ウマバエ(ヒトヒフバエ)は日本にも生息する?寄生時の症状や摘出方法を解説

しかし温暖化によって年々気温が上昇し、本来熱帯を棲みかとするヒアリやサシバエ、デング熱で騒がれたネッタイシマ蚊などが都市部で確認されている例も有りますので、いずれ定着してしまう日が来るかも知れません。

寄生されないための予防方法

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ですが実際に日本で確認されても旅行先が生息地域であっても正しい知識を身に付けておけばいざと言う時に慌てずに済むものです。寄生された時の処置は既に述べましたのでここでは予防法についてご紹介します。

と言ってもそう難しい話ではなく蚊取り線香を焚いたり肌に虫除け剤を塗る一般的な蚊避け対策をする事になります。手が他にないとも言えますが渡航先でも有効な一番確実な対処法です。虫除けに関してはこちらの記事が参考になります。

また生息域に渡航する際にはアイロンを用意する事をお勧めします。何処で卵が付着するか判りませんので衣服へのコマメなアイロンがけが意外と効果的なのです。現地で入手が難しそうなら小型のものを持参するのも良いでしょう。

ウマバエ(ヒトヒフバエ)はペットにも寄生する

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人の場合は予防も処置もそれなりに出来ますがウマバエ(ヒトヒフバエ)を初めとするヒツジバエ科の被害が深刻なのは常に動物の方です。家畜はもとより人と親密に暮らす犬や猫などのペットも例外では無く、寧ろ人より寄生虫の脅威に晒されています。

寄生された時の症状は?

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ペットへのウマバエ(ヒトヒフバエ)の寄生は表皮の傷口からが多く成りますが、本能として毛繕いをしますのでどうしても人より内臓に向かい易く成ります。コマメなブラッシングなどで普段からチェックして傷の有無に加えて媒介者となるダニやノミも見逃さない様にしてあげて下さい。

問題なのは内臓へ寄生された場合です。馬の例が参考になりますが胃腸に寄生された場合は炎症によって食欲低下や不眠、下痢、血便といった症状が現れます。家畜より身近な分体調の異変を察知するチャンスは有りますから何とか重症化する前に気付いてあげたい所です。何かあれば迷わず動物病院で診察して貰いましょう。

ペットからの摘出方法

ペットであっても対処法は人とほぼ同じで動画の様に皮膚蝿蛆症なら酸欠にして抜くか局所麻酔して切開かとなり、消化器蝿蛆症に至ってしまえば全身麻酔の上で開腹しなければなりません。ペットの小さい体には全身麻酔だけでも大きな負担と成りますので、やはり早期発見が重要となるでしょう。

ウマバエはそんなに怖くない?

ウマバエ(ヒトヒフバエ)が本当に怖いのは自力で対処出来ない動物たちで一般的な人への寄生の仕方で有れば毒も無いので早めに適切な処置をすれば然程大した事にはなりません。怖いのは内臓に寄生されてしまった場合に限ります。

本当に怖い寄生虫は他にいる

人や動物に寄生する生物の中には「広東住血線虫」の様に部位を問わず体中に蔓延り、ウマバエより容易く脳内にまで侵入する種も少なくありませんのでウマバエは未だマシな方かも知れません。「広東住血線虫」の話はこちらで詳しく解説されてます。

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