さらにはオウムの中で飛べないという独特な特徴をもつ種がいます。そんなユニークなキャラクターを持つオウムに関してはこちらの記事で詳しくご紹介させていただいています。ご興味ある方はこちらの記事も併せて読んでみてください。
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なぜオウムの寿命は長いのか?
一般的な鳥類に比べてどうしてオウムはこんなにも長生きするのでしょうか。同じ鳥類や分類が近いインコと比較してもその生命力は格段に長い時間を生きています。ここではオウムが長寿である理由をご紹介させていただきます。
オウム自体はまだまだ研究が進んでおらず、その生態は謎に包まれた部分が大半です。これからご紹介させていただく長寿の理由も有力説として最も可能性が高いという説をご紹介させていただきたいと思います。
身体が大きいためとされる説
生きものの寿命は、その身体の大きさに比例すると言われています。分類の近いインコと比較してもオウムは大型の個体が多く、それ故に長寿であると考えられています。しかし、インコや他の鳥類の中にも大型のものはオウムと同サイズの個体が存在しているため、一概に身体の大きさが理由であるとは言えないでしょう。
人間と共に暮らしているため説
現在では多くのオウムが家庭で飼育されていたり、保護下にあったりと人と深い間柄にあります。また、人による開拓が安全な住処や豊富な資源を共有し、そういった人の手が入り恵まれた環境での生活はオウムの種の生存を助けているとされています。
しかし、実際のところはオウムの長寿の理由は解明されていません。生物学的な結論が出ていないため、上記の2説が最も有力とされていますが、真実は未だ謎に包まれており、他の動物の理論に当てはめた見解でしか語られていないのです。
オウムの寿命が100歳を超えた?
一部ニュースでも取り上げられた「チャーリー」という一躍有名となったオウムのお話をご存知でしょうか。平均的に見ても40~60年の長い命とされているオウムですが、そのはるか斜め上を行く長老のお話はニュースにも取り上げられ、人々の興味を引きました。
チャーチルのオウム
チャーリーと名付けられたオウムは「キバタン」という種のオウムとされており、平均寿命は前述にて記載させていただきましたが、50年が一般的です。しかし、驚くべきことは、チャーリーがオウムではなく、寿命が短めの「インコ」だったという事です。
チャーチルの噂
チャーリーは1916年に120歳でその長い人生に終止符を打ったとされていますが、生まれは1796年という「歴史の生き証人」とも言われています。また当時の飼い主だったチャーチルが生前に教え込んだとされているヒトラーへの暴言を口ずさんでいたという噂も存在します。
長寿のオウムは他にもいた!
長生きなオウムについては世界各国で名が広まっています。チャーリーはインコで120歳を超えていたという驚愕の事実がありますが、ここではオウムの長老たちの生きた証となる報告などをご紹介させていただきたいと思います。
100歳を超えたオウム
羽根を失くしてしまい、生涯の大半を裸で過ごしたとされているヤシオウムが90歳を迎えたという報告や、シドニーの巷で有名なキバタンは100歳を超える高齢だったとされています。また1970年代末に発見されたアカピタイムジオウムが1904年に再発見されたともいわれています。
その他長寿を迎えたオウム
長老はチャーリーだけではありません。シカゴで飼育されているクルマサカオウムは2009年で76歳を迎え、またサンディエゴ動物園にいたオオバタンも既に死去してはいますが69歳にも及ぶ長寿だったとされています。
オウムの寿命83歳でギネス認定!
