トガリネズミはネズミじゃない?ユニークで可愛い見た目と生態の秘密に迫る!

彼らの仲間のほとんどが、北海道に生息しているとされています。なぜ北海道でこんなにも多くの種類が発見されるのでしょうか。実は、北海道で「モグラ」と呼ばれる生き物は全てトガリネズミだからなのです。

1万6千年前から1万2千年前の氷河期の終わり頃、北海道と本州の間にある津軽海峡の水深が深く、2つの島が陸続きになることはありませんでした。土の中で生活していたモグラの先祖は津軽海峡を渡ることが出来なかったと言います。その為、北海道には「モグラは生息していない」とされているそうです。

森林害虫を食べてくれる

越冬や蛹化の為に土の中で過ごす昆虫も、彼らにとっては恰好の食物です。ここ数年で葉を食害する害虫が大発生被害が続いていた苫小牧地方の被害林分の繭を調べたところ、食痕などからかなりの数の蛹を捕食していたことが分かったそうです。

有名なのは「トウキョウトガリネズミ」

「トウキョウトガリネズミ」は、北海道にのみ生息しています。なぜ、東京にいないのに「トウキョウ」という名前がついているのでしょうか?実を言うと、東京を含む本州では、その生息が確認されたことはありません。

名前の由来

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1903年、トウキョウトガリネズミの捕獲が初めて成功した時、発見者であるR.M.ホーカーは標本ラベルに「Yezo(蝦夷)」と書くべきところ、誤って「Yedo(江戸)」と記載してしまいました。

江戸=東京ということから、東京で発見されたものだと判断され、「トウキョウトガリネズミ」という名がつけられたと言われています。その後50年以上、北海道で再発見されるまで、東京に住む謎の種類とされていました。

トガリネズミは人間の祖先?

生物が進化をする過程では、1つの生物からいくつかの生物に別れることが幾重にもあるそうです。恐竜の時代に暮らしていたトガリネズミに似た小さな生き物が、人間のように比較的成熟した赤ん坊を産む動物のもっとも古い祖先として知られています。

中国のジュラ紀の母「ジュラマイア・シネンシス」

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木登りに優れた前足を持ち、温暖なジュラ紀の森林を走り回っていたその生き物は「ジュラマイア・シネンシス」と名付けられました。中国遼寧省で発見され、体重は15グラムほど。主に昆虫類を好んで食べていたそうです。

ヒトはネズミに近い生き物

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人類を含む進化上の大きな系統は、小さな小さな小動物から始まりました。遺伝子的には、ヒトはネズミに近い動物とされています。その為、医学、医療などに応用される動物実験では多くのネズミが実験台になっていると言います。

トガリネズミの特徴と変わった生態

トガリネズミには少し変わった生態があります。その生態は、彼らの体の小ささに関係していると言われています。発見の困難さから確実な情報が分かっていませんでしたが、最近になって少しずつ明らかになってきました。

世界一小さい哺乳類

トウキョウトガリネズミは「人の親指より小さい」と説明されるほど小さく、胴体は約5センチ。体重も1.5~1.8gしかありません。長い尻尾は3センチほどあり、植物の葉や茎の上で素早く動く時にバランスを取っていると言われています。

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