デスマスクはなぜ作られたのか?
死者を偲ぶために石膏やワックスを使って死者の顔を型取って作られたものです。告別式に飾ったり、肖像画を描くための資料として使われたりしました。歴史上偉人である人物の顔を永遠に残すことができることから製作されたといわれています。
デスマスクは死人の顔をかたどったもの
写真がまだなかった時代は、亡き人の姿を残すために肖像画が描かれたり彫刻が用いられていました。しかし、製作するには時間がかかるので、死後間もない亡き人の顔を石膏やワックスなどでかたどったデスマスクが西洋で作られるようになりました。
告別式に飾られるデスマスク
写真がまだない17世紀ごろの時代には告別式の時にデスマスクが飾られました。デスマスクは生前に作ることができないので、死後間もない遺体から製作されました。死者を偲ぶために保存されました。現代では「ライフマスク」を製作できるまで進化しています。
肖像作成のためのデスマスク
息をひきとると、多くは主治医が石膏で亡き人の顔をかたどりデスマスクの製作にあたりました。写真がまだない17世紀ごろの時代では、デスマスクを肖像画を描くための資料として用いられたのです。
デスマスクを残した最古の人物
紀元前1324年頃に死亡した古代エジプトのファラオ(王)であるツタンカーメンの有名な黄金マスク。このデスマスクが最古のものであるといわれています。フランスのパリにあるルーブル美術館の正面に黄金のマスクが展示されています。
ツタンカーメン
古代エジプトの幼いファラオ(王)。ツタンカーメンは9歳でエジプトの新王国に即位しました。そして、18歳という若さで亡くなっています。紀元前1300年頃のことです。体調不良の大腿骨の骨折とマラリアの合併症が死因という病死が有力ですが、他殺説もあります。
古代エジプトでは魂が宿ると信じられていた
古代エジプトでは、亡くなった人の彫刻には魂が宿る場所となっていました。ミイラの頭の部分には命が宿ると考えられ、できるだけ本人とそっくりな彫刻に作られたといわれています。ツタンカーメン以外の彫刻も驚く程そっくりな姿をしています。