水子って知ってる?祟りの有無や供養の方法・気になる都市伝説についても紹介

近年米国で世界100の国と地域の妊娠中絶の件数に関する情報が発表され、各国の中絶合法化から現代までの人工妊娠中絶の詳細な件数が明らかになりました。それによると日本は1948年~2015年までに約4千万件を数え、上位10国のうち5位にランクインしています。飢饉の時代は過ぎ去りましたが、まだまだ私たちのまわりでは小さな命が失われ続けているという事実を深く胸に刻み込む必要があるのです。

水子に祟りはあるのか?

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ネットの恐怖体験談や心霊系の記事などで水子の話題に触れる際に「供養をしなかったので祟られた」というような話を耳にしたことがある方も多いことでしょう。このような噂からオカルトめいた想像を持たれがちですが、果たして本当に祟りはあるのでしょうか。その風評の裏側には一体どのような背景が存在するのか、気になる真相に迫ります。

実は無いとされている

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結論から先に述べれば祟りはありません。供養を執り行う寺院は全国各地に存在しますが、関係者はみな「穢れの無い子供の魂なので祟るということはない」と証言しています。また仏教の教えの中にも祟るという概念がなく、これは根拠のない噂だと言えるでしょう。

オカルトブーム時にささやかれる

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1970年代になると日本では空前のオカルトブームが到来します。テレビでの心霊番組や小学生を中心としたこっくりさんの大流行、スプーン曲げやノストラダムスの大予言などが社会現象となった時代がありました。その時代の流れに乗じて占い師や霊能者などが「祟りがあるから早く供養しないといけない」と親たちを煽り、水子の祟りを商法の一つとして喧伝していきました。

母親の罪悪感を利用した商売の側面

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流産や堕胎・中絶を経験した母親の精神的負担は大きく、「産んであげられなかった」という罪悪感や後悔となって心に残ります。一方、財政難の寺院が利潤を求めて水子供養を大々的に宣伝したことや、先のオカルト商法などによって、心に深い傷を負った親たちを中心に水子供養は全国的に広がっていきました。

水子供養

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オカルトブームや霊感商法などの時期を経て紆余曲折あったものの現在では一般的となった水子供養。様々な寺院で法要が催されるようになっています。亡くなった子供の霊を鎮めるために始まりましたが現在はどのようなものとして扱われているのか、ここではその概要や費用、種類別の供養方法について具体的にご紹介していきます。

現在の水子供養

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現在の水子供養はオカルトブームのときのようないたずらに祟りをあおる要素のあるものでははなく、子供を亡くし悲しむ親たちの気持ちに寄り添い慰め、亡くなった子供の魂を手厚く弔うためのものとして存在しています。菩提を弔い、また罪悪感を抱え嘆き悲しむ人々の心を和らげるため、様々な場所で法要が営まれているのです。

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