トガリネズミはネズミじゃない?ユニークで可愛い見た目と生態の秘密に迫る!

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縮小した頭蓋骨は春にはほぼ元の大きさに戻ります。また、頭蓋骨だけではなく、他の主要な器官の質量も減少していたそうです。このサイクルについては未だ不明なことが多く、冬眠や季節移動をしない彼らの助けになっている可能性があると言われています。

トガリネズミの親子の隊列移動が可愛い!

小さな子供を連れて出かける先にはどんな危険が待ち受けているかわかりません。赤ちゃんは、他のハンターにとっては格好の獲物です。そんな子供たちを守る為に生み出した方法がとても可愛いのです!

キャラバン行動

この連なって移動する行動は巣に異変があった時などに見られる行動で、キャラバン行動と呼ばれています。お母さんを先頭に、前の子の尻尾を咥えて一列に並んで行動しています。息がぴったりで、まるでムカデ競争をしているかのようです。

超音波で子供を呼び寄せる

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トガリネズミの鳴き声は20kHz以上の超音波です。確実なことはまだ分かっていませんが、低い声は子供を呼びあつめるためなどのコミュニケーションとして、高い声はエサの位置や大きさを探る為に使われています。

カメラ撮影が苦手?

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トガリネズミは写真を撮られるのが大の苦手です。これは、自身が狩りの時に発する超音波と、カメラがピントを合わせる時の音がほぼ同じだからだそうです。大きなストレスを感じてしまうため、動物園などに展示されているものを見に行く際の撮影は控えるようにしましょう。

トガリネズミは共食いする?飼育は出来るの?

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最近まで少数の動物のみに見られる異常な行為とされてきた共食いですが、実は決して珍しいことではなく、1500を超える動物種の間で確認されている行為です。果たしてトガリネズミは「共食い」を行うのでしょうか?

共食いは真っ赤な嘘!自然界では殆どしない

北アメリカでは自分より体の大きい、他のネズミを捕食するトガリネズミの仲間がいます。このことから、トガリネズミはネズミの天敵であるとされていました。日本に生息しているトガリネズミは、死体を別にして、他のネズミを捕食することは殆どないと言われています。

ディズニー映画「ズートピア」で共食いの誤解が広がる

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2016年公開のディズニー映画「ズートピア」に出演しているキャラクターにトガリネズミが起用されています。役柄は、リムジン会社を経営しているマフィアのボス!起用した理由は「群れをバケツに入れて数時間置いておくと共食いをする。最後には1匹しか残っていないような恐ろしい動物」と専門家から聞いたからだそうです。

手間はかかるが飼育はできる

トガリネズミを飼育することは可能です。実際に東京の多摩動物公園や、研究室などでも飼育がされています。ただ、毎日の観察、水替えに加え、給餌のコントロールが必要です。環境温度や餌の質によっても給餌の仕方は変わります。

飼育下ではおよそ30分ごとに食事と睡眠を繰り返し、1日に体重の3〜4倍の餌を食べるとも言われていますが、いくら代謝が高くても餌を与えすぎると肥満になってしまいます。わずか1g範囲での体重の変化で命に関わる種類もいますので、ペットとして飼う際はトガリネズミの生態をよく調べた上で飼育をするようにしましょう。

飼育をする前に

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個体数が少なく限られた地域にしか生息していないことから、日本の環境省は絶滅危惧種として指定しています。また、飼育が難しいとされていることからペットショップ等での販売はしておりません。

地球温暖化や環境破壊によって現在絶滅危惧に瀕している動物たちは2万6197種に上っています。人間と動物が共存できる世界を作るため、普段の暮らしの中から私たちにできることを少しずつ始めていきましょう。

トガリネズミは可愛い!思わず見てしまう画像や動画ご紹介!

