サヨリは白身魚です。脂質が少なくて高たんぱく、低カロリーなのが特徴です。カリウムやナイアシンが多く含まれています。カリウムは血圧の上昇を抑える働きがあり、ナイアシンは頭痛や冷え性に効果が期待できます。またEPA・DHAも含まれています。
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サヨリのさばき方
サヨリのさばき方を順を追って紹介します。
1.水洗い
うろこを落とします。細かいうろこです。尾の方から、ていねいに撫でるように落とします。
2.はらわたを取る
頭を落とし、エラを取ります。姿造りにする場合などは頭は残したままで、その他の調理の時は頭を落とします。腹側に小さな胸びれがあるので、探して取り除きます。右利きの場合、サヨリの頭を右側にして、包丁の刃を上に向け(逆さ包丁)、肛門から直線に腹を開きます。こうすると、自然と包丁がはらわたを外に押し出してくれます。包丁や指で内臓を出したら水洗いをします。このときに真っ黒の腹膜があるのですが、これは臭みの元となるのでていねいに除きましょう。キッチンタオルなどをサヨリの腹の大きさに合わせて丸めて軽くこすると取れます。優しくこすって下さいね。
3.三枚に下ろす
尾を落とした方がやりやすい方は、先に尾を落とします。尾があったほうが下ろしやすい場合はそのままで構いません。中骨の上に包丁を入れて、下部まで一気に刃を進めます。中骨の下をくぐらすように包丁を入れ、刃を骨に添わせるように尾まで動かし、中骨を外します。
4.腹骨・皮を取る
腹に沿ってゆっくりと刃をそわせて腹骨をとります。皮は指でゆっくりとめくりながら剥がします。
おすすめサヨリ料理◆刺身
サヨリは足のはやい魚です。刺身は絶品です。皮を引いたあとは銀色に輝く美しい身をしているので、三枚に下ろしたものをそのまま斜めに引くだけでもキレイな料理になります。技術のある方は色々な細工切りで見た目にも楽しく美しいお造りに仕上げます。薬味はワサビももちろんよいですが、ショウガがよく合います。
おすすめサヨリ料理◆てんぷら
衣付けの難しいサヨリですが、ぜひ天ぷらでも楽しんで頂きたいですね。クセがなく上品な天ぷらになります。
おすすめサヨリ料理◆塩焼き
サヨリを酒と塩で下処理したのちに焼くだけです。刺身でももちろんですが、塩焼きでも皿を美しく飾ってくれて、目でも楽しめるサヨリです。三枚に下ろしたものをあぶるように焼いてもよいですし、はらわただけ取って姿焼きでもよいですね。脂ののった旬のものは特に美味しく頂けます。
おすすめサヨリ料理◆骨せんべい
三枚に下ろしたときの中骨や引いた皮を揚げたものです。小さな魚なので、下ろし損じることもあると思います。その身もまとめて揚げてしまいましょう。小麦粉や唐揚げ粉をふってカラッと揚げて塩を振るだけの骨せんべいですが、最高の逸品です。スナック感覚でつまめます。
サヨリの料理の時に気を付けたい寄生虫
サヨリヤドリムシ
見た目も美しく美味しいサヨリですが、高確率でサヨリヤドリムシという寄生虫がいます。白いダンゴムシのような容貌で、サヨリのエラに住みついています。サヨリの体液を吸ってサヨリと共に成長し、宿主のサヨリが死ぬと体から離れます。誤って食べても害はないそうで、寄生されたサヨリを刺身で食べても特に害はありません。蛇足ですがサヨリヤドリムシ、エビのような味がするそうですよ。
アニサキス
魚の寄生虫と言えばアニサキス。サヨリにも寄生している場合があります。調理の際はぜひ気を付けて下さい。サヨリヤドリムシと違い、アニサキスは人体に有害です。激しい腹痛、嘔吐、悪心などを引き起こします。生のサヨリにアニサキスを認めた場合は、加熱調理して下さいね。
サヨリみたいな人の意味
サヨリみたいな人って悪口?
『サヨリみたいな人』という慣用句があります。これは、サヨリはスラリとしていてとても見た目は美しい魚なのですが、お腹を開いてみると腹膜が真っ黒なのです。このことから、見かけは良くても腹黒い人の例えとしてサヨリが使われるようになりました。
細魚と鱚
『細魚と鱚(さよりときす)』ということわざもあります。これは、サヨリもキスもお腹の中は黒いために、見た目は美しくとも腹黒い人という意味で使われます。
腹膜が黒い理由って?
サヨリの腹膜の黒い理由ですが、捕食した藻が半透明の筋肉を通過した光によって腹の中で光合成するのを避けるためではないかと言われています。お腹の中で光合成されて酸素が発生したら、消化管が膨れてしまって浮袋のようになってしまいますね。
さいごに
美しい魚サヨリについてまとめてみました。海の貴婦人、海の麗人と言われ、その美しさは北原白秋も童謡の中で『サヨリは うすい/サヨリは ほそい/ぎんのうお サヨリ/きらりと ひかれ』と称えているほどです。釣りの初心者でも気軽に狙えるうえにとても美味しいサヨリ。ぜひチャレンジしてみて下さいね。