正体や伝説は様々で、現代では未確認生物という扱いを受けることもあります。

自分を責めるより水子が安らかに眠れるように祈る

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生を謳歌することなく、母の名を呼ぶこともかなわず、短い一生を終えた悲しい子供が水子という存在なのです。そのイメージはときに利潤目的の商法に利用されたり怪談の種にされたりもしながら連綿と続く時代に生きる人々の中で変容し続けてきました。

しかし、当然ながら水子も私たちと何も変わらない人間です。もしも、水子について一人悩んだり苦しんだりするようなことがあるならばお寺に相談し、人として愛情を持って供養してあげるのが良いでしょう。そうすることによって、亡き我が子が安らかに成仏することが出来るだけでなく、あなたの心の傷も癒されることになるでしょうから。

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