三毛別羆事件|ホラー映画を超える日本史上最悪の恐怖の実話【閲覧注意!】

奈良で鹿せんべいごと指を噛まれた、服や持ち物を引っ張られるといった経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。普段大人しい動物でも食べ物を得る時は警戒心を強めます。逃げてくれれば一番良いのですが、件の鹿は恐怖から攻撃に転じてしまったようです。

愛犬に撃たれた飼い主

jarmoluk / Pixabay

アメリカのインディアナ州で起きたのは、飼い犬のラブラドール犬と猟に出かけた女性が、その犬に撃たれるという信じられない事件です。女性は12口径の散弾銃で猟をしていましたが、銃の安全装置を解除した状態で地面に置いていたようで、それを犬が踏んでしまい女性の足に命中するも軽症で済んでいます。

同様の事故がロシアでも起きています。じゃれて飛びついてきた愛犬の前足が、銃のトリガーを押してしまい腹部で暴発、飼い主の男性は亡くなってしまいました。二件とも飼い主の銃の扱いに問題があったが為に、愛犬が巻き込まれてしまった不幸な事件です。

ペットモデルのチンパンジー「トラビス」

2009年に起きたこの事件は、被害に遭ったのが飼い主ではなくその友人の女性でした。テレビCMにも出演した有名なチンパンジーの起こした事件であると同時に、その被害状況の凄惨さでも有名なペット被害です。被害に遭った女性は、両耳を裂かれ顔面は鼻と唇を引き千切られ、両手の指も千切られて失ってしまいました。

事件直後にトラビスは、駆け付けた警官によって射殺されています。飼い主がトラビスに向精神薬を与えていた事が発覚し、野生動物を飼うという事がどういうことなのか、考えさせられる悲惨な事件でした。

散歩中の土佐犬に襲われる

この事件も、飼い主ではなく第三者が巻き込まれた事件です。2012年5月、山梨県の笛吹市境川町で90歳の男性が、近くに住む60歳男性が飼っていた土佐犬に首を噛まれ死亡するという事件が起きています。飼い主の男性は3頭の土佐犬を飼育していましたが、その内1頭は届け出がされていませんでした。

土佐闘犬と呼ばれる種類の犬は、飼育には特殊な設備と更に届け出も必要です。訓練しても攻撃性が無くなることはないので、ペットとして飼われている土佐犬による傷害事件は多いのです。カッコイイという理由でこうした特殊なペットを飼うリスクが、他人に及ぶことも理解するべきです。

漫画で見る羆

書籍による羆害事件は数多く出版されていますが、「文字表現は怖い」「長い読書に慣れていない」と二の足を踏む人もいるのではないでしょうか。そんな方に、直接の事件以外にも、人間と羆を描いた漫画作品をご紹介したいと思います。

ただし、三毛別事件が文章のみでも閲覧注意とされるように、漫画では残酷シーンが視覚的に描写されていますので、読了する難易度は更に高いと言っても過言ではありません。読むかどうかは熟考された上でお願いします。

野生伝説・羆風

野性伝説 羆風・飴色角と三本指 作:戸川幸夫 画:矢口高雄 (ヤマケイ文庫)

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「釣りキチ三平」で有名な矢口高雄さんによる「羆嵐」のコミカライズ作品です。矢口さん独特の力強くも愛嬌のあるタッチで描かれた本作品は、リアリティの強すぎる描写が苦手という方には手に取って読みやすいかも知れません。

マタギ

マタギ 矢口高雄 (ヤマケイ文庫)

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こちらも矢口高雄さんの作品ですが、史実のコミカライズと違い、作者の自然に対する情熱を感じる事の出来るオリジナル作品です。主人公のマタギが「マタギとは何なのか」と自問自答するなど、70年代に描かれたものですが、現代も続く獣害事件について考えさせられる内容です。

シャトゥーン~ヒグマの森~

シャトゥーン~ヒグマの森~ 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

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増田俊成さんによる原作で、作画は「カブキの不動」などの奥谷通教さんが手掛けられています。冬籠りに失敗した羆と、山小屋に残された人々の恐怖体験を描いた作品となっています。美麗な作画ですが、その分食害シーンも細かく描かれています。作中で三毛別事件にも触れられています。

キムンカムイ

キムンカムイ 1~最新巻(少年マガジンコミックス) [マーケットプレイス コミックセット]

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1999年に週刊少年マガジンに連載されていた、三枝義浩さんによる作品です。舞台は現代の北海道、連休を利用して釣りにやって来た主人公たちが、雨宿りに入った小屋でテレビクルーと知り合い、羆の恐怖を体験する物語です。作画はシンプルで残酷描写のショックも比較的少ない作品になっています。

ゴールデンカムイ

ゴールデンカムイ 1 (ヤングジャンプコミックス)

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2014年から週刊ヤングジャンプにて現在も連載中の人気漫画で、作者は野田サトルさん。明治末期の北海道が舞台の本作品は、奪われた金塊を巡るサバイバルバトル漫画で、作中に登場する二瓶鉄造という熊撃ちの発言は、山本兵吉を彷彿とさせるものがあります。羆と対峙するシーンも多々描かれており、描写の迫力は圧巻です。

熊を駆除しなればいけない理由はここにある

熊にとって、野生動物を追う事の方が遥かに重労働で、一度人間を襲うと「簡単に手に入る餌」と認識され常習的に襲われるのです。市街地に降りてきてゴミを漁るのも同じ理由で、それを阻めば敵と見なされます。身体能力で勝る熊の前で、我々人間が出来る事はとても少ないのです。

羆の駆除に批判的な意見もありますが、一度味を占めた熊の危険性を考慮すると駆除は回避が困難です。だからこそ、熊の領域に踏み込むことの無いよう住み分けが重要だと言えるのです。熊に近づかない、近づけさせない事が熊を守る事でもあるのです。

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