今までにも沢山の長寿のオウムが記録として残されていますが、ギネスとして生涯生きた履歴が認定されたのは、オーストラリアで飼われているクッキーというクルマサカオウムでした。ここではクッキーについての詳細をご紹介させていただきます。
世界最長寿のオウム
1834年生誕のクッキーは第二次世界大戦よりも前に生を受け、大戦中もその歴史を目に焼き付けてきたのでしょう。クッキーはクルマサカオウムという種ので、白とピンクの可愛らしい見た目で人々に愛されていました。
ギネス認定後のその後
83年にも及ぶ長い時を過ごしたクッキーでしたが、83歳になり体調が悪くなってしまったため、獣医師の判断で安楽死という安らかな眠りにつきました。その後、生涯にわたりちゃんとした記録の残っていたクッキーは世界最長寿としてギネスに認定されたのです。
愛くるしい見た目から沢山の人に愛されたクッキーですが、記録としてのギネスだけではなく、その長く尊い命の証がクッキーを愛でていた人々の心に深く記録されたのではないでしょうか。ギネス記録という大きな出来事としてクッキーは取り上げられましたが、心の記録は家庭で飼われているオウムにも当てはまることです。
飼っているオウムの寿命を延ばすには?
今もオウムと暮らしている方、また飼育を考えられている方も多いのではないでしょうか。生きものであるうえで、絶対という事は決してありませんが、長生きするために行える事をご紹介させていただきます。
これからご紹介させていただく内容は長寿にするためだけに行うという事ではなく、家族同然であるオウムへの環境エンリッチメントや、健康でいてもらう上で必要である事でもあり、既に行われている方も少なくはないでしょう。
話しかけること
自然の中でつがいを成し沢山の仲間と群れで生活を行う鳥です。そんな本来の習性もあり、寂しがりな個体も多い傾向にあります。逆に言うと、仲間がそばにいないとストレスを感じてしまうのです。そのストレスを少しでも和らげれるよう、話しかけるようにしてあげる事をおすすめします。
オウムはインコほど人の言葉を理解しないと思われがちですが、大切なのは言葉を覚えさせることではなく、飼い主という存在がそばにいるという事を伝えてあげるための方法です。しゃべりかけずとも傍にいるだけでオウム達はきっとストレスのない幸せな時間を過ごしてくれています。
野菜と果物を定期的に与える
野生のオウムは木の実や昆虫などを食べて生活しています。飼育を行う際に、インコやオウム用の加工フードを与える事でバランスの取れた食餌が出来ますが、新鮮な野菜や果物は加工フードで不足しがちな栄養が取れるため、定期的に上げるようにしましょう。
暖かい環境作り
本来暖かい気候で生活しているオウムは、寒さに弱く寒い冬には健康を損ねがちな傾向にあります。出来るだけその種類の原産地に近い環境に近づけてあげる事により、身体への負担も少なく、健康に生活ができます。
共に過ごす家族同然の存在だからこそ、出来る限り健康で長生きして欲しいという飼い主さんの気持ちは不変でしょう。こちらの記事ではペットとして人気のチンチラの寿命や長生きさせる方法などをご紹介しています。ご興味ある方はこちらの記事も参考にしてみてください。
気になるオウムのお値段は?
