「リンフォン」のあらすじ前半
リンフォンは正三角形を組み合わせた正20面体という完璧に美しい形のパズル。古には宇宙の形が正20面体だと信じられ、その完全な姿から「神」が作ったとして崇められてきました。完璧な20面体のリンフォンはパズルの形を変えると地獄の門が開くといわれています。地獄の門に吸い寄せられた人に待つのは死とその先の地獄です。
骨董屋で見つかったリンフォン
インターネットの掲示板に記載された最も有名なリンフォンの話を紹介しましょう。桜子さん(仮名)と大輔君(仮名)が休日のデートで骨董屋さんをぶらぶらしていました。桜子さんは人形の入ったかごの中に無造作に置かれた、正20面体の美しい形のパズルを発見します。
熊→鷹→魚へと変化するリンフォン
そのパズルを購入すると英語とラテン語で書かれたひどく解読しにくい古い説明書が付いていました。そこには「RINFONE」と書かれていました。そして、熊→鷹→魚へと変化するという事が書かれていました。リンフォンは内部に複雑に入り組んだ構造でパネルを組み替えることで無数の形に変化していくのです。
パズルに夢中になる桜子さん
パズルは非常に精巧に作られており桜子さんは直ぐにのめり込んでいきました。購入した翌日には1段目のクマの形が完成します。正20面体から作り上げたクマは驚くほどリアルに出来上がりました。桜子さんは大輔君に写真を送ります。そして、翌日には翼を広げた鷹が出来上がりました。
「彼方」からの電話
鷹が出来上がると残りは魚だけです。桜子さんはウキウキしながら魚に取り掛かりました。ところが魚に取り掛かると桜子さんの携帯にいたずら電話が頻繁にかかってくるようになります。電話相手を示す着信は、非通知でも公衆電話でもなく「彼方」となっていました。
魚の形が完成に近づいていくと電話がさらに多くなる
桜子さんが作る魚が完成に近づいていくと携帯電話に掛かってくるイタズラ電話が非常に激しくなります。そして「非通知」という電話がかかってきました。電話を取った桜子さんの耳に「出して…」という大勢の男女が遠くで叫び合うような声が聞こえてきました。
大輔さんと桜子さんは占い師の元へ
イタズラ電話の話を聞いた大輔さんは電波の混線を疑いショップで確認します。しかし、携帯電話に異常はなく同様のクレームは入っていないとのことでした。2人はたまたま聞いた占い師を訪ねることにします。しかし、パズルに夢中の桜子さんはなかなか承諾しません。
夢の中で「ここから出して」と足を引っ張られる
桜子さんは魚のパズルをほとんど完成に近い状態まで作り上げていきました。その晩のことです。夢の中に無数の男女の群れが走り寄ってきてここから出せと桜子さんを取り囲みました。地中からも手が伸びてきて足を引っ張ります。そこでハタと目が覚め、身の危険をはっきり悟りました。
「リンフォン」のあらすじ後半
占い師の家は沢山のネコが住んでいる猫屋敷。自宅を兼ねた屋敷で占いサロンを開いていました。「シャーッ!」2人を出迎えたネコはどうした訳かすごむように威嚇をし、敵意をむき出しの態度を取ってきました。猫を避けるようにして2人は屋敷の中に入りました。