ウマバエ(ヒトヒフバエ)は日本にも生息する?寄生時の症状や摘出方法を解説

皆さんは、ウマバエ(ヒトヒフバエ)というハエをご存知でしょうか?日本人の私達にとってハエは、ゴミや家畜などにたかり、あまりいいイメージのないただの害虫です。しかし、海外には他の生き物に寄生して体内の肉を食べるハエ、ウマバエ(ヒトヒフバエ)が存在します。今回は、そんなウマバエ(ヒトヒフバエ)をご紹介します。

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動物図鑑を絵本代わりに育ちました。友達には直隠したニッチな趣味ですが、その分根深くなった気がします。生き物であれば種類問わず何でもウェルカムです。あ、でもゴキブリだけは何故か飛び上がるほど苦手。他の昆虫は平気なのに・・・何だか悔しいです。

ウマバエ(ヒトヒフバエ)って一体どんな虫?

出典:PhotoAC

今回の主役「ウマバエ」とは哺乳類を宿主として繁殖するハエ目(双翅目)ヒツジバエ科に属した28属151種の寄生バエの中でも馬を寄主とするハエの事です。ハエの種としては決して多く有りませんが「哺乳類の体内に寄生して幼虫時代を過ごすハエ」と言う我々に取って衝撃的な生態によって良く知られています。

寄生場所が対象の皮膚となると人の目にも留まりやすく、しかも寄生虫としては大き目の部類でも有りますので強く印象に残るのも無理のない話でしょう。ですが恐れるばかりで目を背けているのは建設的ではありません。まずは相手を良く知る事が大事です。

ウマバエの外見的な特徴

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種によって多少の差異が有りますが体長はどれも大体12~17㎜で、馴染み深いイエバエで1㎝程度ですからハエとしては幾分大きめです。色合いは哺乳類の毛や皮膚に紛れ易い赤みがかった茶褐色から黄色までと比較的薄めで膨張色、その上難毛に覆われてるので実際より大きく見えミツバチどころかハナアブなどとも見間違えるかも知れません。

また、触角が短めで複眼もまた小さめと言う特徴も有るには有りますが、人の目で見分けるのは流石に難しいのでミツバチの様な色合いのハエと覚えておくと良いでしょう。飛ぶ時の羽音は間違いなくハチではなくハエの音です。

ウマバエの主な生息地

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ヒツジバエ科の寄生バエの生息地分布は非常に広く、北海道でもウシバエが確認された事例が有るくらいなのですが、ウマバエ(ヒトヒフバエ)に限るとこちらは主に熱帯に生息しており、赤道上を中心として中央アメリカから南アメリカに分布しています。

そして人の皮膚に寄生するヒトヒフバエはと言うとこちらも熱帯が主な生息域となっており、中南米のメキシコ以南となるブラジルやアルゼンチン、そしてペルーやチリでも被害報告が多く見られます。

ウマバエ(ヒトヒフバエ)の寄生方法

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ヒツジバエ科のハエの主な寄生方法は寄主に直接卵を産み付けると言う単純明快なものですが、ハエをしっかり認識して追い払おうとする哺乳類を寄生先としている種の場合は、蚊やイエバエなどの他の昆虫を中間宿主としてちゃっかり利用します。

ヒトヒフバエが属するヒツジバエ科のハエは寄生する哺乳類ごとにウマバエ属やウサギヒフバエ属、ウシバエ属などとグループ化されますが、ヒトヒフバエは生態が殆ど同じウマバエと余り区別されず、どちらも同じ名「ウマバエ」が使われる事が多くなりました。ですが厳密には人に寄生するのはヒトヒフバエと言う別種です。

馬などの動物への寄生

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名前の通り馬に寄生するウマバエの場合は中間宿主に頼らず直接卵を産み付けるタイプで、前脚の前側に生える毛や膝、砲骨など、或いは鼻の中や喉の粘膜に産み付ける事も。馬が追い払えない所なら遠慮なしで入って行きます。

そこから口へ移動し歯茎で幾らか成長すると胃、腸と消化器を次々と移動し最終的には直腸に住み着きます。そこに炎症を起こさせて潰瘍の原因と成り宿主を死に至らしめてしまうのです。表皮に産み付けられた場合でも毛繕いで舐め取れる場所であれば同様の末路を辿る事になります。

人への寄生

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ではヒトヒフバエはどちらでしょうか。人は動物としては目が良いですからハエの様な羽音を立てる大きな虫は積極的に追い払うでしょうし毛深くない上に野生動物よりは表皮を清潔に保つでしょう。もちろん舐め取る様な事もしません。なのでヒトヒフバエが選び取った手段は中間宿主を使う事でした。

ダニや蚊など人の血を吸う虫は結構いますので媒介者探しは然程難しくなかったでしょう。ウマバエ(ヒトヒフバエ)はこうした人の肌に穴を開けてくれる媒介者の腹部に産んだ卵を擦り付けます。そして、卵の運び役とされた蚊などが人に取り付くと卵が人の体温に反応して孵化。すぐ側にある媒介者が開けた皮膚の穴を利用して寄生するのです。

ウマバエの脅威から身を護る術を持つ動物

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人の様に器用な手を持たない四足動物は自力で除去出来る人間より遥かに寄生虫の脅威に常に晒されていますが、それでもただ宿主に甘んじている訳では有りません。長い年月を掛けてハエを寄せ付けない方法を本能に刷り込んで行った種も居るのです。

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