ここではショップで取り扱われているオウムの相場を取り上げてご紹介させていただきたいと思います。中々日本では棲息していないオウムだからこそ、入手が厳しく高額になる事もあるオウムですが、実際に購入を考えている方はご参考にしてみてください。
高額のオウムだと何百万円にも
比較的飼いやすく手に入りやすいオカメインコでは1~5万円ほどで購入することができます。しかし、手に入りにくい種類であると、200万円を超えるオウムも。寿命の長さや希少価値によりお値段も上乗せされて付けられているのです。
日本では販売されていなかったり、入手が非常に困難だったりと飼育が出来ない種類のオウムがたくさんいます。現在高額で飼育されているオウム達も、その数を減らして行く行くは日本での販売ルートが途絶えてしまう可能性が大いにあるのです。
保護団体からの譲渡という手
オウムは寿命が長いため、飼い主に先立たれてしまうオウムも少なくはありません。そういったオウムの次なる引き取り手を探している団体も多く、譲渡という方法も可能です。インターネットでも譲渡の情報は沢山載せられているため、一度調べる事をおすすめします。
また、譲渡を行っているセンターにいるオウム達の多くは飼い主に先立たれてしまったり、長寿であるが故に人の環境の変化で飼えなくなったという理由で放棄されたオウム達です。自身が引き取る前には今一度、同じつらい思いをオウム達にさせない自信があるか、胸に手を当てて自身に聞いてみてください。
オウムの飼育情報
こちらでは長く共に過ごせるオウムと楽しく快適な生活を送れるような飼育に関する情報をご紹介させていただきたいともいます。オウムをこれからお迎えするという方は、自身と同じ、もしくは自身よりも長く生きる可能性がある事を忘れず、お迎えしてあげてください。
飼育の必要グッズ
オウムは自然界でも固い木の実を食すために丈夫なくちばしと、噛む力がとても強くなっています。そのためケージは頑丈なものを使用しないと、捻じ曲げてしまったりといったトラブルの原因です。また、ケージに止まり木や餌水容器などがついている事が多いですが、壊されてしまった際の予備も常備しておきましょう。
飼育の注意事項
前述させていただきましたが、オウムは飼い主さんよりも長く生きる可能性があります。譲渡を待つオウム達の多くは飼い主に先立たれてしまったオウム達です。長寿に関する問題は必ず頭にとどめておく必要があります。
また、飼育中のトラブルとしてはおもちゃや用具をかみ砕き、誤飲事故が多いため注意が必要です。おもちゃを買う際には丈夫なものや、口にしても大丈夫な固い木製のおもちゃが最適です。間違ってもプラスチックや柔らかいおもちゃは購入しないよう気を付けておきましょう。
オウムとインコの違いは?
オウムとインコは分類的にもとても近く、よく混同されがちです。しかし根本的な分類学上の「科」が違っています。ここではオウムとインコの違い見分け方、その特徴を詳しくご紹介させていただきたいと思います。
オウム目オウム科
21種類の鳥がオウム科に属しており、その多くは未だ色々な観点において未解明の状態です。野生では大きな群れで生活する事が多く、ペットとして人気のあるオウムですが、飼育は容易ではありません。人の開拓による開けた土地や作物などでオウムは利益を得ていると考えられています。
オウム目インコ科
インコ科には約330種類もの鳥が属しており、人の言葉や音声を真似して発生するようになります。多くのインコは一夫一妻のつがいで木のウロに巣を作り生活を営んでいます。オウムと違い、雌雄の区別が見た目ではわからない種類が多く存在します。
オウムとインコの画像を比べると?
混同されがちなオウムとインコの区別に役立つのが「トサカ」だと言われています。正式には「冠羽(かんう)」と呼ばれる頭頂部の羽根の事で、インコにはこの冠羽がありません。他にも体のサイズも違いがあり、身体の色もインコはカラフル、オウムは単色な傾向にあります。
キュウカンチョウは別!
日本ではペットとしてインコやオウムと共に広く飼育されているキュウカンチョウですが、実はスズメ目ムクドリ科に属している鳥です。インコのように言葉や音を真似することができるため間違われやすいですが、発生の方法がインコとは違っているのです。
ワシントン条約によりオウムは保護されている
愛玩動物としても人気の高いオウムですが、密輸や乱獲問題により野生での数を減らし絶滅の危機に瀕しています。そのため「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」により、輸出入が規制されているのです。
厳しい規制の中でも密輸や隠れて捕獲したりしてしまう人もまだまだ多く、オウム自体が繁殖力に優れていない事もあり、その数は減少の道を辿っているのも事実です。このままでは日本でオウムの飼育が困難となってしまう日も遠くはないかもしれません。
オウムの長寿の秘訣はコミュニケーション!
長寿とされるオウムは飼っている人と共に長い時間を過ごします。家族のような存在だからこそ、長生きして欲しい、という方は是非オウムとコミュニケーションの大事さを実感し、楽しいオウムライフを送ってみてください。