マンホールに落ちていたり、側溝にはまっていたり、家の庭に突然現れたり…トガリネズミとの遭遇は思いがけない所にあるものです。見終わった頃には、あなたもトガリネズミの虜になってしまうかも。

庭に現れたトガリネズミ

庭に佇んでいたトガリネズミにメダカの餌をあげてみたところ、なんと食べ始めたそうです。貴重なトガリネズミの食事シーンを間近で見ることができます。一心不乱に食べ続ける姿がとても可愛い!

体重は1円玉2個分

手のひらの上で素早く動き回る姿が可愛らしく、世界最小と呼ばれるトガリネズミの大きさがよく分かる動画です。体重は1円玉2枚分より軽いので、花びらや葉っぱの上に軽々と乗れてしまいます!

可愛らしい後ろ姿

東京の多摩動物公園で展示されているトガリネズミです。丸々とした後ろ姿が可愛らしさを倍増させています。トガリネズミの毛並みはとても柔らかいことで知られています。季節によって毛の色が変わる種類もいるようです。

トガリネズミの繁殖時期

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多くの動物には繁殖行動が頻繁化する一定の時期があり、体内のホルモンの濃度の変化から行動に変化が現れます。野生動物たちの恋の時期と呼ばれ、結婚相手を探して子供を作り、育て、離れるまでの期間を指します。

トガリネズミの繁殖時期は?

トガリネズミは春に大きな繁殖時期の山があり、一部の種類は秋にも繁殖すると言われています。妊娠期間は長くて1ヶ月ほどで、子供は裸のまま、目を閉じた状態で生まれてきます。一度に生まれてくる子供の数は5〜7匹程度。また、メスがオスよりも長生きすると言われてます。

トガリネズミは可愛いだけじゃない?実は意外な一面も

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トガリネズミには常に食べ続けなければならない生態がゆえに発達した捕食能力があります。ミミズクやイタチ、ヘビなどの多くの天敵に狙われながら命がけで行うその狩りの方法は、見た目の可愛らしさからは想像もできない恐ろしい方法だったのです。

残酷な捕食をする種類もいる

現在日本に生息しているトガリネズミは、ミミズや昆虫を主食にしていることがほとんどです。ですが、北アメリカに生息しているブラリナトガリネズミは捕まった獲物は生き地獄をさまようと言われるほど、恐ろしい狩りをすることで有名です。

ブラリナトガリネズミは毒を持っている

ブラリナトガリネズミは毒性のある唾液を持つ小動物として知られています。この毒は殺すための毒ではなく、獲物の神経を麻痺させるための毒です。これは、神経を麻痺させることによって獲物を生きたまま何日も食べ続けることが出来るからだと言われています。

ただ、この捕食の仕方には理由があります。トガリネズミは体の小ささからエネルギーを体内に蓄えることが出来ません。食事をしないと死んでしまいます。捕食の仕方だけを聞くとあまりにも残酷ですが、ブラリナトガリネズミにとっては生きるための苦肉の策なのではないでしょうか。

小さな体を守る為のもう1つの武器

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ブラリナトガリネズミは毒を持つ生態に加え、強烈な匂いを持つことでも有名です。腹部にジャコウ腺と呼ばれる臭腺を持っており、そこから発せられる臭いはキツネや犬などがとても嫌う臭いだそうです。その為、死体であっても他の動物に食べられることなく、森林などで転がっている姿がよく見られています。

人間の新しい麻酔薬になる可能性が

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ブラリナトガリネズミの持っている「神経を麻痺をさせる毒」の効能を応用して、現在では痛みや麻酔として働くような特別な物質を作り出す研究が進んでるといいます。近い将来、トガリネズミの毒が新しい麻酔薬として開発される可能性があるかもしれません。

トガリネズミは可愛い人間のお友達

まだまだ謎が多いトガリネズミですが、森林害虫の駆除や新薬開発など、彼らの知らない所で私たちの力になってくれています。近い将来、「トガリネズミが人類を救う」なんてこともあるかもしれません。

 

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